低炭素経済への道 (岩波新書) (岩波新書 新赤版 1241)

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  • Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784004312413

作品紹介・あらすじ

刻一刻と進行する地球温暖化。この未曾有の環境変動を前に、従来型の経済発展はもはや許されない。いま必要なのは、CO2の排出を大幅に削減し、なおかつ経済を向上させる、新たな成長戦略だ。困難な課題を克服する鍵は、産業構造の転換にある。低炭素化による経済の大いなる可能性と将来ビジョンを示す。

感想・レビュー・書評

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  • 519-M
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  • ちょうど一年前に社内で、なぜ、地域で環境を保全しなければならないのか?という議論をやったことがあった。

    乱暴にもWSで議論したりしたのだが、結論が出なかった。
    しかし、今は仮説が立つ。

    そしてその合意をどのようにして取るかがポイントであるが、諸富先生の話を聞いてもらうのが一番よいだろう。

    知見交流会にぶつけることはできないだろうか?

  • 排出削減が経済を向上させる
    地球規模での排出削減への挑戦
    省エネ世界一の幻想からの脱却
    環境産業政策への転換

    著者:諸富徹

  • 配置場所:摂枚新書
    請求記号:519.8||M
    資料ID:95110467

  • [ 内容 ]
    刻一刻と進行する地球温暖化。
    この未曾有の環境変動を前に、従来型の経済発展はもはや許されない。
    いま必要なのは、CO2の排出を大幅に削減し、なおかつ経済を向上させる、新たな成長戦略だ。
    困難な課題を克服する鍵は、産業構造の転換にある。
    低炭素化による経済の大いなる可能性と将来ビジョンを示す。

    [ 目次 ]
    第1章 排出削減が経済を向上させる(二つの経済ビジョン;グリーン・イノベーションと「第三次産業革命」)
    第2章 地球規模での排出削減への挑戦(COP15とは;「二℃目標」への挑戦;COP15の今後;気候変動が迫る国際連携)
    第3章 省エネ世界一の幻想からの脱却(排出削減を回避する論理;排出削減の可能性と削減のための政策;経団連環境自主行動計画の検証;「試行排出量取引スキーム」の問題点)
    第4章 環境産業政策への転換(低炭素化が生み出す新しい経済の姿;低炭素経済の基盤づくりとしての「インフラの造り替え」;「投資政策」としての環境政策;グリーン産業政策を)

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    [ 参考となる書評 ]

  • 地球温暖化にかかわらず,低炭素社会を目指すことは避けられない.
    排出量取引制度の功罪をもっと詳しく知らないと何とも言えないし,
    ここに書かれているようにうまくいくのかも疑問だけど,
    今のところはこの本に全面的に納得.

  • 大学院の試験対策に読んだ本。もし環境学等を学びたい人がいたら読んでおくと良い。これからの社会が進むべき道を環境学的観点から教えてくれる。

  • 諸富 徹 /朝岡美恵 『低炭素経済への道』岩波新書 読了。
    『低炭素経済への道』はおもしろかったぁーー!! もう不可避の低炭素経済への転換について書かれた本。いかに短期的視点が愚かであるかを考えさせられたなぁ。。

  • 低炭素経済への移行こそが将来の経済活性化につながることはもはや周知のこと。
    全体として「主張」が重い。くどい感じがする。
    最後まで読むにはおもしろさに欠ける。

  • 帯に「選択の余地はない」「CO2大幅削減がもたらす新たな経済成長戦略とは」とあり、その答えは表紙見返りにつぎのようにあった。「刻一刻と進行する地球温暖化。この未曾有の環境変動を前に、従来型の経済発展はもはや許されない。いま必要なのは、CO2の排出を大幅に削減し、なおかつ経済を向上させる、新たな成長戦略だ。困難な課題を克服する鍵は、産業構造の転換にある。低炭素化による経済の大いなる可能性と将来ビジョンを示す」。

     そして、本書はつぎのように結論して、終わっている。「以上、低炭素経済への移行期の問題について論じてきた。重要なのは、「技術的に困難だから」、あるいは「費用が莫大だから」という理由で低炭素経済への移行を止めよう、あるいはできるかぎり後回しにしようという発想から決別することである。本書を通じて、低炭素経済への移行が不可避ならば、早期に移行することにメリットが多いことを強調してきた。技術はいずれ進歩し、費用は低下するのである。後回しにすることで得になることは何一つない。われわれが停滞すれば、アジア諸国が追いつき、抜き去っていくだけである。したがって、まずは低炭素経済への本格的な移行に大胆に舵を切ることを決定し、次に、どのような困難が横たわっているのか、そして克服すべき課題は何かを確定したうえで、それらを解決する方途を見出すという発想に立つべきであろう。その最大の問題の一つは、低炭素経済への移行が人々の生活に大きな影響を与える点にある。われわれは、移行過程の痛みをできるかぎり和らげ、そのプロセスを平和で、公平で、円滑なものにする必要がある。いずれ、各国の政府はどこも、低炭素経済への移行に本格的に踏み込んでいくことになる。政府の手腕をめぐって真に明暗が分かれるのは、この仕事をうまくやり遂げることができるかどうかにかかっているといえよう」。

     本書を読むと、それなりに納得できる。しかし、本書の提言を実行するにあたって、基本的で決定的な不安が2つある。まず、技術的な問題である。本書で例示されているような、かつての技術的優位が日本のあるのだろうか。企業の技術力、とくに中小企業の技術力は、かつてほどないのではないだろうか。日本が誇った技術力は、特別優れた少数の人によって担われていたのではなく、共同作業による集団の力が大きかったのではないだろうか。つまり、裾野の広い技術力に支えられていたのではないだろうか、ということである。それが、現在は理系に進む者がすくなく、学力が低いために大学で高校までに学習の補講をしなければ、大学の授業ができなくなっている。単位さえ取れればいいので、必要以上の点数を取ろうとしない。知識や技術でなにをしたいかが、思い浮かばない学生が少なくない。

     もうひとつは、国家が低炭素経済への移行を明確に国民に示し、技術力向上のために中長期的な財政支援をすることができるだろうか、ということだ。目先の人気取りのばらまきばかりで、中長期的な財政計画が立てられない政府に、本書のような話が通じるのだろうか。

     学生にせよ、国家指導者にせよ、未来を展望する力が、いまの日本に欠けているのではないだろうか。この「選択の余地のない」状況で、ひとりひとりの現実への認識が大きな力となるのだが、その切迫感をいだいている者は多くない。自分自身のために、社会のために希望を見いだせるようにするにはどうしたらいいのか、わからない!

  • 第二章だけ、ざっと。

  • 環境問題に取り組むことが、同時に新しい経済発展の鍵となるということをはっきり理解できる。では、そこに至る道筋をどうするか、という点がより知りたくなる。

  • 20100509朝日新聞書評

  • 『低炭素経済への道』(諸富徹、浅岡美恵、2010年、岩波新書)

    本書は、産業革命以来、相いれない対立関係としてとらえられてきた環境と経済の関係を覆すことを目的として書かれている。著者によれば、環境保全に取り組むこと「こそ」が「新しい形の経済発展」をもたらす、という。それはなぜか、ということをシュンペーターのイノベーション理論や、はやりのグリーンニューディール政策から見る。

    環境規制(二酸化炭素の排出規制など)をかけることによって、長期的には技術が発展し、標準化において世界をリードできるという。本書のよいところは、決して感情論で温暖化を防止しなければならないとしているのではなく、理論的に実証して根拠を述べていることである。さらに、日本の将来の姿として何に活路を見出していくのかということを、環境投資に求めている点が現実的な視点となっている。

    終章では、政権交代後の環境政策のあいまいさを指摘し、今後の日本が取るべき環境政策についても論じている。日本の将来のこと、気候変動問題を考えるときには、非常に参考になる書であろう。

    (2010年4月25日 大学院生)
    (2010年6月21日 大学院生)

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著者プロフィール

諸富 徹(もろとみ・とおる):1968年生まれ。京都大学大学院経済学研究科博士課程修了。現在、京都大学大学院経済学研究科教授。専門は財政学・環境経済学。『グローバル・タックスーー国境を超える課税権力』(岩波新書)、『人口減少時代の都市』(中公新書)、『私たちはなぜ税金を納めるのか』(新潮選書)、『資本主義の新しい形 (シリーズ現代経済の展望)』(岩波書店)他著書多数。

「2024年 『税という社会の仕組み』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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