釋迢空ノート (岩波現代文庫 文芸 106)

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  • Amazon.co.jp ・本 (375ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784006021061

作品紹介・あらすじ

法名を筆名とした国文学・民俗学者の折口信夫(歌人・詩人の釋迢空)が秘していたもの、自ら葬り去ったこととは何か。虚と実、学問と創作、短詩型と自由詩の狭間に生きた折口の難問とは。日本の近代と格闘した巨人の謎多き生涯を、その歌と小説にしかと向き合い、史料の発掘と確かな精読で描き出す渾身の評伝。毎日出版文化賞受賞作。

感想・レビュー・書評

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  • 何度チャレンジすれどその度に挫折し且つ諦めきれない本が幾つかある。折口信夫『死者の書』もそのうちの一つで、再チャレンジにあたりまずは人となりに馴染み愛着を持つことから始めようと手にした富岡多恵子の釋超空(折口信夫)論。謎多き超空の生い立ちとその時々に認めた短歌とを照合し解き明かしゆく手管はスリリングに興奮を仰ぐ。キーワードは家族、宗教、同性愛、大阪など。読み終えて朧に攫めた人間像は正に中野重治のいう「うすきび悪さ」で「それが私を誘惑する」のである。増して富岡の超空への執着凄まじく、負けじとうすきび悪い。


    この重さを持ち堪え『死者の書』いきます。

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