大学生になるきみへ: 知的空間入門 (岩波ジュニア新書 452)

著者 :
  • 岩波書店
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  • Amazon.co.jp ・本 (211ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784005004522

感想・レビュー・書評

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  • 20年前の出版のためデータの古さは否めませんが、非常に硬質な内容に刺激を受けました。何度も読み直したくなる一冊です。
    ただ書名が「大学生になるきみへ」とあるため、受験生あるいは高校生を対象にしているかのように思われますが、これを高校生に読ませるのは無理でしょう。私は大学で教える立場なので頷きながら読みましたが、大学教育あるいはシステムを理解していない高校生には程度が高すぎると言うより、実感がないと読めないでしょう。用語も高校生には難しく、例えば「竹林の七賢人」なんてさらっと書いてあってもわかるんでしょうか?そう言う表現が随所にあり、「大学生になるきみへ」ではなく「大学生になったきみへ」とかの方が内容的には相応しい気がしました。

  • 岩波ジュニア新書や、ちくまプリマー新書って、ほんと分かりやすく説明してくれますね。
    (中身薄いのもあるけど、まあそれは一般的な新書にもあり得る……)

    『大学生になる君へ』というタイトルだけれど、簡単に言うと、学問とは何ぞや、ということも考えずに流れに乗って大学行くんじゃなーい!という感じの本。ちょっと語弊があるかしら。

    色んな分野の学問について言及もされているし、大学に行った後のことをどう考えるかというまとめ方もされている。
    真面目に読むと、得るものがある。

    「表音文字」はそもそも話すことが目的で、書くことにあまり軸が置かれていないということと、江戸時代までは「アタマを使う」という言葉はなかったという二つは割と、なるほどだった。
    科学至上主義や、パラダイム・シフト、基礎科目の是非、実学と虚学のことなんかは、割と色んな所で目にするので、入門として良いかもしれません。

    考えることには、肉体的、精神的余裕がいると思う。
    これから、従来の仕事がなくなるかも、という部分に悲観もあるけど。何かを生み出す方向に人間の力が必要とされると言われているけれど、それだけの余裕があるのなら、生き方そのものが変わっていくのかな、と期待もしている。

  • 展示期間終了後の配架場所は、開架図書(3階) 請求記号 377//N45

  • もう一度大学生になりたいよ

  • 学ぶことの意味について書かれた、正統派(?)の本。
    自分を磨くことに正対して考えたい人にはぴったり。

  • 「大学とは自発的・内発的な問いを見つけるところである。」と定義。
    思春期の感受性の豊かな時期に徹底的に自問自答を繰り返し自己形成をする本物の知的空間への架け橋となるような1冊。

  • 人生は実験である。
    仕事が遊びであり、遊びが人生である理想郷。


    【メモ】
    虚学と実学
    表意文字と表音文字
    西と東
    将来の予測は人類の大事業
    人間とは変異にたいする関心が強い。
    現象の背後には必ず法則があるとの仮定している。

  •  ジュニア新書のわりには難しいと思っていたが作者の中山茂氏がトーマス クーンの翻訳で知られる科学史家だと聞いて納得した。ジュニア新書も侮れない。
     大学で学ぶ教養とはなにかについて論じている。受験では学ばない学問入門として占星術、和算のコーナーが刺激的だった。天文学よりも愛好者が多い占星術の方が多数決の考えからすると正しいのではないか、和算は好事家が自分で楽しんでいるだけだから学問とはいえないのではないかという指摘が興味深い。

  • いまいちピンとこない部分が多かったけどノンフィクションの本を読むのもなかなか悪くないなと思った次第

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著者プロフィール

1928-2014。科学史家。神奈川大学名誉教授。ハーヴァード大学Ph.D(科学史)。著書に『歴史としての学問』『帝国大学の誕生』『近世日本の科学思想』、訳書にクーン『科学革命の構造』など多数。

「2023年 『数学の文化史』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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