暗転

著者 :
  • 朝日新聞出版
3.08
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本棚登録 : 266
感想 : 51
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  • Amazon.co.jp ・本 (360ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784022509802

作品紹介・あらすじ

朝の通勤ラッシュ時に、満員の乗客を乗せた電車が脱線した。偶然、そこに乗り合わせた雑誌編集者の辰巳は、自分の下敷きになった女性の死を目の当たりにする。彼はペンを握るが、凄惨な現場を思い出すたびに身体が震えてくるのだった…。自分自身、そして被害者すべての日常を取り戻すための戦いが、今始まる。

感想・レビュー・書評

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  • 朝の通勤ラッシュ時、満員の乗客を乗せ、急カーブにさしかかった電車が突如、脱線・転覆した。正にH17年4月に起こった尼崎のJR福知山線脱線事故が頭に浮かびつつ、どんどん引き込まれた。
    被害者でもある雑誌編集者の辰巳は、涼子の死を目の当たりにして凄惨な現場を思い出すたびにペンが握れない。
    警察官の高石、東広鉄道広報部主任の御手洗達によって企業の隠蔽が明らかにされていく様子にドキドキ感はあったものの 終盤があっけなくスッキリ感が物足りなかったかな。
    只、御手洗氏のお母様が良かったかな。

  • とにかく最後の詰めに入ってからがあっさりし過ぎてて残念。

    う~ん、中途半端でした・・・

  • JR の福知山線を思い出した。300 人以上の死傷者を出すその列車に乗っていた週刊記者その下敷きになっていた女性も死に深い傷を残す辰見 JR は死んだ運転士に責任を押し付けてしまう。其れぞれ事件と向き合いしょ凸するが、会社より社会の方が大きい事故、其れを知った同じ会社の人は全てを話そうとする。自分は、会社を辞めても。

  • 脱線事故。福知山線をモチーフにしている。
    事故の描写はリアル。怖かった。
    所々関西を揶揄する表現があって気になった。
    「関西はダイヤの少しの遅れも許さない」とか「苦情が多い」とか。
    刑事と記者が、鉄道会社の広報担当を精神的に追い詰めて、内部告発させた。運転手個人の罪として片付けようとした鉄道会社を懲らしめた。
    後日譚として事件解決を語られたので、事故描写との違いに少し興醒めした。

  • 物語の中にも少し出ては来ますが、どうしてもJR西日本の福知山線の事故を連想してしまいます。被害者の婚約者、退職間近の警察官、被害者である雑誌編集者、電鉄会社の広報担当者。それぞれの思いに引き込まれます。ただ、前半の緊迫感に比べると後半は少し残念な気がしてしまいました。

  • 読了。堂場瞬一、暗転。
    ★★★★★
    面白い!事故発生から、1日ごとに別の人物の視点で書かれていて、それぞれの思いが伝わってくる。先を読まずにいられない。オススメです!
    300人以上の死傷者を出す列車転覆事故が発生。
    たまたま、その列車に乗り合わせた雑誌編集記者の辰巳は、助け出される寸前に辰巳の下敷きになっていた女性を助けられなかったことを悔やんでいた。
    搬送された病院にたまたまその女性も入院していることを知った辰巳は、看護師に無理を言って、その女性の部屋に連れて行ってもらう。
    女性は頭を打って意識がなかったが、命には別条はないと聞かされた。
    ところが、容態が急変し、亡くなってしまう。その場所に車椅子で駆けつけた辰巳は、女性の婚約者である滝本が取り乱している姿を見て呆然とする。
    亡くなった女性とは同棲しており、結婚が間近で妊娠していたと医師から告げられ、滝本は二重の悲しみを負う。
    所轄警察の外勤課の警察官、高石は滝本と会い、事故の真相究明をしなくてはと心に誓う。
    一方、鉄道会社の広報部に所属する御手洗は、遺族への謝罪とマスコミ対応に追われ、疲弊していた。
    高石や、辰巳からも事故の真相について聞かれ、会社の公式見解に疑問を持ち始める。
    そしてそのついに真相にたどり着くことに…

  • あらすじ: 朝の通勤ラッシュ時に、満員の乗客を乗せた電車が脱線した。偶然、そこに乗り合わせた雑誌編集者の辰巳は、自分の下敷きになった女性の死を目の当たりにする。彼はペンを握るが、凄惨な現場を思い出すたびに身体が震えてくるのだった…。自分自身、そして被害者すべての日常を取り戻すための戦いが、今始まる。

  • 2015_07_11読

  • 死者80人を数える列車事故。会社側は運転士(死亡)がメールをしていて速度を超過し脱線したと発表する。それに疑問を持った、自らも重傷を負った週刊誌記者、鉄道会社広報部社員、捜査にあたる警察官らの視点で真相に迫る。会社というものは多かれ少なかれ隠蔽体質である。しかし東京電力にしてもそうであるが、あれほどの大災害を引き起こしておきながら、なお上層部を守る為?に必至になっている様(それも実に稚拙な隠蔽)は滑稽ですらある。もっとも当事者にとってはそれでは済まない話なのだが・・・

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著者プロフィール

堂場瞬一(どうば しゅんいち)
1963年茨城県生まれ。2000年、『8年』で第13回小説すばる新人賞受賞。警察小説、スポーツ小説など多彩なジャンルで意欲的に作品を発表し続けている。著書に「刑事・鳴沢了」「警視庁失踪課・高城賢吾」「警視庁追跡捜査係」「アナザーフェイス」「刑事の挑戦・一之瀬拓真」「捜査一課・澤村慶司」「ラストライン」「警視庁犯罪被害者支援課」などのシリーズ作品のほか、『八月からの手紙』『傷』『誤断』『黄金の時』『Killers』『社長室の冬』『バビロンの秘文字』(上・下)『犬の報酬』『絶望の歌を唄え』『砂の家』『ネタ元』『動乱の刑事』『宴の前』『帰還』『凍結捜査』『決断の刻』『チーム3』『空の声』『ダブル・トライ』など多数。

「2023年 『ラットトラップ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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