- Amazon.co.jp ・本 (212ページ)
- / ISBN・EAN: 9784005005987
感想・レビュー・書評
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日本語のオノマトペを英語で表現できるのかしら、と疑問だったが、英語版もなかなかよい。
英語で読むと、日本語で読む時とはまた違った風景が頭に浮かぶという発見があった。例えば、雨ニモマケズは、英語でStrong in the rainと訳されている。Strongを用いているためか、英語の方が詩全体が激しい感じがするのである。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
910-P
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宮沢賢治の詩集を英訳した著者が、賢治の詩をどのように読み取り、どのように英語に訳したかを解説している。賢治の法華経への傾倒や自然に対する見方も踏まえながら、オノマトペ(擬声語)溢れる一文一文を英語に直す過程は大変興味深い。
例えば
「うすあかくいっそう陰惨な雲から
みぞれはびちょびちょふってくる」(「永訣の朝」)
の、「びちょびちょ」(The Sleet ‘sloshing’ down)、の訳し方。
「・・・花巻のような寒い地方ではどんなみぞれが降るのか、まず想像してみなければなりません」(中略)
「・・・英語は、これはおそらくゲルマン語源からきていると思われますが、slやshやdgeなどによって、よく水の動きを表現します・・・(中略)ここで使ったslosh([水が]バチャバチャととび散る)という動詞は、slush(「半解けの雪、湿った雪」「ぬかるみ、どろどろのもの」)や、sludge(「[ぬるぬるの]泥」「ぬかるみ、雪解けのぬかるみ」)などの擬音語・擬態語と、語源は同じです」(P.69)
・・・といった考察が一語一語続く。こうして訳された賢治の詩集は海外でも好評なようで、日本人として大変うれしく思う。 -
大好きな賢治の世界を英語で楽しみます。
花巻東の「宮沢賢治記念館」や童話村に行った時に、そのショップで英語の本を何冊も見ていました。
賢治の世界を読み解くということで、英語に訳した言葉の解説があります。賢治の時代をそのまま訳することは大変なことでしたね・・充分楽しませていただきました。 -
274.2010.9.11
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宮沢賢治の文章って難しいんだなぁ。それを外国人が解説してくれるなんて!
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[ 内容 ]
「雨ニモマケズ」は、英訳するとどうなるの?
よく出てくる擬音語はどう訳す?
詩らしい英語とは?
独特の表現がちりばめられている宮沢賢治の詩は、日本語・英語の両方で読めばさらに深く味わえます。
賢治詩集を英訳した著者が、賢治の世界を英語のキーワードで案内します。
[ 目次 ]
第1章 賢治の祈り
第2章 賢治の孤独
第3章 賢治と死
第4章 賢治と“あきらめ”
第5章 賢治の自然観
第6章 賢治の予言
第7章 賢治の精神
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