世界経済入門 第三版 (岩波新書)

著者 :
  • 岩波書店
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  • Amazon.co.jp ・本 (243ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784004308942

作品紹介・あらすじ

世界経済の構造をわかりやすくときほぐし、新しい世界秩序を展望する、市民のための入門書として親しまれてきた『世界経済入門』を全面改訂。グローバル化の進行による激変、EUやNAFTAなど地域経済圏の進展、アメリカを中心とする軍事化の拡大、市民社会の台頭など九〇年代以降の動きを読み解き、日本の進むべき道を構想する。

感想・レビュー・書評

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  • 現在日本は転換点に立たされている。世界中で活発化しているグローバリゼーションの動きに対してどう対応し、永代平和を築いていくかを考える。

  • 2004年(なお初版1988年)刊行。なお後継の「新」もあるよう。
    著者は早稲田大学政治経済学部・大学院アジア太平洋研究科教授。

     貿易や通貨といった点だけに限ることなく、世界経済という視座から、労働・環境・厚生、あるいは世界各地の現代政治経済史にも切り込んでいる意欲作。
     グローバル化の功の面だけを論じる新自由主義経済学者の底の浅さを図らずも鋭く突く書となっている。

     そもそも新書サイズなのに、広範なテーマを過不足なく検討している点に脱帽。
     また、その叙述も各々の段落で叙述テーマが推測できる書き方で非常に読みやすい。

     しかも、憲法が戦後日本の経済発展に寄与した意味合いに肯定的に言及した書(僅かではあるが)を初めて見た。これには吃驚。

     さらに驚くべきは次の叙述。
     それは「自然資源を利用し水・空気…を汚染することは人類共通の公共財を食いつぶし…」「エントロピー(=自然資源の収奪的利用・環境の破壊)のコストをゼロと考えてきたところに、学問体系のイデオロギー性(特定の利害に奉仕)が見出される」
    というくだりである。
     つまり非マルクス経済学も、イデオロギーと特定の利害関係者の利益重視の産物であるという視座を正面から指摘した点だ。
     なんとなくモヤモヤしたところを言葉にしてもらった印象があり、実に気持ちの良い読後感であった。


    備忘録。
     東海原子力発電所は1998年に廃炉、解体2017年まで。その費用は527億円に見積もられているが、それには放射性廃棄物の埋め込み(万年単位の可能性)処理の費用・維持管理費用は含まれていない。とのこと。

  • (「BOOK」データベースより)
    世界経済の構造をわかりやすくときほぐし、新しい世界秩序を展望する、市民のための入門書として親しまれてきた『世界経済入門』を全面改訂。グローバル化の進行による激変、EUやNAFTAなど地域経済圏の進展、アメリカを中心とする軍事化の拡大、市民社会の台頭など九〇年代以降の動きを読み解き、日本の進むべき道を構想する。

  • 24-1-16 完了

  • 経済なんて世界とともに滅んじゃえ。

  • [ 内容 ]
    世界経済の構造をわかりやすくときほぐし、新しい世界秩序を展望する、市民のための入門書として親しまれてきた『世界経済入門』を全面改訂。
    グローバル化の進行による激変、EUやNAFTAなど地域経済圏の進展、アメリカを中心とする軍事化の拡大、市民社会の台頭など九〇年代以降の動きを読み解き、日本の進むべき道を構想する。

    [ 目次 ]
    1 二一世紀初頭の世界経済(グローバル化と地域化;貿易の流れと自由貿易協定(FTA)
    多国籍企業と海外投資 ほか)
    2 地球経済の諸要因(世界人口はどうなる?;食料問題のゆくえ;エネルギーと資源 ほか)
    3 世界経済の将来と日本(南北問題と地域秩序;グローバル化、軍事化と市民社会;新しい豊かさを求めて―日本の選択)

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    [ 関連図書 ]


    [ 参考となる書評 ]

  • 世界経済が抱える問題について解説した本

    データの羅列ばかりで正直わかりにくかった
    あと、最後に触れられている「北方領土や尖閣諸島を近隣諸国と永代共用する」なんて意見には、とてもじゃないが賛同できない

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著者プロフィール

西川 潤
1936年生まれ。
早稲田大学名誉教授。学術博士。
専攻:国際経済学、開発経済学。
主著『人間のための経済学――開発と貧困を考える』(岩波書店、2000年)、『グローバル化を超えて――脱成長期 日本の選択』(日本経済新聞出版社、2011年)、『新・世界経済入門』(岩波新書、2014年)、共編著『連帯経済――グローバリゼーションへの対案』(明石書店、22007年)、『開発を問い直す――転換する世界と日本の国際協力』(日本評論社、2011年)など。

「2017年 『共生主義宣言』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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