大統領でたどるアメリカの歴史 (岩波ジュニア新書)

  • 岩波書店 (2012年9月20日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (272ページ) / ISBN・EAN: 9784005007233

感想・レビュー・書評

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  • ▼岩波ジュニア文庫は信用しています(大人が読んでためになるシリーズだなあ、という意味で(笑))。これは確か世紀の名作である、(僕にとっては)「世界史読書案内」(これも岩波ジュニア新書)に載っていたんです。
     いつか読もうと思ってました。

    ▼歴代のアメリカの大統領について、

    ・こんな経歴の人だったんだよ
    ・この人の時代はこんなで、こんなことをしたんやで

    ということをひたすら書き並べただけの本。
    スバラシイ。オモシロイ。
    アメリカ史が分かります。
    書き手の力でしょうね。

    ▼現代では民主党がリベラルで共和党が保守愛国的、という印象がありますが、これがもともと逆だった、というのにびっくり。現在のイメージになったのはFDRからだったんですね。ルーズベルト。

    ▼奴隷解放のリンカーンは共和党だった。共和党がモダンな北部産業の利権を代弁していた。民主党が保守的な南部産業を代表していて、民主党が奴隷制断固維持だった。

    ▼アメリカが独立して以降、ヨーロッパやアジアとどうかかわるか、が現代史との交差点になるのですが、第1次、第2次世界大戦の決断って、それなりに大変だったんだなあ、と。

    ▼FDR、ニューディール、というのはかなり「社会主義的」なことだったんですね。資本主義を「階層社会、格差社会」にしないためにどう修正していくべきか。主題は現代的。

    ▼もうちょっと「南北戦争はなぜ起こったのか」が知りたくなりました。現在のアメリカ合衆国の姿になれたのは、この分断を乗り切れたからなんですね。

  • アメリカ史入門のため読んだ。
    大統領からの観点でアメリカ史をザックリと掴む。
    国際政治のうねりや、大統領個人の経歴、キャラクターも掴めた。

  • 2017.12.25 朝活読書サロンで紹介を受ける。

  •  初代ジョージ・ワシントンから第44代のオバマまで(2012年共和党でロムニーが指名されるまで)の政治史。歴代大統領の功績、あるいはできなかったこと、生い立ちなどを中心に紹介している。アメリカ史を6つの時代に分け、まず概観した後に、各大統領の説明へと入る。
     今年の夏、初めてワシントンD.C.、フィラデルフィア、ボストンという建国に関わる土地に行ったので、勉強のために飛行機の中で読んだ。と言っても、特に前半はおれ自身がよく歴史を分かっていないもあって、あまり面白くなかった。大学の時、たしか「アメリカ大統領制の歴史」みたいな授業が退屈で、結局単位落としたし、というのを思い出してしまった。それでも、この人は期待外れだった、とかこの人は頑張って支持を得た、みたいな話は分かりやすくて、後半は結構読めた。特に車いす姿を見せずにリーダーシップを遺憾なく発揮したルーズベルトという人はすごいと思ったし、また、大恐慌前の好景気の時代に、望めば次期大統領にも慣れたのに、あえて再出馬しなかったクーリッジという大統領については「二九年の株価大暴落による大恐慌への道を薄々感づいていたのではないか」(p.139)という見方もある、ということで、宝塚のスターじゃないけど、やっぱり頂点の時=引き際を考える時、ということだろうか。「それ(=経済崩壊)に気付いた人はほとんどいません。皆、繁栄に浮かれていたのです。これは、現在も通用する歴史の大きな教訓でしょう」(p.139)についてはその通りだと思った。あとはTricky Dick(狡猾なディック)と呼ばれたニクソンという大統領は、ウォーターゲート事件以前にも連邦上院議員の選挙で相手に「共産主義者のらく印を押し、ピンク色の紙に彼女の下院での投票記録を記して配るなど中傷戦術を展開」(p.191)するとか、結構ひどい人が大統領とかなるんだ、と思った。あとはマッカーサーを解任したトルーマンの「The buck stops here.(責任は私がここでとる)」という座右の銘をいつもホワイトハウスの机の上に置いていた、とかかっこいいと思った。(14/08/11)

  • 13/02/18 アメリカ史を学ぶにはすぐれもの。

  • 大国アメリカの歴史を、初代ワシントンから歴代大統領の足跡をたどりながらアメリカの歴史を解説した本。
    高校生の頃、政経の授業が面白くて政治に興味がわいたものの、新聞やTVなどでリアルタイムに「勉強」できるのは日本の決められない政治ばかり。歴史の授業で習ったリンカーン、ルーズベルトやトルーマンがいったい何をしたのかは大抵一言で片づけられ、その時代生まれてもいない私には遠い存在だった。ジュニア新書だし、ぱらっとめくって分かりやすいと思えたので読んでみたけど、アメリカの歴史を初めて知るには素晴らしい。ニューディール政策やウォーターゲート事件など、名前だけは知ってるものがきちんと説明されていて、でもかといってうだうだ長くもなく、分かりやすかったです。個人的には唯一4選されたフランクリン・ルーズベルトの話が印象に残りました。車いすの生活を国民に見せるのを嫌がったそうで、マスコミも報道しなかったおかげでその事実をほとんど知られることはなかったらしい。アメリカの歴史とは関係ないけど、当時はマスコミも下品に騒ぐだけのものじゃなかったのかと驚き。古き良き時代、というのをちょっと感じる。

  • 勉強になりました。

  • 312.53 ア 登録番号9505

  • 6つの時代に分けての章立てで、章の最初にかかれた概略で時代の全体像を学べ、また各個人に関する記載箇所では、大統領の「人柄」を感じされるエピソードが満載で、楽しく読めた一冊。

  • ウッドローウィルソンは母校のプリンストン大学の政治学者だった。幼少時代を南部で育ったから、黒人差別が身に沁みついていたから、連邦機関は黒人立ち入り禁止だったし、日本が国際連盟に提案した人種差別撤廃を拒否した。

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