新版 醜い日本人 日本の沖縄意識 (岩波現代文庫 社会 14)

著者 :
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  • Amazon.co.jp ・本 (330ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784006030148

作品紹介・あらすじ

沖縄に関して、日本人は醜い-。沖縄返還交渉の進むなか著者はあえてこう断言し、憤りを冷徹な筆致に置きかえて、明治期から沖縄戦、アメリカ軍政下にいたる沖縄と日本の関係を説き起こした。あれから30年、日本人は醜さから脱却できたのか。沖縄問題の原点を示した旧著に、沖縄県知事としての経験をふまえ加筆した新版。

感想・レビュー・書評

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  • 【元沖縄県知事による憤怒の書】
    本書の旧版は、本土復帰運動が高まりつつあった1969年に出版された。この新版はそれから30年後の2000年に、「痛恨の思いを込めて、今一度、本書を世に問わざるを得ない」として出版されたものである。
    その痛恨の思いは、最後の第4章が、「沖縄・自由への道」から「醜さの根源」へと全面的に書き換えられたところに明確に示されている。「日本人は醜い―沖縄に関して、私はこう断言することができる」とのまえがきから始まる本書は、沖縄戦下の日本兵による沖縄人殺傷、集団自決の強要、基地の沖縄への集中過程など、「日本人の醜さ」への筆致に緩みがない。
    そして、われわれ引き取り運動に関わるものとしては、とりわけ大田の次の警句を肝に銘じておきたい。「本土同胞のひとりひとりが、沖縄の実態を把握することを、自らの義務として、取り組んだとき、初めてその認識は、「全国民の声」に結集され、異民族による軍事占領という屈辱的事態を変革し、真に日本の独立を達成する力に転化できるのである」。(本土に沖縄の米軍基地を引き取る福岡の会/吉村)

  • 醜いタイトルだが、読み進めていくうちに合点がいく。
    どこまでが真なのか若干の危惧もあるが、参考文献の記載もあり、解釈の範囲内で真なのだろうと思う。

    政治家の人のみならず、沖縄県民にも一読して欲しい本。

    「日本政府自体が沖縄人を異民族のように処遇してきた」
    ということであれば、沖縄の人もあえて「日本に帰属する」という意識を持たなくてもいい、という考えもあるのかな。

    1969年初版の本だが、新稿を加えて2000年に第一刷されている本。
    歴史について書かれている部分が多いということもあるが、内容は色あせてはいない。

    払ってもいい金額:2,000円

  • 沖縄に旅行に行った際に、沖縄では基地の面積が非常に大きいのを実感しました。そのときに新聞に紹介されていたので読みました。沖縄の歴史や米軍駐留にいたる経緯など詳しく知ることが出来ました。

  • もっと真剣に考えなければ。

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著者プロフィール

1925年、沖縄県久米島に生まれ。1945年、沖縄師範学校在学中に鉄血勤皇師範隊の一員として沖縄守備軍に動員され沖縄戦に参加、九死に一生を得て生還。戦後、早稲田大学を卒業後、米国シラキュース大学大学院でジャーナリズムを学ぶ。修了後、琉球大学社会学部で教授として研究・指導を続ける。1990年、沖縄県知事に就任、2期8年務め、平和・自立・共生をモットーに県政を行う。「平和の礎」や「新沖縄県立平和祈念資料館」「沖縄県公文書館」などをつくった。2001年、参議院議員(1期6年)。知事退任後、大田平和総合研究所をつくり平和研究を続ける。現在は同研究所をもとに設立した特定非営利活動法人・沖縄国際平和研究所理事長。

「2014年 『辺野古に基地はいらない!オール沖縄・覚悟の選択』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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