- Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
- / ISBN・EAN: 9784006004033
作品紹介・あらすじ
歴史上の哲人の言葉でなく、ごく普通の人々の意見・情報を手掛かりに、政治哲学を論じる。政治哲学の基本から最先端の議論まで、簡潔にわかりやすい言葉でまとめられた、初めて学ぶときの格好のテキスト。学習を深めるための文献リストは、最新の文献までアップデートして収めし、充実。(解説=山岡龍一)
感想・レビュー・書評
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ハンディだけれども、しっかり読むと、とても重厚。「哲学」を延々と書いてあるわけでもなく、論点をロジカルに紹介してくれており、現在の多数派がどう考えてるか、もなんとなくわかる。巻末の参考書リストは、とても興味を惹く。
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分析政治哲学のオーソドックスって感じ。自由と平等の一筋縄ではいかない感じを書いててよかった
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2005年に発売された「一冊でわかる」シリーズの『政治哲学』の岩波現代文庫版。
<目次>
第1章「政治哲学はなぜ必要なのか」、第2章「政治的権威」、第3章「デモクラシー」、第4章「自由と統治の限界」、第5章「正義」、第6章「フェミニズムと多文化主義」、第7章「ネイション、国家、グローバルな正義」、解説「政治哲学はどのようなものとなりうるのか」、岩波現代文庫版あとがき
<レヴュー>
訳書の体裁は2005年版とほぼ変わらないが、文庫版では紙幅の都合で図版をカットしたとのことで、特にロレンツェッティの寓意画がないのは少々もったいない気がする。とはいえ代わりに参考文献リストがさらに充実したものとなっている。扱っているトピックは多くの政治理論の概説書と共通しており、政治哲学の存在理由、そもそもなぜ政治的権威≒国家が必要なのか、その統治形態としてのデモクラシーの価値如何、統治の目標あるいは制約原理としての自由や正義、そしてこうした主題を扱う際に前提となる枠組みに挑戦しているとされるフェミニズム、多文化主義、グローバル・ジャスティス論といったものである。ただし類書と比べた際の大きな特徴は、理論家の名前や専門用語の類いが最小限しか登場せず、むしろどのような«考え方»によってそれぞれのトピックにアプローチすればよいのかという部分に焦点を当てるかたちで議論が進むことだろう。その意味で、導入科目のテキストの候補に挙げやすい一冊である。また当然、政治哲学という分野がいったいどういうものなのかをある程度知っている人間にとっても、平易な言葉で進められる論述は非常に魅力的である。もちろんこれは、原著者の努力もさることながら、訳者二人の推敲の賜物でもある。また訳者による解説・文庫版あとがきも政治哲学という分野の近年の動向を簡にして要を得たかたちでまとめてくれており、非常にありがたい。 -
原題:Political Philosophy: A Very Short Introduction (Oxford, 2003)
著者:David Miller(1946-)
訳者:山岡龍一(1963-)
訳者:森 達也(1974-)
【書誌情報】
通し番号 学術403
ジャンル 岩波現代文庫 > 学術
刊行日 2019/04/16
ISBN 9784006004033
Cコード 0110
体裁 A6・並製・カバー・288頁
定価 本体1,080円+税
歴史上の哲人の言葉でなく,ごく普通の人々の意見・情報を手掛かりに,政治哲学を論じる.政治哲学の基本から最先端の議論まで,簡潔にわかりやすい言葉でまとめられた,初めて学ぶときの格好のテキスト.学習を深めるための文献リストは,最新の文献までアップデートして収めし,充実.(解説=山岡龍一)
〈https://www.iwanami.co.jp/book/b450135.html〉
【簡易目次】
まえがき
1 政治哲学はなぜ必要なのか
2 政治的権威
3 デモクラシー
4 自由と統治の限界
5 正 義
6 フェミニズムと多文化主義
7 ネイション, 国家, グローバルな正義
政治哲学はどのようなものとなりうるのか[山岡龍一]
岩波現代文庫版あとがき[山岡龍一]
文献案内
【著者略歴】
デイヴィッド・ミラー(David Miller)
1946年生まれ.オックスフォード大学ナフィールド・カレッジ(Nuffield College)の社会・政治理論のフェロー.オックスフォード大学政治理論教授.
山岡龍一(やまおか りゅういち)
1963年生まれ.国際基督教大学卒.ロンドン大学(LSE)博士課程修了(Ph.D. 取得).現在,放送大学教授.
森 達也(もり たつや)
1974年生まれ.南山大学法学部卒.早稲田大学大学院政治学研究科博士後期課程単位取得退学.博士(政治学).現在,早稲田大学任期付講師. -
東2法経図・6F開架:B1/8-1/403/K