- Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
- / ISBN・EAN: 9784004312567
作品紹介・あらすじ
文字のしるされた木片が、地下水に守られた土中にふかく抱かれ、遠い過去から私たちの前に姿を現わす。木簡は、まさしく古代史のナマの史料。その形や大きさ、そして書かれた文字などの小さな「手がかり」に過ぎない情報から、いかに秘められた古代の姿を読み解いていくか?最前線の研究者が結集し、その尽きない面白さを語る。
感想・レビュー・書評
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文字資料であり考古資料でもある木簡が現代の私たちに語る内容はとても多く、その発掘調査に携わる研究者たちの思いの強さがよく伝わってきました。
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『恵奈の里次米みのり祭』のきっかけは、平成9年に奈良県明日香村で発掘された木簡です。本書は、木簡の研究者たちの近年の成果をまとめたものです。「木簡はレシートに似ている」とよく言うそうです。映画『マルサの女』で、国税査察官が被疑者のゴミ箱のレシートを集めて脱税を暴きました。木簡も、その時代の人々の活動や暮らしぶりを生々しく物語るものです。また、木簡の最後の用途にはちょっと驚かされました。
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服部真吉が、作中に出てくる某官人から調べものを頼まれて、西市やら東市やらあったかもしれない他の市の中を歩き回ったりするお話とかあったら読んでみたいものである。しかもそれが本人の預かり知らぬところで長屋王の変に絡んでんの。…なーんて妄想するだけならプライスレス!
高橋克彦氏のお話で読んでみたいなーと思ったのだけど、藤ノ木陵氏のお話もおもしろそう。 -
[ 内容 ]
文字のしるされた木片が、地下水に守られた土中にふかく抱かれ、遠い過去から私たちの前に姿を現わす。
木簡は、まさしく古代史のナマの史料。
その形や大きさ、そして書かれた文字などの小さな「手がかり」に過ぎない情報から、いかに秘められた古代の姿を読み解いていくか?
最前線の研究者が結集し、その尽きない面白さを語る。
[ 目次 ]
1 木簡は語る―研究の足跡(飛鳥池木簡―木簡から『日本書紀』を読み直す;荷札木簡―荷札が語る古代の税制)
2 奈良のみやこを再現する―宮都の木簡から(長屋王家木簡―上流貴族の暮らしぶり;歌木簡―「地下の万葉集」は何を語るか)
3 見えてきた古代の「列島」―地方に生きた人びと(長登銅山木簡―官営鉱山と大仏造立;袴狭木簡―雪国の地方官衙)
4 東アジアの木簡文化―伝播の過程を読みとく(中国の木簡―秦漢帝国では;沖縄のフーフダ―今も生きる呪符木簡)
5 木簡の出土から保存・公開まで(胡桃館木簡―三七年目の復活;木簡の再利用―木簡はお尻ぬぐいに使われた)
[ POP ]
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[ 関連図書 ]
[ 参考となる書評 ] -
籌木については、知ってたけど、断片化されたもの、ほぼ籌木だなんて‥だいぶ触っちゃったな。というか、せめて大膳職から出して捨てようよって思う。最後にトイレの話持ってきたら、せっかく最近話題の歌木簡とか、都城以外の地方木簡とか、日本以外の木簡の面白い話がとんじゃうよ。特に、歴史に馴染みない人は。
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断片化の理由がお尻ぬぐい・・というのがおもしろかったなぁ。
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歴史の知識がほとんど無い自分には全てが新鮮。木片と文字の痕跡からここまで読み取れるのか、あるいは扱いにここまで工夫が必要なのかと驚くばかり。
下手な推理小説よりも面白いエピソード有り。あるいは今のネットワークに通ずるような工夫がこらされていたのに驚く。
最後に紹介された「用途」にはのけぞる。直接触りたくないなあと(T_T)。でも研究者になればそうも言ってられないのね!