愛について: アイデンティティと欲望の政治学 (岩波現代文庫 学術 441)

著者 :
  • 岩波書店
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  • Amazon.co.jp ・本 (430ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784006004415

作品紹介・あらすじ

セクシュアリティをはじめとし、近代社会において私的領域の深奥に秘匿されてきた事柄の政治性を鋭く分析する本書は、あらかじめ定められた物語を攪乱し、語りえぬものに声を与える政治と倫理の新たな地平を切り拓いた。精緻な理論でフェミニズム批評の最前線を走りつづけた著者の代表作、待望の文庫化。(解説=新田啓子)

感想・レビュー・書評

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  • 祝文庫化

    竹村和子『愛について――アイデンティティと欲望の政治学』arsvi.com:立命館大学生存学研究所
    http://www.arsvi.com/b2000/0210tk.htm

    愛について - 岩波書店
    https://www.iwanami.co.jp/smp/book/b595689.html
    https://www.iwanami.co.jp/smp/book/b260963.html

  • 第1章はふつうに為になる。
    第2章「愛について」がいちばんおもしろかった。精神分析の〔ヘテロ〕セクシズムを精緻に批判して取り除いていったうえで愛の不可能性の議論に到達するロジックと文章の美しさ。
    第3章「あなたを忘れない」は、自分が「女」ではないため母-娘関係の議論に自分事として深く感情移入しながら読むことはできなかったが、そうして辿り着いた「「不在」の子供への呼びかけ/母に対する娘の呼びかけ」をまさに実践するかたちでの終盤の誌的でありながら論理的な総まとめの文章の連なりには圧倒された。
    たほうアイデンティティが主題となる後半の3, 4章は抽象的で難解過ぎて今の自分にはしっかり付いていくことができなかった。

    この密度の哲学的なフェミニズム批評書を一冊読み通すのは初めての経験だったが、竹村和子がさまざまな意味で稀有な思想家であり書き手であったことだけはまざまざと思い知らされた。

  • 東2法経図・6F開架:B1/8-1/441/K

  • 再読する。三宅夏帆さんが文庫化の知らせに対して「名著」と言っていたことから借りてみた。読み始めるまで知らなかったけど、性差別と異性愛主義についての論文集。フェミニズムの理論を述べるのにここまで多くの哲学者の名前が出てくるんだとビックリ、そして全く知らない分野だったので、理解できないところ(特に4.5章)が多かったけれど、理解できるようになりたい。

  • 【蔵書検索詳細へのリンク】*所在・請求記号はこちらから確認できます
     https://opac.hama-med.ac.jp/opac/volume/461378

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著者プロフィール

元お茶の水女子大学大学院人間文化研究科教授。お茶の水女子大学大学院修士課程修了。筑波大学大学院博士課程退学。人文科学博士。琉球大学名誉博士。専門は英語圏文学、批評理論。2011年死去。主な著書に『境界を撹乱する――性・生・暴力』『愛について――アイデンティティと欲望の政治学』、『思考のフロンティア フェミニズム』(以上、岩波書店)、『文学力の挑戦 ――ファミリー・欲望・テロリズム』(研究社)、『彼女は何を視ているのか――映像表象と欲望の深層』(作品社)、『かくも多彩な女たちの軌跡』『女というイデオロギー』(以上、海老根静江との共編著、南雲堂)など。

「2021年 『問題=物質となる身体』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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