旅に出よう――世界にはいろんな生き方があふれてる (岩波ジュニア新書) (岩波ジュニア新書 653)

著者 :
  • 岩波書店
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  • Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784005006533

作品紹介・あらすじ

もっと自分らしく自由に生きてみたい!生き方はいろいろあっていいはずだと海外に旅立った著者は、5年以上におよぶ旅で何を感じたのか?夢を追い続ける人、自分の道を切り開こうとする人、どうにもならない大きな力によって人生を動かされている人…、各地で出会った様々な人の姿を通して、自分らしく生きるための道を探る。

感想・レビュー・書評

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  • 20代の後半から30代の前半の5年以上、筆者は奥様と2人で、世界中を旅する。本書は、その旅の中で出会った印象深い人たちや出来事などを紹介した旅行記。
    岩波ジュニア新書の一冊なので、想定している読者は中学生とか、せいぜい高校生なのだろう。「世界にはいろんな生き方があふれている」という副題の通り、色んな国の色んな人の色んな人生が紹介されている。それは、日本にいたのでは知り得ないものであり、また、旅をし、実際にその人に出会ったから書ける類のものである。中学生や高校生の頃にこの本を読んでいたら、相当に刺激を受けただろうし、いつか世界中を旅したいと思っただろう。
    私自身は、ものすごく多いということではないと思うが、世界中の35カ国くらいを旅行、あるいは、仕事で訪れている。ただ中学生や高校生の頃に読んでいれば、もっと積極的に旅をしていたのではないかと思う。ちょっと読むのが遅かった。

  • 世界を各国の文化に触れる旅がしてみたい。自由気ままにのんびりと。今の生活に不満はないけれど、一度やってみたいことである。

  • 最近の若者たちは 海外に行くということが
    あまりなくなってきているという。
    インターネットで ある程度の情報がわかり
    ヴァーチャルな旅行で 満足してしまうそうだ。

    実際旅行をしてみると
    インターネットでは 得られない さまざまなことに出会う。
    旅行をしてみるならば、
    これくらいのスケールで 旅行するのも楽しいだろう。

    近藤雄生はいう
    『世界にはいろんな生き方があふれている』
    と確かにそうだ。

    近藤雄生は 旅先で いろんなヒトの生き方から
    何かを学び取ろうとする。
    西オーストラリアの バーバンクでは
    イルカのボランティアをしている
    ジンバブエから来た白人から
    自分の国に 安心して住むことができることの
    意味を問う。

    また 自分で小さな国を作ってしまったヒトを通じて
    国とは何かを考える。

    インドネシアの海に面した村では
    生きているものを得ることによってしか生きられない
    現実を突きつけられる。

    『象牙を持った水牛のような大きなクジラよ
    一緒に村に帰ろう。
    我らに食を与えてくれ、村に食べ物を与えてくれ』
    (「クジラと生きる」)

    ビルマに侵攻した 日本の軍人が戦争を終わっても そのまま
    現地のヒトと同じような生活をしている姿を見ながら
    日本人とは何かを考える。

    昆明の 路上で 二胡を引いている 老人が
    ヒトを殺して逃げている息子を求めていることから
    国を超えて 親とは何かを考えさせる。

    腕一本で 武道家として 生きる日本人から
    本当に闘うこととは何かをかんがえる。

    スイスで 亡命している 18歳のチベット人の
    スイスの豊かさと チベットでの不自由でありながら
    自分の故郷を思い、スイスで
    ウソをついて生きている悲しさをつく。

    人々は 何を思って 生きているのか
    旅をしながら それにぶつかり
    自分の問題として考えていく姿は 今の若者たちにも
    つたえたい 旅の姿の醍醐味である。
    よくねられた 楽しい旅行記で
    説教がましくないところがいい。  

    近藤雄生の言葉の中で
    『最近の日本では、とにかく少しでも危険なものは
    なくしていこうという傾向を感じるけれど、
    実際にするべきなのは、危険なものを
    すべて取り除くことではなく 危険があることを認識して
    それをどうやって避けていくかを
    自ら学んでいくことのはずなのです。』

    たしかに 日本では 守られすぎている。
    コミュニケーションができないという言葉の壁もない。
    危険 を恐れていては 人生を楽しむことは
    できないのだろうね。

  • 「世界にはいろんな生き方があふれている」
    私が近頃実感することだったので、本当にその通りだな…と。
    世間の大多数の人、みんなの意見、「こうした方がいい」「ふつうはこうだよ」という言葉。
    でも、その私たちが「当たり前」だと思っている「ふつう」って?実は一歩世界に飛び出してみると、私たちが「当たり前」と思っていた世界って、むしろ非常識だったりする。
    私たちはみな、世間の常識に振り回されたり、後ろ指さされたりすることもあるけれど。でも、一度きりの人生。いろんな生き方があって当然だ。
    旅をすることは、そういった私たちの「当たり前」を崩して、世界を広くしてくれる。

  • 「遊牧夫婦」で書かれた数年間に及ぶ旅の模様が、ジュニア向けに語られている(こちらの出版の方が先だったらしいが)。当然かもしれないが、オトナには「遊牧夫婦」の方が面白い。旅を共にする妻モトコさんとの山あり谷ありのお話とかはここにはないものね。

  • 902

    「何かにきっぱりと白黒つけることって生きている中であんまり ないですよね。だから、明確な勝ち負けのある試合を戦うってこと は、いい経験だと思うんですよ」

    一方、スリや盗難にあったことは何度かあります。たとえばインドネシアの夜行バス では、日的地に着いて降りたら、モトコのバッグの中のカメラがなんと二本のペットボ トルにすりかわっていて、途方に暮れたことがありました。キルギスの首都ビシュケク を走る満員のミニバスでは、ぼくが財布をすられ、すられた一〇秒後ぐらいに気付いた ものの、手遅れでした。それからアフリカ南部、ボツワナとザンビアの国境付近では、 バスに積んでいたモトコの大きなバックパックが丸ごと持っていかれ、国境までダッ シュで追いかけ、国外に逃げられる前になんとか取り戻したということも。

    イスラム教の教えに従って法律が作られているイランでは、飲酒は禁じられていま す。そのためもちろん、街でも一切アルコール類は売っていません。なので、「え? シャンパンなんて飲んでいいの?」と聞くと、アミールも、レザーも、 「なに言ってんだよ、ノープロブレム!シャンパ全部OK!」ってなことを言うのです。

    もちろん、そのようにいくつかの企業がひとり勝ちする現象が世界中で起きている一 方で、その逆に、いまはインターネットを利用することで、小さな組織や個人が、 までは考えられなかったようなことをやれる可能性が開けてきたことも感じます。

    インドネシアは一万七〇〇〇を超える島からなる国で、ラマレラ のあるレンバタ島はその南の方に位置しています。ビーチリゾート として有名なバリ島から、移動に足掛け三日間。

  • 290.9/コ

  • 昨年末に知りとても興味を持った近藤雄生さんの本。私にとって2作品目。この本は、中高生ぐらいを対象に書かれているが、作者夫婦がどのような旅をしてきたか、またどんな人と出会ったかがよくわかっておもしろい。この作者の本は、もっと読んでいきたいと思う。

  • 290-K
    閲覧新書

  • 世界を旅して実際に感じたことを中学生くらいを対象に書かれていて、面白かった。

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著者プロフィール

1976年東京生まれ。東京大学工学部卒業、同大学院修了後、旅をしながら文章を書いていこうと決意し、2003年に妻とともに日本をたつ。オーストラリアでのイルカ・ボランティアに始まり、東南アジア縦断(2004)、中国雲南省で中国語の勉強(2005)、上海で腰をすえたライター活動(2006-2007)、その後ユーラシア大陸を横断して、ヨーロッパ、アフリカへ。2008年秋に帰国し、現在京都在住。著書に『旅に出よう』(岩波ジュニア新書)がある。

「2010年 『遊牧夫婦』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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