- Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
- / ISBN・EAN: 9784004314318
作品紹介・あらすじ
世界各地で続発している民族紛争。どのように発生、激化し、そして終結へと向かうのか。クロアチアとボスニア、コソヴォ、ルワンダ、スリランカなど六つの紛争の経緯を詳しく紹介し、軍事介入やジェノサイドの実態などについて考察する。さらに民族紛争に関する研究の論点を整理し、紛争予防や平和構築の可能性を検討する。
感想・レビュー・書評
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6つの個別事例は、わかりやすくまとめてあると思う。
後半は、まあ、当たり障りないことが書いてある。飛ばし読み。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
SDGs|目標16 平和と公正をすべての人に|
【貸出状況・配架場所はこちらから確認できます】
https://lib-opac.bunri-u.ac.jp/opac/volume/687500 -
民族紛争について1から知ることができた。特に興味があったルワンダのフトゥ人とトゥチ人の対立による紛争について、詳しく学ぶことができて非常に興味深く感じた。
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【由来】
・図書館の新書アラート
【期待したもの】
・特にシリアとイスラエル
【要約】
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【ノート】
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2013-7-11
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再再読。一部の章は何度読んだかわからない。入門書なので事実列挙と基本的な理論・考え方の紹介が中心であり、細かな因果関係や比較政治学的な解明はなされていないが、民族紛争の何たるかをとても分かりやすく教えてくれる。
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著者の月村太郎氏(1959年~)は、旧ユーゴスラビアを中心としたバルカン半島の近現代政治史を専門とする政治学者。
本書は、題名の通り、「民族紛争」に関して、前半で、近現代の代表的な6つ事例(下記)の概要を紹介し、後半で、それらを理解するための4つの視点として、発生する原因、予防の可否、進展の過程、終了後の対応について考察したものである。
① スリランカにおける、民族的多数派シンハラ人(シンハラ語、主に上座部仏教徒)と少数派タミル人(タミル語、主にヒンズー教徒)による紛争
② クロアチアにおける、民族的多数派クロアチア人(主にローマ・カトリック教徒)と少数派セルビア人(主にセルビア正教徒)による紛争、及びボスニアにおける、ボスニア人(主にムスリム)とセルビア人とクロアチア人による紛争
③ ルワンダにおける、多数派フトゥ人と少数派トゥチ人による紛争(フトゥ人によるトゥチ人のジェノサイド)
④ アルメニア(アルメニア人、アルメニア語、主にアルメニア正教徒)とアゼルバイジャン(アゼルバイジャン人、アゼルバイジャン語、主にシーア派イスラム教徒)による、アゼルバイジャン領内のアルメニア人地域の飛び地であるナゴルノ・カラバフの帰属を巡る紛争
⑤ キプロスにおける、民族的多数派ギリシャ人(ギリシャ語、主にキプロス正教徒)と少数派トルコ人(トルコ語、主にスンナ派イスラム教徒)による紛争
⑥ コソヴォにおける、民族的多数派アルバニア人(アルバニア語)と少数派セルビア人(セルビア語)の本国であるセルビアによる紛争
かつて武力紛争と言えば、多くは、国家同士が争い、領土を奪い合う、いわゆる国家間戦争であったが、第二次世界大戦以降は、国際社会に(武)力による国境の変更を認めないとするコンセンサスができたことから、それ以前のような規模の武力衝突は減少している。
そして、代わって目立つようになっているのは、同じ(或いは隣接した)地域に住む、民族・宗教・文化の異なる集団が争う、いわゆる民族紛争(更には、遠く離れた地域(の異なる集団)をも対象とした、テロとそれを防ぐ名目の戦争)であるが、本書の6つの事例を見ると、同じ地域において根本的な価値観の異なる集団が共存することの本質的な難しさを痛感せざるを得ない。
日本は基本的には単一民族国家であり(在日朝鮮人などの問題はあるとはいえ)、幸いなことに本書で対象とするような民族紛争の当事者となることはこれまでになかったが、それ故に世界各地で起こっている民族紛争について実感が湧きにくく、ややもすれば無関心ですらあるように思う。しかし、本書で紹介されているような紛争は、我々の生きる地球上において生じている紛れもない事実であり、我々がそれらから目を背けることは許されない。我々が日本に住みながらできることは限られるが、まずやるべきは事実を知ることであろう。
第二次大戦後の代表的な民族紛争の内容がコンパクトにまとまった一冊である。
(2018年4月了) -
配置場所:摂枚新書
請求記号:316.8||T
資料ID:95130779 -
なぜ民族紛争は起きるか→
必要条件
①複数の民族がいる、②居住分布が部分的に混合、③民主化の途中、④経済の停滞、⑤過去の衝突、⑥宗教が原因のこともある(全てではない)
十分条件
①相手への恐怖、②不安・恐怖があるなかでの事件、③政府に敵対するエリート -
スリランカ、ルワンダ、キプロスなど近年の民族紛争の概要が書かれている