- Amazon.co.jp ・本 (322ページ)
- / ISBN・EAN: 9784022514547
作品紹介・あらすじ
タンゴにしか興味がない孤独な殺し屋。
その男に両親と弟を殺され、一人生き残った少女、ヒロミ。
ブエノスアイレスに住む唯一の肉親である日系二世の祖父に引き取られた少女は、家族の復讐を果たすため、人の殺し方とタンゴの踊り方を覚えてゆく。
「あの男を殺して、人生の一部を取り戻す」。それだけが彼女の生きる目的となった。
やがて彼女はと名乗る凄腕の美しい殺し屋に成長する。
アルゼンチン軍事政権時代の暗黒の歴史を絡めた血塗られた復讐劇はどこへ向かうのか?
全編にちりばめられたタンゴという音楽とシェイクスピア作品への深いオマージュ、破滅へとひた走る狂気のような疾走感、切なく痛ましい殺し屋としての宿命。
ピアソラの「タンゴ・ゼロ・アワー」を暗殺者のための音楽として崇める殺し屋ハムレット。
タンゴのステップを踏むように踊りながら殺す、いかれた女殺し屋ロミオ。
東京とブエノスアイレスを舞台に、ロミオとハムレットの壮絶な闘いが幕を開ける――。
読みはじめたら止まらない、圧巻のノンストップ・ジェットコースター小説!
美しく、激しく、そして息苦しいほどの切なさが胸を打つ、傑作ノワール長篇、誕生!
感想・レビュー・書評
-
殺し屋「ハムレット」に家族を殺され一人ぼっちになったヒロミ。ヒロミは復讐に立ち上がる。ノワール的な雰囲気とハードボイルド、映画のように感じる世界観。殺し屋としての宿命や切なさと疾走感が良かったです。
詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
お上手だとは思う。
でも映画みたいだねぇ。
そんなに簡単に人を殺せるようになるんだろうか?
簡単に思えるのに、苦しむのだろうか?
猫の太り過ぎが、心配だ。 -
冒頭がひきつけられる
シェイクスピアの登場人物の名を持つ殺し屋が居間でタンゴを踊る夫婦を殺す
そこから復讐の物語が始まる
終始タンゴの名曲が響くようだ
そして生き残りの猫、アストルが魅力的 -
これぞ中山可穂な世界観。
-
話のテンポが速いのはいいが、内容が薄くなってしまってるのが勿体無い
-
復讐の連鎖。因果応報。
賛否がわかれそうな作品ではある。この手の作品を進んで読むほうではないのですが、世界観は嫌いではないし、強烈にハードな感じも受けず、個人的には楽しめました。 -
4.5
ウーゴ・ディアスの奏でるハーモニカに包まれタンゴを踊る夫婦。その幸福の時を貫く銃弾。
さらに標的となった二人の幼子。しかし、長女の広海はバレエの合宿で不在の為難を逃れる。
殺し屋の名はハムレット。
タンゴをこよなく愛するその男は、一枚のレコードと共に一家の飼い猫・アストルを連れ去る。
一人残された広海は、絶縁状態にあった祖父・龍三に引き取られアルゼンチンへ。ある時、過去に龍三も凄腕のヒットマンであった事を知り復讐の為にそのスキルを引き継ぐ事を望む。
やがて復讐の相手が判明するが、愛する家族の殺しを依頼したのは・・・。
果てしなく続く復讐の連鎖
ハムレットへの接近の為組織に身を投じ、龍三との約束を破りヒットマンとなった広海は少しずつ・・確実に壊れて行く。
そしてついにその時が。
それぞれが胸に掲げる「正義」。
-
凄腕の殺し屋に家族を殺された少女が、自ら殺し屋になってかたきを討とうと奮闘するのだが・・・全編通じてシェイクスピアとかタンゴがキーになってチョイチョイでてきたり、他と違う感があって、途中まですごく良かったんだけれど・・・後半は都合良すぎ展開で個人的には若干失速・・・。
-
★★★☆☆