バナナと日本人: フィリピン農園と食卓のあいだ (岩波新書 黄版 199)

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  • Amazon.co.jp ・本 (230ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784004201991

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  • 目次:
    1 バナナはどこから? ―― 知られざる日・米・比の構図
    2 植民地ミンダナオで ―― 土地を奪った者、奪われた者
    3 ダバオ麻農園の姿 ―― 経営・労働・技術
    4 バナナ農園の出発 ―― 多国籍企業進出の陰に
    5 多国籍企業の戦略は? ―― フィリピン資本との結びつき方
    6 契約農家の「見えざる鎖」 ―― ふくらみ続ける借金
    7 農園で働く人びと ―― フェンスの内側を見る
    8 日本へ、そして食卓へ ―― 流通ルートに何が起こったか
    9 つくる人びとを思いながら ―― 平等なつながりのために
    あ と が き

  • アメリカの企業と、日本、そしてフィリピンのバナナ農園の関係についてその実態を詳細に書かれた本。

    昔に書かれたものなので、現在はどうか分からないが、
    このような、巨大資本が、発展途上の土地を自分達の利益のためだけにいじくり回すという現状は世界の至るところでも見られる問題だろう。

    我々日本は、自分達のことだけを考えず、世界全体が利益を共有できることを考えなければならないのではないか。

  • 今や世界だけでなく日本の中だけでも云えることであるが、「安さには裏がある。」のだ。
    昔は割と高級なバナナであったが、それは台湾バナナであった。台湾は輸出量にムラがあり、70年代頃から安いフィリピン産のバナナに変わっていった。輸出量にムラもないし、大土地所有制による安定した輸出が可能であったこと、これをまず踏まえる必要があろう。
    ただ、安定したということは定常的に働かされている人がいる。開発経済といえば、「輸出志向」であり、あたかもそれが生活をゆたかにしたかのように錯覚する。しかしフィリピンでは、不安定な身分で働いている人がおおくいる。フィリピンはながいこと戒厳令が布告されており、労働運動ができないのだ。
    そのためにも「フェアトレード」や「共同購入」は重要なのかもしれないが、まだまだ世界は多国籍企業による支配が進んでいる。発展途上国も時間の問題なので、じきに「飽食の時代」は終演を迎えるのかもしれないが。

  • 11/17 大学図書館で廃棄本をもらう。
    綺麗なので、あまり読まれなかったと思われる。

  • [ 内容 ]
    スーパーや八百屋の店頭に並ぶバナナの九割を生産するミンダナオ島。その大農園で何が起きているか。
    かつて王座にあった台湾、南米産に代わる比国産登場の裏で何が進行したのか。
    安くて甘いバナナも、ひと皮むけば、そこには多国籍企業の暗躍、農園労働者の貧苦、さらに明治以来の日本と東南アジアの歪んだ関係が鮮やかに浮かび上がる。

    [ 目次 ]
    1 バナナはどこから?―知られざる日・米・比の構図
    2 植民地ミンダナオで―土地を奪った者、奪われた者
    3 ダバオ麻農園の姿―経営・労働・技術
    4 バナナ農園の出発―多国籍企業進出の陰に
    5 多国籍企業の戦略は?―フィリピン資本との結びつき方
    6 契約農家の「見えざる鎖」―ふくらみ続ける借金
    7 農園で働く人びと―フェンスの内側を見る
    8 日本へ、そして食卓へ―流通ルートに何が起ったか
    9 つくる人びとを思いながら―平等なつながりのために

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    [ 関連図書 ]


    [ 参考となる書評 ]

  • 「一本の鉛筆の向こうに」っていう、少なくとも光村の教科書に載ってる話はある世代の人達には有名だと思う。ポディ・マハッタヤさんとか、トニー・ゴンザレスさんとか、ダン・ランドレスさんとか! 一本の鉛筆にもこれだけの人の努力があるのだから大切にしましょうっていう話。でもこの話の裏には、絶対に問題が隠れている。たとえば『バナナと日本人』に書かれているような。「自分たちも好んで食べることがあるが、背に腹はかえられず売ったり献上したりして、より低質の食物を主として口にするという農業生産パターンは、昔も世界中にあったし、今日でも見られる。日本の稲作農民もそれを経験した。だが、ミンダナオのバナナ労働者の場合は、それとはかなり異質だ。かれらは自ら食べたくもないバナナを作っている。(中略)自分たちで食べないものの生産から食べないものの生産へと、どうして移行したのか。」(未読了)

  • 「現実を知る」ことは大切。

    たとえそれが目を背けたくなることでも。

  • 言わずもがな名著。経済や社会問題に
    興味がある人もない人も一度は読んでみるべき。
    世界観が、かわる。

  • これを読んでフェアトレードに興味が沸きました。今までフェアトレードなんか毛嫌いしてたのに、身銭切って買う価値ありますよ。良い本です。

  • 2008/08/29

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