広告の誕生: 近代メディア文化の歴史社会学 (岩波現代文庫 学術 207)
- 岩波書店 (2008年12月16日発売)
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- Amazon.co.jp ・本 (254ページ)
- / ISBN・EAN: 9784006002077
作品紹介・あらすじ
近代日本のメディア・消費文化にとって、広告が果たした役割とは何か。広告とは、いかに「意味の媒体」であり続けたのか。存在としての緩さ、過剰な言説との不均衡を解明しつつ、一九二〇年代から現代に至る時代空間の中で、広告の変容を考察する。俊英による刺激的な力作論考。
感想・レビュー・書評
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この夏の週刊ダイヤモンドの特集「広告戦争」ではそのすべてがデジタル広告の今とこれからについてであることに「そうだよな…でもそこまで来たか…」という感慨を持ってしまいましたが、まさに私たちは広告空間が変容し《広告である/ない》が溶解している瞬間に立ち会っているのだと改めて感じました。本書が指摘する〈引札〉〈新聞〉〈婦人雑誌〉という広告の地と受け手の成立とか変化の歴史はまさに〈スマホ〉を舞台に進行中なのだと思います。実は本書のキーワード《気散じ》という言葉、知らなかったのですが生活者の視線の《気散じ》が、今は指先の《気散じ》へ移行していると、このレビューをスマホで電車の中で書きながら、思ったりしています。ステマとかアフェリエイトとか送り手のビジネスの変化というより受け手の身体性の変化という方がしっくり来ます。《香具師》であるのは広告の送り出し側ではなく受け手側なのではないか?と思いました。
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