- Amazon.co.jp ・本 (242ページ)
- / ISBN・EAN: 9784006023188
作品紹介・あらすじ
日本語が漢字と仮名とを使い始めた時に、「振仮名の歴史」が始まった! 表意文字と表音文字という2つの文字種、中国語と日本語という2つの言語、「2つの2」によって振仮名が成り立つ。平安時代から現代まで、脈々と続く振仮名の歴史を辿りながら、日本語の多様性を浮かび上がらせた名著に書き下ろしの補章を加え、待望の文庫化。
感想・レビュー・書評
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個人的には、明治初期の右振仮名と左振仮名というのが面白くて、僭越ながら、著者には、このテーマに絞ってもう一冊書いて欲しい…と思ったりしています。
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漱石の小説が東と西で違うものになっていたというのは面白い。
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「ふりがな」と言いましても難しい漢字に
カナを振るだけのことではないです。
最近では歌詞などで例えば「瞬間」を「と
き」と歌うものが多いのはご存知と思いま
す。
この本ではサザンオールスターズの歌詞を
至近な例として頻繁に取り上げています。
「素敵な夢を叶えましょう」という曲には
こういう下りがあります。
「”あるがままに”と歌えし偉人がいて・・」
の”あるがままに”に「Let it be」と振り仮
名がつけられているのです。
これは言葉としては「あるがまま」ですが
意味はこうですよ。という注釈のような役
割を持たせています。
実はこのような役割を持たせた振り仮名は
古くから存在しているそうです。その振り
仮名の歴史と使い方を学べる一冊です。 -
振仮名について「読みの難しい感じに読み仮名を付ける」という役割しか考えたことがなかった。ある意味でこの思い込みは自然だろう(と正当化しておく)。新聞や本では振仮名を滅多に見かけない一方、読者として子どもが想定されるマンガ本の類では頻繁にお目にかかる。けれども振仮名とはそんな単純なものではなかったらしい。「表現としての振仮名」について読んで、確かにそうだなと思う。
現在は使用する漢字を原則として当用漢字に制限し、誰もがその字を読めることを前提として振仮名を付けない。これが一般的な書き方である(201頁)。この「原則」が振仮名に表現力を持たせられることに、本書を読んで気付いた。
本書は図版が多いのも読んでいて楽しい。例えば室町時代の辞書『節用集』(74頁)。これを見ると、大昔から日本語は基本的に同じなのだなと少し驚く(確か阿刀田高が何かのエッセイでやはりそんなことを書いていた気がする)。 -
かなりの昔からふりがなというものは存在し、ほぼ全ての漢字にふりがなが振られている画像が存在して掲載されているのはビックリした。