- Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
- / ISBN・EAN: 9784004313939
作品紹介・あらすじ
奇態な姿をした無人偵察機など、近年の軍事技術は変化が著しい。しかし、個々の兵器の変貌ぶりに目を奪われてはならない。真の変化はIT技術を基礎にした戦争のネットワークシステム化にある。安全保障のゆくえをも左右する最新の軍事動向を、米軍やNATO関係者への直接取材をもとに、レポートする。
感想・レビュー・書評
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ITの発展によって、武力の形が変わろうとしている。そういった武力を使う人間が、これまで以上に思慮深くなる必要を感じた。無人で敵陣に侵入したり、攻撃したりすることが容易になれば、人間の突発的な怒りにまかせて人を殺す可能性だってありうるのだろう。
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新聞記者からジャーナリストに転じた筆者が、世界の軍事状況をサイバー空間をメインに説明している。筆者はフリーのジャーナリストなんだろうか。各国の要人や、現場でのかなり中枢の部分にも取材源があるようだ。
冷戦時代と違って「多極化」と言われる現代において、「どこか特定の国や組織の陰謀が全てを牛耳っている」ような単純な図式があり得ないことが読み取れる。
情報や技術の進歩によって汎用化され、超大国でなくても軍事面・地政学的なリスクとなり得るようになった結果、各国、ひいては各々の企業、団体レベルでの思惑が絡み合い、それぞれの目先の利益のための行動が「誰にも止められれない」状況を作り出して収拾がつかなくなっているのではないか、という感想を持った。 -
SDGs|目標16 平和と公正をすべての人に|
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9784004313939 193p 2012・11・20 1刷
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図書館でなんとなく手に取る。筆者は元毎日新聞ブリュッセル支局長で現在フリージャーナリスト。
・P34あたりに出てくるロンドンでのサイバー安保シンポジウムというのはCybersecurity Summit http://www.cybersummit2011.com/をさしているらしい。
・アイゼンハワーの退任演説(http://en.wikipedia.org/wiki/Eisenhower%27s_farewell_address)において指摘された軍産複合体の影響力が現在のサイバー空間の脅威論を考える上でのベースの一つになるという筆者の指摘は納得。
・後半ではアフガニスタンでの多国籍軍が作戦遂行のためにITシステムに依存する様子を部分的ながらも描く。サイバー戦争という概念を説明しきるにはサイバー空間での攻撃だけでなく、既存の陸海空軍のIT化についても合わせて検討することが必要か。
・将来の米軍のハブとして横田、ドイツのラムシュタインに加えてディエゴ・ガルシア島というインド洋の島が有力視されているという。
独自の取材による記述が多く楽しめた。特にキャサリン・ガン(http://en.wikipedia.org/wiki/Katharine_Gun)に直接インタビューしているのはマニアック。いわゆる関係者が発した事実確認が難しい発言をベースにしているが、一方でアイゼンハワーのフェアウェルスピーチを土台にすえることで、「上品な」内容になっている。著者のヨーロッパ安保人脈なら当時のOSCEの動きが触れられても良さそうなものだが、記載なし。
2019/12/11再読
改めて読み直すと、筆者がまえがきに記すとおり「ルポ」の集合であり、大きなテーマがなく、メッセージが弱い
2020/08/30再読
読んでいたことを忘れて、図書館で借りてしまう。サイバー軍産複合体というコンセプトは引き続き興味深い。 -
日本は、国民の気づかぬうちに米国主導で進められてきた安全保障に関するITのクモの巣に、幾重にも取り込まれてしまっている。軍事活動の中枢神経は指揮、統制、通信。それを支えるサイバーシステムが、今や地球を見えないクモの網のごとく覆っている。
動的な問題には継続監視の仕組みが必要。バーチャルな監視と政策提言のシンクタンクを。 -
陸・海・空・宇宙の次の空間ともいわれるサイバー空間における軍事力のあり方などについてざっくりと解説した本。改めて世間に見えている情報は氷山の一角なのだなぁと実感する。見えている部分から、全体の軍事システムとしての位置づけをよく考えないと、誤った判断をしてしまうと痛感した。サイバーであろうが作り出したのも人間であれば、使いこなすのも人間次第。そこに可能性を見出さないといけないですね。