- Amazon.co.jp ・本 (272ページ)
- / ISBN・EAN: 9784004313632
作品紹介・あらすじ
家族とは、「自分のいのちの受けとめ手が一緒にいること」。児童虐待、「所在不明老人」、孤独死、高止まりした自殺率…。受難の時を迎え、機能不全に陥った現代家族。今や、個々人が意識的に絶えず選び直さなければ成り立たなくなっているのではないか。不安の時代に生き延びていくための、居場所としての新しい可能性を探る。
感想・レビュー・書評
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自分と他者のなかでつくる特殊世界、対幻想。
よるべなさ。いのちの受けとめ手。
自己本位主義的志向、そしてアノミー化。
誰かに「いる」と受け止められてはじめて自分は「ある」ことができる。 -
S367.3-イワ-R1363 300215498
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私的な内容であり、それ故にリアルであった。
後半の老いた両親との関係についての辺りがリアルであり、大いに考えさせられるものがあった。
吉本隆明の「対幻想」という概念を用いて、家族のあり方を論じていて、本来は性を介した男女間の関係性をもって対幻想と呼んでいるものを、親子の関係性にまで拡張して用いている。
夫婦や親子の間にある「対幻想」という名の結びつきがほころんでいった時、家族という結びつきが崩壊していくわけで、それを繋いでいくというのはどういうことなのか考えさせられる。
前半、哲学的文章でややとっつきにくいかなと思ったが、後半はのめって読んだ。よかった。 -
家族と言う意味を再確認させられた。
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「家族」とは、「自分のいのちの受けとめ手が一緒にいること」。自分は子どもの親として、子どもにとっての家族という立場からこの本を手に取りました。でも、著者のご両親のお話などに関する老いてからの「家族」とは何か、その「家族」が老いた者の最期にどう関っていくか、という内容のほうが印象に残りました。自分の両親、そして自分の「いのちの受けとめ手」は果たして自分の今の家族になるのかどうか?
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読み始め、中ごろまで・・・。
「つまらないエッセイだなぁ」と思う。
「アノミー」などのキーワードがイマイチわからない。
東北震災の被災者がこんな本など読まないだろう・・・と思う。
しかし、読み進むにつれ、おもしろくなってきた。
つじつまが合わない・・・と思っていた文脈も、みごとに統一されてきた。
何が言いたかったのかは、読みとおさなければわからない・・・という著書としては、久しぶりの含みのある本です。
とにかく読破してこそ、味わえる本ですね。