- Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
- / ISBN・EAN: 9784004308188
作品紹介・あらすじ
紅花で艶やかな赤を染め、紫根から深い紫を取り出す。色を重ね、その微妙な変化を楽しむ。飛鳥・天平の美や『源氏物語』の世界は、その繊細な色彩感覚と高い染織技術を抜きにしては語れない。数々の古代植物染の復元に取り組んできた著者が、実作者ならではの眼を活かして読み解く、日本の色と衣と染の歴史。
感想・レビュー・書評
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色は視覚に真っ先にくるものだけど、染料の歴史などストーリーを知るとこんなにも面白いんだなとしみじみ思った。また読みたい。
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縄文から江戸までの日本の染色史の概略がわかる。
いや、概略をつかむなら、もう少し項目を統一して各時代まとめて欲しいかな?
染色の本だから、染料の材料となるものや、染める対象となる糸や紙の材質、作る技術に話が及ぶのは当然。
それだけではなく、貿易、「小袖屋」という同業者組合、商慣行など、染物を取り巻く事象にも触れられる。
私にはこういうところが面白かった。
たしかに、体系的に、網羅的に、ということは望めない。
この本の価値は、しかし、やはり草木染の再現に長年取り組んできた染色家が手掛けたところにある。
だから、この本に茜での染め方が書いてあるけれど、これでは染まらないはずだ、といった指摘が出てくる。
この本を読んでいると、日本の染色史は赤と黒(と紫)に尽きる、という気がしてくる。
明治に修復で使われた赤の化学染料は褪せてしまっても、茜で染めた縅は退色しなかった、という話はとても印象に残っている。
志村ふくみさんが、草木染は色が保ちづらい、鮮やかに染めるだけなら化学染料に勝てないけれど、色褪せとぃくことも含めて草木染だと思わないと、といった旨の発言をテレビで聞いた記憶があったから。
赤と言えば―。
修二会で散華される椿の造花のことが出てくる。
紅花で取った染料を塗り重ねて作るのだそうだ。
その染料を作るプロセスの、気の遠くなるような手前!
この造花を、私は一度、現物を見たことがある。
カルチャーセンターで、吉岡さんの講座を、二回だけ取ることができた。
その折に見たものだ。
ぼってりとした赤は、今でも記憶に残っている。
その吉岡さんも、昨年急逝された。
だんだん素材も方法も失われていく中で、それを再現するという困難な道を歩んだこの人に、哀悼の意を捧げたくて、いま、この本を読んだ。 -
2019年10月5日購入。
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170402 中央図書館
仮読み。精読希望。 -
10.4.28~10.5.30
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図書館所蔵【753.8YO】
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紅花で艶やかな赤を染め、紫根から深い紫を取り出す。色を重ね、その微妙な変化を楽しむ。飛鳥・天平の美や『源氏物語』の世界は、その繊細な色彩感覚と高い染織技術を抜きにしては語れない。数々の古代植物染の復元に取り組んできた著者が、実作者ならではの眼を活かして読み解く、日本の色と衣と染の歴史。