- Amazon.co.jp ・本 (280ページ)
- / ISBN・EAN: 9784006031237
感想・レビュー・書評
-
スポーツノンフィクションの短編集。咬ませ犬として試合をし続けてきたボクサーや、選手としては無名な中日ドラゴンズの二軍監督など。派手さは全然ないが、じんわりと心に染みいるものがある。良書。
詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
様々な分野で脇役として存在感を放つ人達を取材対象としたノンフィクションのオムニバス。
ボクシングで将来を期待される有望なボクサーがのし上がっていく際に”負け役”を暗に期待されるボクサーのことを”咬ませ犬”と言い、そのような役割を全うしたボクサーを取材した『咬ませ犬』。
プロ野球のブルペンで投手の球を受け続け、1軍での公式試合に出場することなくその後コーチ、2軍監督としてキャリアを積み上げていく職人肌のキャッチャーを追う『壁と呼ばれた男』。
競馬界で最も脚光を浴びる騎手でもなく、調教師でもなく、裏方として最も馬に寄り添う役目であるベテラン厩務員がG1制覇に賭ける日々を追った『ライアンの蹄音』。
他にも大学ラグビーの監督を扱った「楕円球への夢」、自らの登山スタイルを追う登山家を追った「ザイルの彼方」。
どのストーリーも各界でスターとして活躍する人々の周囲に、私たちの知らないこんなに濃厚な物語や世界があったのかと、どんどんのめりこんでしまいます。登場する人達は大半の読者にとって名前も聞いたことがない存在ですが、それでも十分にそれぞれの世界に浸ることができます。 -
無名のスポーツ選手の短編ルポ集。顔も知らない、実績もないような選手を個人として取り上げ、ストーリーとしてぐいぐい読ませてしまう取材力と筆力は敬服に値する。
-
105 目白ブコフ