ブラックバイト――学生が危ない (岩波新書)

著者 :
  • 岩波書店
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  • Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784004316022

感想・レビュー・書評

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  • 以前夕方の情報番組で目にした“ブラックバイト”という文字。
    興味があったが予想を上回る劣悪な環境に驚きを隠せなかった。
    負の連鎖をどこかで断ち切らないとこの国は本当に沈んでいってしまうと感じた。
    いち消費者として考えたお金の使い方をして、意思を示したいと思う。

  • マルクス経済学において、搾取はありだ。資本家と労働者との関係において、合理的だからだ。

    新自由主義の成果なのだろう。日本においても貧富の差がはっきりわかるようになってきた。富めるものが利益を上げるには労働者を決まった料金で使い倒すしかない。
    バイトや非正規労働者を使い倒すことで、資本家が儲かる。

    19世紀のヨーロッパに先祖返りしたような内容だった。

  • <目次>
    第1章  学生が危ない~ブラックバイトの実態
    第2章  ブラックバイトの特徴
    第3章  雇う側の論理、働く側の意識
    第4章  どうすればいいの?~対策マニュアル
    第5章  労働社会の地殻変動

    <内容>
    「ブラック企業」を指摘し、キーワード化して一躍注目させ、政府をも動かした「POSSE」の今野さんの本。今度が、バイト!中村淳彦さんの女性の貧困の本の中でも垣間見えた「ブラックバイト」。その実態から対策まで、詳細に書かれている。しかし読みやすく、2、3時間あれば読み通せる。この本のすごいのは、対策が具体的で、それもたやすく対応できることだ。ただ、予防策について考えると、われわれ教員の事前指導が大事だと感じた(今野さんも書いているが…)。高校の「現代社会」の中で、「産業社会と人間」(これは総合学科のみだが…)や「総合的学習」の中で、「労働法規」や「社会の実態」をもっと伝えていかないといけない。教科書にはそんなことは一言も書かれてなく(政府側は企業側の論理で動いているから…)、教師の勉強に委ねられていることが怖い…。
    社会状況の変化もあるが、もともとの日本の労働慣行が根っこにありそうで、「終身雇用」「年功序列」「一括採用」などの流れ(形はなくなりつつあるが)が、こうした「ブラック」な企業や就労慣行を呼んでいるのではないか?

  • 20150522

    アルバイトをしなければならない学生に向けられた、過酷な労働条件。そうしたバイトをブラックバイトとして、問題点を明らかにする一冊。

    最も驚きなのが、辞めることができない、あるいは辞めさせないように脅したりする雇用者がいること。
    私自身、大学時代にアルバイトに明け暮れていた友人がいたことを思い出したが、積極的にバイトをしていたと思っていたが、もしかすると辞めることが困難な状況に追い詰められていたのかもしれない。

    この状況の根底あるのは、学生の貧困であることも見過ごせない。

    企業を糾弾するだけではなく、学生自身や周りの人間もこうした問題があることを理解し、ユニオンなどの労働者を助ける存在があることを広めること。そして、奨学金など貧困に陥る原因を取り除く事が必要だ。

著者プロフィール

POSSE代表

「2021年 『POSSE vol.49』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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