fishy

著者 :
  • 朝日新聞出版
3.73
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本棚登録 : 856
感想 : 79
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  • Amazon.co.jp ・本 (268ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784022517135

感想・レビュー・書評

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  • けんけん、名義で、amazonにてレビュー済み。
    いろいろな事を抱えつつ、たくましく生きていく女性の姿が、女性の視点で、痛快に描かれていると感じた。また、その筆致も素晴らしいと感じた。

  • ユリみたいに
    これだけビシバシ啖呵きれると
    気持ちいだろうなー
    読んでてスッキリした。
    もっとやれーって感じ。

    でも、ユリの本当のところは分からないし
    分からなくてもいいじゃんっ
    がまたいい。

  • 読了した。
    一言で言うと綺麗な汚さ、って感じ
    ハッとさせられる思想がこれでもかと詰め込まれてて、まだ咀嚼しきれていない
    様々な人との向き合い方を通して展開される恋の行方に自分の境遇を投影することでまた面白い楽しみ方ができました

  • オリジナリティーのある小説だ。
    3人の女性が螺旋状に語って行く形式だが、3人とも同じようなボキャブラリーを使い、同じような言い回しをするのが少し気になった。

  • やっぱり、金原さんの作品は好き。
    読んでいて、なぜか引き込まれ、心地よく、魅力的な文章。

    デビュー当初の作品から比べると、だんだんと文章に丸みが出てきたが、最後は芯が通った強く鋭い印象もあって、意味がわからないところが好き。

  • 新宿の紀伊国屋書店の店員さんがオンライン書評でおすすめしていた
    作家さんって言語化の鬼だな
    小説ってすごく複雑な概念とか名前がついてないような感情を自分の脳内にそのままの形で入れてくれるような感じがあってそれがすごく良い

  • 金原ひとみさんの小説は、人の弱い部分を鋭く自分の身を削って書いているようで、読むといつも辛かったが、今回は3人の女性が、全て金原ひとみさんの分身として描かれている気がして、最後までfishyだが、今を大事に生きて「友情」とは呼ばない関係を続け、人は最後はしぶとく強いんだと思わせるところに救われた。
    自分にも少しずつ当てはまる人の弱い部分が抉られて痛いが、金原ひとみさんに感服。



  • 金原ひとみさんの作品は
    何も起きず、何も始まらずに、
    そのまま終わるような本もいくつかあるが、
    珍しくいろんなことが起こるタイプの物語で面白かった!!

    金原さんの本はいつも魅力的な男子が出てくるけど
    最近の作品はいいところのない男たちが出てきて、
    「ハァ〜マジで現実の男ってみんなこうだよね」
    って感じが詰まっててそれはそれで面白い。

    それにしても不倫ネタは今までもたくさんあったけど、
    ついに慰謝料請求されたり、
    夫が家からいなくなったり、
    弁護士つけて揉める話まで出てくるようになった。

    金原さんの物語には実体験がかなり反映されるから、
    なんとなく年々ひどくなっている気がして心配になった。

    それにしてもこれは恋の話ではなく、
    出てくる女3人の友情物語で、
    表面上は仲良くしていても一皮剥けば本心はわからないという女のドロドロが本来はメインの作品なんだろうと思う。

    多分男が読んでもわからない本だろうな。

    ここ最近の金原作品の中で1番面白かったかも!





    気に入った文章


    「憧れながら蔑み、嫌いながら好み、褒めながら貶し、拒絶しながら求める。」
    fishy p82


    「一瞬、腹が立った。次の瞬間呆れた。そしてまた次の瞬間永遠に離婚はしないと心に決めた。最後の瞬間まで、自分が離婚するのかしないのか分からなかった。どっちに転ぶのか分からなかった。こんなコイントスの裏表のように、あやふやな気持ちのまま人は離婚するしないを決めてしまうのか。いやしかし私が決めたわけではない。コインの裏が出た。ただそれだけだった。」
    fishy p132


    「こうして来る日も来る日も浅いおじさんたちの相手をしている内に、私の思考回路も完全に真っ当になってしまった。毎日のようにガールズバーに勤務していて知ったことは、客に異様にナショナリストと差別主義者が多いということだった。でも考えてみれば、キャバ嬢や高級スナックの女は落ちにくいし高いからという理由で安価なガールズバーに来るワンチャン狙いの男にリベラリストがいないのは当然だった。本番NGな風俗嬢と本番をしたという経験を武勇伝のように、あるいは俺のグレイトなテクニックがどうこうというニュアンスを込めて語る男や、下ネタやエロ話でこっちの反応を楽しむノータッチ痴漢男や、時代遅れのマッチョイズムをひけらかして若い子を批判する男、そういう奴らとは一線を画していると、先進的な自分を演出したいがために知的アピールしようとして無知を晒す男、Twitterなどを見ていると、ひどい差別や抑圧の体験ツイートが毎日バズっていて、こんな人間がどこにいるんだろうフィクションなんじゃないの?と思っていたがとうとう謎が解けた。そういう人間はガールズバーにいた。」
    fishy p158


    「泣かせるために作られたフィクションは、勃起させるために作られたポルノと同じだ。一時的な快楽を得ることはできても、そこから本質的な問いや力を得ることはできない。射精はできても、射精した瞬間どんな内容だったかすら思い出せなくなる。」
    fishy p168



    若い子に下ネタ言って反応を見てニヤニヤする男を
    ノータッチ痴漢男って表現するのいいですねw
    相変わらずキレッキレで好きです!!

  • 美玖、弓子、ユリ。時々集まって飲むと、毎回どこか不穏な空気になる。友達と一言で言い表すのも難しい不思議な関係性。でもそれぞれの考え方や生き方についてこうやって正直に話せる相手って貴重だよなぁ。

  • なにもかも…
    ⁡⁡
    ⁡ってな事で、金原ひとみの『fishy』⁡
    ⁡⁡
    ⁡これまたオモロい
    ⁡⁡
    ⁡美玖、弓子、ユリそれぞれの性格、生活、生き方って言うんかな
    ⁡⁡
    ⁡お互いに苦味合ってるのに3人揃えばバランスがええと言うのか、グーチョキパーな関係と言うんか
    ⁡⁡
    読みながら美玖はケイゾーぽいかなぁ、弓子はともやんかな、ユリは我ちゃんかなと勝手に想像しながら読んだり(そこは男なんかいっ)
    ⁡⁡⁡
    ⁡わしはソジンじゃなっと
    ⁡⁡
    女性の内面と言う訳じゃなくて、人間の内面をエグって表現してる感じかな。⁡
    ⁡⁡
    ⁡金原ひとみさんにしては、ライトな感じで読みやすかったね
    ⁡⁡
    ⁡2022年53冊目

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著者プロフィール

1983年東京都生まれ。2004年にデビュー作『蛇にピアス』で芥川賞を受賞。著書に『AMEBIC』『マザーズ』『アンソーシャルディスタンス』『ミーツ・ザ・ワールド』『デクリネゾン』等。

「2023年 『腹を空かせた勇者ども』 で使われていた紹介文から引用しています。」

金原ひとみの作品

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