- Amazon.co.jp ・本 (272ページ)
- / ISBN・EAN: 9784004315797
作品紹介・あらすじ
中央集権的な古代国家から、様々な力のせめぎ合う中世社会へ。院政の開始、「家」の確立、武士の台頭、そして活力を増す地方の諸国など、噴出する変革の動きの中から、現代にも通じる日本文化の基本的枠組みが形づくられてゆく。家・身体・職能といった文化面にも注目しつつ、中世はじまりの時代のダイナミズムを描く。
感想・レビュー・書評
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タイミング良く岩波から中世を扱う新書のシリーズが始まった。ワクワクして1巻のページをめくる。
武家の台頭にともなって、現代につながる文化の枠組みも生まれてくる。家→身体→職能と文化が展開し、型として定着したとする視点がおもしろい。次巻が楽しみだ。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
院政が氏から家への移行を。
身体的な観点から歴史を。
いずれも新鮮で、おもしろい視座。 -
道長の満月が欠け始めたころから南北朝が終わるころまでの歴史の流れを、個々の事象ではなく文化や家の概念、地域社会の大きなうねりから概説していく本。普段見慣れている政治史とは違った視点で歴史を見ることになって、同じ歴史がこんなに違って見えるんだという驚きがあります。
とはいえ、いつもと違った視点で1冊本を読むのって、体力を使いますね……(読み疲れた) -
中世社会の新書としては入門編の扱いであり、4部作の連作を通して中世を垣間見れる新書になっているのだと思う。
途中まで読み進めたものの、歴史的事実(おそらく?)の羅列が多く、あまり内容が頭に入ってこなかったため、積読した。
事実の列挙が学問的には誠実な態度なのではとも思うものの、事実と事実の間のつながりや背景が見えず、なぜその事象が起こったのかが説明されることが少なかったため、2章ほど読んで積読とした。
人によっては別の見方をする人もいるのかもしれない。 -
2023/01/05
本当に難しいというか内容がとても濃くて読み進めるのに時間がかかりましたが。けれどもその分、あるいは教科書などで学習するよりも遥かに多くの中世に関する知識を得ることができると思います。
武士のおこりから後醍醐天皇の建武の新政あたりまでを解説してくれているのですが、それぞれの出来事の背景とつながりについてものすごく深い情報量となっています。
学生のときに歴史の学習で出てきた人物は、こんなところでも出てくるんだ…とか、この出来事はこんなところの人物と繋がっていたんだ…とか、この出来事の背景はこんな経緯があったんだ…とかとにかく深いです。
伝記や絵巻物、文学作品が制作された背景もこの本の内容と大いに関わってくるため幅広く歴史を網羅することが出来るかと思います。
一度日本史の勉強で学習していたことを復習しつつ、日本史をさらに深掘りする形でこの本を読み進めていくと面白いのかなと思いました。 -
古代を回顧し、院政をはじめた後三条天皇から、後白河院の院政までを台頭する武士の動きとあわせて見ていく。
2022年3月・4月期展示本です。
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【目次】(「BOOK」データベースより)
第1章 中世社会が開かれる/第2章 地域権力と家の形成/第3章 地域社会の成長/第4章 武者の世と後白河院政/第5章 身体の文化/第6章 職能の文化 -
前九年の役が中世の端緒という。
この戦、安倍氏の支配体制が後の鎌倉幕府の原型を作った。
この時代、後三条天皇の治世にあたり、後の院政を捉えた動きがあり、確かに中世を彷彿とさせる時代だった。 -
日本中世史を通して勉強しようと思って読みました。
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第1章 中世社会が開かれる
第2章 地域権力と家の形成
第3章 地域社会の成長
第4章 武者の世と後白河院政
第5章 身体の文化
第6章 職能の文化
著者:五味文彦(1946-、甲府市、日本史学者)