- Amazon.co.jp ・本 (344ページ)
- / ISBN・EAN: 9784022512833
作品紹介・あらすじ
【文学/日本文学小説】奥多摩山中で両耳と鼻を削ぎ落とされた男性が発見された。青梅西署の刑事・荻大二郎は事件を追う。やがて、ある「機密文書」をめぐり、政治家、スパイ、狙撃手が生死を賭けた攻防へと発展していく。ベストセラー『沈底魚』の著者による書き下ろし大作!!
感想・レビュー・書評
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奥多摩で起きた事故車から瀕死の男性が発生され、青梅西署の刑事・荻は事件の捜査にあたる。一方、濡れ衣で自衛隊を追われることになった佐々岡は、ある男からの依頼を受け政治団体へスパイとして潜り込む。女性首相が狙撃され、2人のストーリーが交錯するとき・・・
尖閣問題や自衛隊、政権交代など、壮大なスケールではあるが、風呂敷を広げすぎた感も。荻と嘉子、娘との掛け合いは面白かったので、ラストは少々残念。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
自衛隊員の佐々岡啓志は射撃の才能を発揮していたが,トラブルで除隊に追い込まれる.荻大治郎は佐川嘉子とコンピを組んで,妙な交通事故の捜査を開始する.酷い傷を負った男性が車のトランクから発見される.啓志に三枝が接触してきてスパイ活動を勧誘される.尖閣諸島が中国に実効支配されているという想定で,タカ派の女性首相が強硬策を打ち出し,支持を得てきているという背景は楽しめた.首相が狙撃され,啓志が身代わり犯人にされている状況から何とか逃れる流れだが,最後はややあっけない感じだった.
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曽根圭介作品は、「殺し屋ドットコム」「藁にもすがる獣たち」に続き3作目、
えっ?とか、ほぅ!とか、そうなんだ~!、
と楽しくは読めるのですが、大きな山はなく、もうチョット刺激が欲しかった~!
というのは贅沢でしょうか? -
奥多摩山中で両耳と鼻を削ぎ落された男が発見され、刑事・荻大治郎は事件を追う。だが事態は、ある「極秘文書」の行方とからみ、日本の政治家やスパイ、ホワイトハウス、元自衛隊の狙撃手までを巻き込んでいき…。
尖閣問題や自衛隊、政権交代など現実の要素を盛り込んで骨太なサスペンスだった。手に汗握るとまでは行かなかったが、終盤に明かされる物語の意外な仕組みなど、最後まで十分に楽しませてもらった。
(B) -
壮大な構成の謀略ミステリ。個人的にこういう謀略物はあまり得意じゃないのだけれど、スリリングな展開でわりとあっさり読めました。
政治的なあれやこれやなどいわゆる「固い」話が多いのだけれど、その裏での陰謀などが見え隠れするのにははらはら。特に否応なしに巻き込まれてしまうあの人の命運にもはらはら。日本はこういうのが少ない印象もあったのだけれど、そうとは限らないんだなあ。
しかしラスト、ああなっちゃうとは思わなくって若干ショック。でもしんみりとした読後感は、悪いものではありませんでした。 -
久々の曽根圭介。『殺し屋ドットコム』風のブラックの効いた作風を予想していたが、思いっきりストレートなハードボイルド。なかなかの出来でした。
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まあまあ
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冒頭の凄惨なシーンからスリリングな展開が続くし、陰謀に巻き込まれる元自衛官の狙撃手とか、シングルファーザーの刑事さんとか、主人公側のキャラは魅力的に映ったのだけれど、、、正直者が馬鹿を見るような理不尽なストーリー展開が自分の好みに合わず、読み進めるのに苦労した。結局、国民の前では完全な真相を明かさず、適当なところで手を打って終わらせる結末の仕方は、政治権力の裏側においてはある意味リアルなのかもしれないけど、不快感が残る。
いつも参考にしている書評ブログさんでの評価が良かったので読んでみたものの、この作家さんの作品はやっぱり私に合わなかった。