報道被害 (岩波新書 新赤版 1060)

著者 :
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  • Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784004310600

感想・レビュー・書評

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  •  図書館より
     著者は弁護士の方。松本サリン事件の再考や報道被害の事例、そして、報道被害を防ぐための方策と報道の自由の兼ね合い、そして著者が考える報道被害を防ぐための提案が書かれています。

     個人的に思ったのは報道は誤りを認めないことや、報道によって起こった出来事については徹底的に黙殺することです。この姿勢を直していかないことには変われないような気がします。

     そしてもう一つはスクープ競争をやめてほしい。例外はもちろんあるものの不確実な情報を早く出されるよりも、一日遅れてもいいから確かな情報を出す方が重要な気がします。どこか大手メディア一社が変われば、状況は変わるような気もするのですが。

     もちろん報道を受け取る側もただ報道を受け取るだけでなく、この情報は正しいのだろうか、この言葉は正しいのだろうか、そういうことを考えながら報道を受け取る必要があるのだと思いました。

  • 第四の権力と言われるほど強大な権力を持ちながら、本人たちはそれを自覚することなく、無邪気に犯罪被害者を必要以上に苦しめ、冤罪被害者を社会的に抹殺し、冤罪でなくとも司法判断以上の異常なしつこさで犯罪者を糾弾する。そして、自らを顧みることもなく、間違えて人を断罪したとしても謝罪も補償もすることはない。そんなメディアの姿を、「報道被害」という切り口で捉えた一冊。古い本(2007年)だが、この15年間メディアの本質が何ら変わっていないので、昨日書かれた本かのように読める。違いと言えば、SNSの発達により、報道被害者に反論、逆報道の機会が与えられるケースが増えてきたことくらいか。それでも、警察に勾留されてしまえばそういうわけにもいかず、警察が調査情報を秘匿しながらメディアをコントロールして冤罪を生み出す一方、それに加担するメディア側には全くその自覚がないという状況に変化はない。

  • マスコミの恐ろしさを感じた。

  • 古くはフライデーから最近の桶川事件等に関する報道被害とそれと戦う人たちについてありのまま描写されています。被害者もしくは被疑者に対する報道機関の報道姿勢には確かに疑問を抱かずにはいられない。どこまで言論の自由なのか、難しい問題ではある。

  • 松本サリン事件を忘れまい。

  • 冤罪で報道された人や被害者家族の人権侵害に対して今の報道体制に警告を発した弁護士による本。

著者プロフィール

弁護士。
豊洲市場用地取得に関する公金返還訴訟(住民訴訟)弁護団長

「2017年 『築地移転の謎 なぜ汚染地なのか』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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