大学生になるきみへ: 知的空間入門 (岩波ジュニア新書 452)
- 岩波書店 (2003年11月20日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (211ページ)
- / ISBN・EAN: 9784005004522
感想・レビュー・書評
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20年前の出版のためデータの古さは否めませんが、非常に硬質な内容に刺激を受けました。何度も読み直したくなる一冊です。
ただ書名が「大学生になるきみへ」とあるため、受験生あるいは高校生を対象にしているかのように思われますが、これを高校生に読ませるのは無理でしょう。私は大学で教える立場なので頷きながら読みましたが、大学教育あるいはシステムを理解していない高校生には程度が高すぎると言うより、実感がないと読めないでしょう。用語も高校生には難しく、例えば「竹林の七賢人」なんてさらっと書いてあってもわかるんでしょうか?そう言う表現が随所にあり、「大学生になるきみへ」ではなく「大学生になったきみへ」とかの方が内容的には相応しい気がしました。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
岩波ジュニア新書や、ちくまプリマー新書って、ほんと分かりやすく説明してくれますね。
(中身薄いのもあるけど、まあそれは一般的な新書にもあり得る……)
『大学生になる君へ』というタイトルだけれど、簡単に言うと、学問とは何ぞや、ということも考えずに流れに乗って大学行くんじゃなーい!という感じの本。ちょっと語弊があるかしら。
色んな分野の学問について言及もされているし、大学に行った後のことをどう考えるかというまとめ方もされている。
真面目に読むと、得るものがある。
「表音文字」はそもそも話すことが目的で、書くことにあまり軸が置かれていないということと、江戸時代までは「アタマを使う」という言葉はなかったという二つは割と、なるほどだった。
科学至上主義や、パラダイム・シフト、基礎科目の是非、実学と虚学のことなんかは、割と色んな所で目にするので、入門として良いかもしれません。
考えることには、肉体的、精神的余裕がいると思う。
これから、従来の仕事がなくなるかも、という部分に悲観もあるけど。何かを生み出す方向に人間の力が必要とされると言われているけれど、それだけの余裕があるのなら、生き方そのものが変わっていくのかな、と期待もしている。 -
展示期間終了後の配架場所は、開架図書(3階) 請求記号 377//N45
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もう一度大学生になりたいよ
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学ぶことの意味について書かれた、正統派(?)の本。
自分を磨くことに正対して考えたい人にはぴったり。 -
ジュニア新書のわりには難しいと思っていたが作者の中山茂氏がトーマス クーンの翻訳で知られる科学史家だと聞いて納得した。ジュニア新書も侮れない。
大学で学ぶ教養とはなにかについて論じている。受験では学ばない学問入門として占星術、和算のコーナーが刺激的だった。天文学よりも愛好者が多い占星術の方が多数決の考えからすると正しいのではないか、和算は好事家が自分で楽しんでいるだけだから学問とはいえないのではないかという指摘が興味深い。 -
いまいちピンとこない部分が多かったけどノンフィクションの本を読むのもなかなか悪くないなと思った次第