ハイチ革命の世界史 奴隷たちがきりひらいた近代 (岩波新書 新赤版 1984)
- 岩波書店 (2023年8月18日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (250ページ)
- / ISBN・EAN: 9784004319849
作品紹介・あらすじ
一八世紀末、カリブ海の島で黒人たちが立ち上がり、自らの手で史上初の奴隷解放を達成した──長く忘却されてきたハイチ革命は、いまや近代史の一大画期だと認識されている。半世紀に及ぶ著者の研究をもとに、反レイシズム・反奴隷制・反植民地主義を掲げたこの革命と、苦難にみちた長いその後を、世界史的視座から叙述。
感想・レビュー・書評
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マルセル・ドリニ―は1773年から1802年までを
「諸革命の時代」とし、
アメリカ独立革命(1765~1788)
フランス革命(1789~1799)
そして「反奴隷制革命の震央」となった
ハイチ革命(1791~1804)を
「18世紀の三大革命」としました。
なかでも反レイシズム・反黒人奴隷制・反植民地主義という
三つの性格を併せ持ったハイチ革命は、
特異であり先駆的である、と著者浜忠雄氏。
歴史家ミシェル=ロルフ・トゥルイヨは
「権力」によって「実際にはなかったこと」とされ
「沈黙」させられた、といいます。
よく聞く話ですね。
しかし最近は高校の教科書にも載り、
共通テストにも登場。
なぜなら世界史の中の大きな事件と関わり合っているのです。
とても面白い本でした。
酷く心を痛めましたが。 -
著者が指摘する様にハイチに関して学ぶ機会が無かったので、改めて学ぶことが出来て良かった。
アメリカの狡さも改めて知った。
今の基準で糾弾することは出来ないが、リンカーン大統領も人種差別主義者であり、黒人をアメリカ合衆国から排除しようとしていたという事実は知っておくべきである。 -
東2法経図・6F開架:B1/4-3/1984/K
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摂南大学図書館OPACへ⇒
https://opac2.lib.setsunan.ac.jp/webopac/BB50332506 -
フランス領サン=ドマングから現代に至るまでのハイチの歴史が紹介されている。
富の源泉としての砂糖プランテーションを多く持つがゆえに、本国から同等の地位を得られず、ナポレオン治世には状況が後退すらした。
世界初の黒人の共和国であるがゆえに国家承認がされず、賠償金という名の多額の債務にさらされ、アメリカ合衆国の思惑に翻弄されてきた歴史である。
当時の人種問題の複雑さ・恐ろしさと、国際政治の冷徹なリアリズムを見せられた。
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【配架場所、貸出状況はこちらから確認できます】
https://libipu.iwate-pu.ac.jp/opac/volume/568248 -
<目次>
はじめに――ハイチ革命を見る眼
第1章 ハイチ革命を生んだ世界史
第2章 ハイチ革命とフランス革命
第3章 先駆性ゆえの苦難
第4章 帝国の裏庭で
第5章 ハイチ革命からみる世界史
<感想> -
高校時代の世界史の先生がハイチ革命めちゃくちゃ重要だって言ってましたが、当時はさらっとだけ学習したその内容が新書一冊で解説された感じ……。とても勉強になりました。
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登録番号:0142359、請求記号:259.3/H22