- Amazon.co.jp ・本 (238ページ)
- / ISBN・EAN: 9784004319115
作品紹介・あらすじ
魂は肉体とともに消滅する存在であるのに、なぜ人は「あの世」というフィクションを創造するのだろうか。俳人は、癌という病を得て、生老病死をまるごと包み込む俳句の宇宙にあらためて向き合い、生と死にまつわる世界の壮大な仕掛けを考えた。俳諧の奥深さを伝える実作者ならではのエッセイ。「図書」好評連載、待望の書籍化。
感想・レビュー・書評
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俳句とか読むだけなのですが、結構好きです。長谷川櫂という人もあれこれ読んできましたが、この本はちょっと気合が違う感じです。
感じたことをあれこれブログに書きました。覗いてみていただけるとうれしい(笑)
https://plaza.rakuten.co.jp/simakumakun/diary/202305070000/ -
タイトルにあるように「俳句と人間」についての説明的な文章かと思いきや。
筆者の皮膚癌という実際の出来事が、俳句への眼差しに影響するという点では、エッセイのようだし。
そこから、生きること、死ぬこと、地獄について取り上げて考えていくという点では、哲学のよう。
時間軸も、コロナ禍の現代から、子規や漱石の近代入り口、芭蕉の近世、和歌として中世を自由に駆け巡っていく。
時代に伴う、人に伴うヴィジョンが俳句にはある。
でも、そうしたヴィジョンを知らなくても、なぜか自分と共鳴する、そんな句もまたある。
制限された言葉が、自由を呼び起こす。
私は、言葉を好きに使っているようで、狭苦しい世界しか象れていないのかもしれない。 -
著者の文才があふれ出る随筆集だ.第3章「誰も自分の死を知らない」で、大和言葉か中国語かの件が面白かった.漢字の音しかない場合、外来種だそうだ.例としてキクやボタンをあげている.「死」も大和言葉ではない由.死と漢字が伝わる前の日本人は死を知らなかったことになるそうだ.漢字の死に相当する大和言葉には、なくなる、ゆく、みかまる があり、漢字の死にある厳粛な断絶の響きがない.古代の日本人の死生観の議論が面白かった.俳句がぽろぽろと出てくる文章は、読んでいて区切りをおけるので面白味が感じられる.
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3月16日新着図書:【一人の俳人が癌の宣告をきっかけに人間の生と死について、正岡子規などの俳句や古今東西の文芸作品を話題にして、考えた思索の記録です。】
タイトル:俳句と人間
請求記号:イワナミ900:Ha
URL:https://mylibrary.toho-u.ac.jp/webopac/BB28197896 -
p.2022/1/21
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東2法経図・6F開架:B1/4-3/1911/K
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女子栄養大学図書館OPAC▼ https://opac.eiyo.ac.jp/detail?bbid=2000055610