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- Amazon.co.jp ・本 (410ページ)
- / ISBN・EAN: 9784006000684
作品紹介・あらすじ
廃止か保持か-日本降伏をめぐる英・米・オーストラリア・中国など連合国側のさまざまな天皇観の対立・相剋をはじめて実証的に明らかにし、戦後改革を伝統社会の変容のドラマとして解明した画期的研究。諸外国の「鏡」に映し出された天皇制のイメージは、同時に日本人のいかなる思考や集団行動様式を反映しているのか。
感想・レビュー・書評
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各戦勝国による日本の天皇制の捉え方の違いもさることながら、本書のハイライトはやはり「原爆と天皇」を扱ったところだろう。知日派のグルーが原爆という未曾有の兵器使用を未然に阻止すべく孤軍奮闘する様には心を動かされる。他方、本書には触れられていないが、原爆投下に対して「仕方がなかった」とコメントした昭和天皇の感覚にはどうしても理解し難いものがある。
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明治憲法下における天皇の位置付けの二重性は、敗戦による戦争責任の追及にも大きく影響した。天皇制存置か廃止か、天皇の戦争責任を追及すべきか否かを巡り、連合国の米、英、豪、中国において、どのような意見が示されてきたかを、著者は丁寧に辿っていく。
アメリカにおける親中派と親日派との対立は知っていたが、オーストラリアが強硬に天皇の戦犯訴追を求めていたことや、その事情については、本書で初めて知った。
現憲法の象徴天皇に至るまでに繰り広げられた、厳しい道筋を教えてくれる好著である。 -
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