動物がくれる力 教育,福祉,そして人生 (岩波新書 新赤版 1970)

著者 :
  • 岩波書店
3.83
  • (4)
  • (3)
  • (4)
  • (1)
  • (0)
本棚登録 : 141
感想 : 21
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (286ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784004319702

作品紹介・あらすじ

犬への読み聞かせは子どもを読書へ誘い、生きづらさを抱える子どもは傷ついた動物をケアする中で学ぶ。保護犬を育て直して若者は生き直し、補助犬は障害のある人の人生を切り拓く。高齢者は犬や猫と共に充実した最期の日々を過ごす。人間にとっての動物の存在を国内外で30年近く取材した著者が、未来に向けて綴る。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 「動物がくれる力」書評 過酷な状況で出会う新しい自己|好書好日
    https://book.asahi.com/article/14934426

    ベスト『動物がくれる力』 | 教文館ナルニア国
    https://onl.sc/jQRC1de

    大塚敦子記事 | 犬・猫との幸せな暮らしのためのペット情報サイト「sippo」
    https://sippo.asahi.com/author/?key=10560030

    動物がくれる力 教育、福祉、そして人生 - 岩波書店
    https://www.iwanami.co.jp/book/b623490.html

  •  人に寄り添う動物のお話。人間社会のなかで動物は、あらゆる場所で活躍している。言葉を交わせない動物だからこそ、人間同士では生まれない絆が生まれ、人間には出来ないケアを可能にする。一生懸命に可愛がれば、動物は無条件の愛情と信頼で応えてくれる。そのことが困難を抱える人々にとって大きな力になることは想像に難くない。

     けれども本書で紹介される動物たちが想像以上に様々なところで活躍しているのには驚いた。人と動物の関係に関する国際組織であるIAHAIOの定義に基づいて大別すると、動物介在介入(動物介在療法)と、動物介在活動と、動物介在教育がある。

     細かな分類はさておくけれど、司法の場で辛い体験を証言する場に犬が寄り添ったり(コートハウス・ファシリティドッグ)、刑務所で辛い境遇を生きてきた人に寄り添ったり、病気や高齢の人にも寄り添う。動物と人間のみならず、動物を介して人と人が繋がるようなプログラムもあるようだ。それは一人の人間を癒やすと同時に、社会的に包摂してゆく過程でもあるなと思った。

     もちろん、それらは動物の「利用」になってはいけないのだけど、動物とともに生きてゆくことは、思った以上に多くの人に力を与えるのだなと思った。

  • 犬や猫、馬などの動物を世話し寄り添うことでケアされる人々をケースごとに紹介している。
    犬に読み聞かせる困難を抱える子供たちのほほえましい活動、介護施設や医療現場での癒やしの存在などはありそうだが、刑務所での保護犬の訓練によるウィンウィンの様子などは知らなかったので感心した。

  • 犬や猫、馬などの動物が児童養護施設、法定、医療施設、高齢者施設、教育施設などで活躍している様子を多くの事例を通して紹介してます。

    ただ側にいて寄り添うことが、どんな人にも大切なんだと思いました。

  • 知っている学校や図書館が出てくるので、親しみを持って読みました。こんなことやっているんだ!感心しました。動物達に感謝

  • 人間を支える動物として盲導犬のイメージしか持っていなかったので、学校、図書館、裁判所、刑務所、少年院、病院、高齢者施設などで人間に寄り添い活躍する動物たちとそのハンドラーさんの純粋な存在感に圧倒されました。機器・道具の力、生成AIの力、動物の力…足し算できる力はまだあるようでした。

  • 病院への介護犬や盲導犬についてはテレビなどで見たことはあるが、猫や馬がセラピーをすること、さらには刑務所や子どもの保護施設で動物の世話をすることによる教育があることは初めて知った。子どもが世話をするためには、大型の馬が適切である、ということも初めて知った。
     こうしたことを特集したテレビ番組が必要であると思われる。YouTubeではエミューに癒される女性の動画がある。テレビでは猫や犬の面白い場面だけを取り上げた読者からの投稿があるがそれでいいのだろうかとも思わせる。

  •  著者は、子ども時代は犬。大人になって猫を伴侶動物とし、これまで9匹の猫と。犬ほど留守番が苦手ではない。そして、野性の本能を強く残し、人に振り回されない、けれど人と深い絆を結ぶことができる。大塚敦子「動物がくれる力」、2023.4発行。岩波新書で学問的、教育的な感じ。写真をメインにさらっと一読しました。構成は5つの章立て:①子どもの教育と動物 ②困難を抱える子どもを支える ③人の生き直しを助ける ④人のために働いてくれる犬たち ⑤医療や福祉の場で。アニマルセラピー、これからどんどん広がっていくといいなと!

  • 動物の持つ力は計り知れない。日本ももっと、ペットフレンドリーな国になって欲しいものだ。

全21件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

大塚敦子
1960年和歌山市生まれ。上智大学文学部英文学学科卒業。パレスチナ民衆蜂起、湾岸戦争などの国際紛争を取材を経て、死と向きあう人々の生き方、自然や動物との絆を活かして、罪を犯した人や紛争後の社会を再生する試みなどについて執筆。
『さよなら エルマおばあさん』(小学館)で、2001年講談社出版文化賞絵本賞、小学館児童出版文化賞受賞。『〈刑務所〉で盲導犬を育てる』(岩波ジュニア新書)、『はたらく地雷探知犬』(講談社青い鳥文庫)、『ギヴ・ミー・ア・チャンス 犬と少年の再出発』(講談社)、『いつか帰りたい ぼくのふるさと 福島第一原発20キロ圏内から来たねこ』(小学館)など著書多数。
ホームページ:www.atsukophoto.com


「2020年 『シリアで猫を救う』 で使われていた紹介文から引用しています。」

大塚敦子の作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
アンデシュ・ハン...
有効な右矢印 無効な右矢印
  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×