- Amazon.co.jp ・本 (290ページ)
- / ISBN・EAN: 9784004300199
感想・レビュー・書評
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分子レベルと表現型レベルにまたがって進化と遺伝について網羅的に知ることができる。
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(2015.10.12読了)(2008.06.22購入)
生物進化についての本を読んでいると、参考文献としてこの本がわりと頻繁に出てくるので、読んでおこうと手に取りました。
この本は、学問としての進化論は、どんなものかの紹介なのでしょう。数式のようなものが出てきて、ちっともわかりませんでした。まったくお手上げでした。
ダーウィンは、メンデルの遺伝の法則もDNAのことも知らなかったので、進化について論じるのに苦労したわけですが、メンデルの法則やDNAによって、論じやすくなったし、実証実験的なものもやりやすくなったのだと思います。
それにしても、突然変異と自然淘汰で、進化を説明しようという、ネオダーウィニズムには、納得しがたいものがあるのも事実で、趣味としての進化論の肩を持ちたくなります。
いろんな種の生き方の仕組みを見ていると、その見事さを突然変異と自然淘汰によるものという説明で、なるほどそうですかとは、とても言えないわけです。
どうしても、生き物の意思みたいなものを想定したくなります。意思が遺伝子に影響を与えることができるか、と言われると、答えに窮してしまうわけではありますが。
【目次】
はしがき
第一章 生物の多様性と進化の考え
第二章 遺伝学に基づく進化機構論の発達史
第三章 進化の道すじをたどる
第四章 進化要因としての突然変異
第五章 自然淘汰と適応の考え
第六章 集団遺伝学入門
第七章 分子進化学序説
第八章 中立説と分子進化
第九章 進化遺伝学的世界観
参考文献
●ダーウィン(13頁)
彼(ダーウィン)はビーグル号による世界周航以後長年にわたって集めた膨大な資料を用いて生物進化が事実であることを世界の学者に納得させただけでなく、自然淘汰によって適応的進化が起こることを明らかにした。
●遺伝の仕組み(17頁)
ダーウィンが自説を『種の起源』にまとめるにあたって、彼を悩ました最大の難点は、遺伝の仕組みが分からぬことであった。
●集団遺伝学(31頁)
集団遺伝学の研究対象は生物の集団とくに有性繁殖によって結ばれた同種個体の集まり、言い換えると繁殖社会である。このうちには各種の対立遺伝子がいろいろな割合で含まれており、これらを「遺伝子頻度」と呼ぶ。集団遺伝学では、これらの頻度が突然変異、自然淘汰などの進化要因の下でどのように変化していくかを追求する。言うまでもなく、集団遺伝学の重要な目標の一つは進化機構の解明である。
●突然変異(114頁)
「突然変異、すなわち著しい奇型」といった観念は間違っている
☆関連図書(既読)
「ダーウィン先生地球航海記(1)」チャールズ・ダーウィン著・荒俣宏訳、平凡社、1995.06.23
「ダーウィン先生地球航海記(2)」チャールズ・ダーウィン著・荒俣宏訳、平凡社、1995.10.02
「ダーウィン先生地球航海記(3)」チャールズ・ダーウィン著・荒俣宏訳、平凡社、1995.11.20
「ダーウィン先生地球航海記(4)」チャールズ・ダーウィン著・荒俣宏訳、平凡社、1996.01.20
「ダーウィン先生地球航海記(5)」チャールズ・ダーウィン著・荒俣宏訳、平凡社、1996.02.23
「ダーウィン」八杉龍一編、平凡社、1977.01.14
「種の起原」チャールズ・ダーウィン著・堀伸夫・堀大才訳、朝倉書店、2009.05.10
「ダーウィンの思想」内井惣七著、岩波新書、2009.08.20
「ダーウィン『種の起源』」長谷川眞理子著、NHK出版、2015.08.01
「生物の世界」今西錦司著、講談社文庫、1972.01.15
「私の進化論」今西錦司著、思索社、1970.05.01
「進化とはなにか」今西錦司著、講談社学術文庫、1976.06.30
「ダーウィン論」今西錦司著、中公新書、1977.09.25
「主体性の進化論」今西錦司著、中公新書、1980.07.25
「さよならダーウィニズム」池田清彦著、講談社選書メチエ、1997.12.10
「38億年生物進化の旅」池田清彦著、新潮社、2010.02.25
「「進化論」を書き換える」池田清彦著、新潮社、2011.03.25
「失われた化石記録」J.ウィリアム・ショップ著・阿部勝巳訳、講談社現代新書、1998.03.20
「NHKスペシャル 生命大躍進」生命大躍進制作班著、NHK出版、2015.07.10
(2015年10月13日・記)
(「BOOK」データベースより)amazon
ダーウィンによって確立された進化論はどのように発展していったのか。分子生物学は進化論をいかに豊かにしたのか。進化の道筋は現在どのように考えられているのか。革命的な「分子進化の中立説」を提唱して世界の学界に大論争を巻き起した著者が、『種の起原』から中立説までの進化の考え方をやさしく説き、人類の未来にも想いを馳せる。