- Amazon.co.jp ・本 (225ページ)
- / ISBN・EAN: 9784004301998
作品紹介・あらすじ
政治の指導者には、燃えるような信念とともに冷静な現実感覚が求められる。では、イギリスのサッチャー、日本の海部前首相の場合はどうであったか。M・ウェーバーの名著『職業としての政治』を手がかりにして2人の対照的な言動を痛烈に批判し、「国家」が揺らぐ時代に求められる政治家像や政治・政党のあり方を熱っぽく論じる。
感想・レビュー・書評
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姉の表題にはBerufという単語は明示されていないので、しばしば姉は別だと考えられがちだが、姉に『職業としての実業』という名をつけるなら、姉妹関係は極めて明白になる。119
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積極的に行動できるような条件が整っていないのに、日本は経済大国になり、金持ちになったのだから積極的に行動できると考えたという失敗である。175
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部門別の近代化の度合いは不揃いになった。
非常に遅れた政治機構が、進んだ経済、軍備、学問を動かしたのである。
次々と戦争を仕掛けて止めることができなかったのは、根本的に政治の貧困に基づく。190
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信条政治と責任政治
→何々をなしとげるという信念をもつとともに、こういう行動をしたらこういう結果が予期されるが、それに対して責任をもつ、この両者のバランスをうまく保った政治が望まれる。
そして、それは状況によりそのバランスの程度は異なるが、重要なのは片方のみでは不十分である点。
リーダーによる経営においても、十分に波及できること。
そして、やはり教養は大事。
2015/3/6
2周目を読んでーサッチャーの台頭と失脚、ECの設立についての記述について概要を学べる点については読む価値があるが、いささか感情的な批判が多く、根拠となるものについては記載が少ない気がする。 -
つぶやき集。ツイッターにあらず。ウェーバーの『職業としての政治』を引き合いに、日英首相の比較論なんか。もう読むことはないだろう。色あせた本。
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政治におけるRealismとIdealismのあり方。
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政治家に必要な条件を前半は英国のサッチャー首相と日本の海部首相を比較で論じ、その功罪について描いてある本。
又、政治学では名著の中の名著「職業としての政治」の難しい翻訳を優しい言葉に言い換えているのも特徴。
政治家のバランス感覚として、
「信条(心情)倫理」と「責任倫理」というものが存在する。
信条倫理は、いかなる場合においても、(世間一般の)善悪判断を絶対視し、その確信に基づいて、悪を放逐し、善のみを追及する考え方である。
一方で、責任倫理とは、自らが予見できる全ての可能性に対して責任を負うという姿勢である。この場合の「可能性」は、常識的に考えて予想し得る可能性のみを含んでいる。 -
2冊