- Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
- / ISBN・EAN: 9784004312888
感想・レビュー・書評
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国会図書館の女性研究者が、日本の国会制度の問題点をきわめて真面目に調査した本。著者の問題意識は「なぜ日本の国会審議は空洞化しているのか?」、その答えは「制度に不備があるから」ということです。
具体的には、日本の国会では制度上、内閣提出法案の修正が認められていないため、国会の審議で法案の修正がなされにくい。そのため内閣は提出前の法案を国会外の根回しで修正することを習慣とするようになり、肝心な国会内での審議は野党との形骸化した答弁が行なわれるのみになった、と指摘しています。また近年の「ねじれ国会」に対しては、参議院に与えられている力が強すぎることが害を与えている可能性があるとも述べています。
戦後の政治史を背景とした国会審議の変遷、今日の法案成立プロセスの実態、英米の議会と日本の国会との比較などがコンパクトに解説されており、タイトル通り「日本の国会」について知るには恰好の入門書であると思います。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
昔から疑問に思っていた二院制が、やっぱりおかしなものだということがわかった。
終戦後に一度、一院制になる可能性があったのに、何故そうしなかったのかとても不思議。 -
本書を読むと国会とは何かが分かります。そして何がおかしいのかも分かります。
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【読書】日本の国会の審議空洞化の原因を戦後初期からの歴史的経緯からの検証や英仏との国際比較を行うことにより明らかにしようとした本。著者は駒沢大学の大山礼子氏。ねじれ国会が常態化している中、政党間のかけひきが日々行われ、実質的な審議が行われていないという批判がある。3月11日の大震災で全ては一変した。このような政党間のかけひきに時間をさく暇はない。政治は結果が全てというが、今は何より被災地の一日も早い復興に向け、超党派で知恵を出し合い、様々な施策を実施しなければならない。
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ねじれこそ好機。今こそ国会改革が必要。民主党の皆さん。ぜひこの本をお読みください。