老婦人マリアンヌ鈴木の部屋

著者 :
  • 朝日新聞出版
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本棚登録 : 69
感想 : 8
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  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784022517456

作品紹介・あらすじ

〇酒井順子さん推薦!介護する人、される人、そして介護で儲ける人。色気と欲気を惹き寄せるマリアンヌ鈴木の部屋は、何てカラフル! こんな風に老いてみたい。◯作家でフランス文学研究者の著者にとって、パートナーと父母の介護と最期を看取り、自らは大腸がんとうつ病の25年だった。ようやく辿り着いた快活で人間味たっぷりの「老活小説」。ダメ男や老いの入り口にたつ人びとのどこか陽気な連作短編集。◯昔も今も人はせつなく老いていく。横浜山手の洋館に住む老婦人は青い部屋のベッドに横たわるが、ときにフランス小話も語る。離婚・退職ののちにモエはヘルパー資格を取り、突然の宝石熱にとりつかれてネットオークションにはまっている。やり手の実業家のトチ中野は介護事業所「スマイル光」からモエをマリアンヌ鈴木宅に派遣した。トチの連れ合いで甲斐性なしのリチャードや美にこだわって整形を繰り返す大道芸人のミッキーなど、老婦人の仲間はひと癖あってみな愉快だ。トチ中野は地域包括支援センターでの人脈を通じて、シニア婚活パーティ「ひなげし会」を開催してひと儲けを企んでいる。老婦人はここで若き日の意外な過去に出会うが……。◯目次第一話 老婦人マリアンヌ鈴木の部屋第二話 雲根第三話 河童とマサイ第四話 薔薇の動物園最終話 マリアンヌ修復研究所

感想・レビュー・書評

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  • 金運からも仕事運からも見放され、浮気された末に夫とも別れたモエは、ホームヘルパーの資格を取得し、介護の道に踏み込む。担当となったのは、母方がフランス人という90歳の老婦人マリアンヌ鈴木だった。怪しげな悪徳商法で荒稼ぎする介護事業者のトチ中野、その19歳下のダーリンこと甲斐性なしのリチャード、大道芸人のミッキー。金欠のモエも宝石にハマり、リチャードやミッキーに心がときめき…まさにカオス。ドタバタの人生劇場。

    ご両親の介護と看取り、パートナーの方を癌で亡くし、ご自身も癌となった荻野アンナさんの経験が沢山詰まった作品である。つらく、しんどい介護を笑いにまで昇華させる荻野さんの強さを感じる。後半の絵画修復の話などは、著名な画家だったお母様の作品を残そうと奮闘されている荻野さんならではのエピソードだろう。

    2頁ほどの短い場面がバラバラに、脈絡なく続くのだが、何となく最後まで読めてしまった。誰もがいつか来た道、いつか行く道。永遠に生き続けるわけにはいかない。なればこそ、いつも今を楽しみたい。それこそ人生は、うたかたなのだ。

  • 【書評】『老婦人マリアンヌ鈴木の部屋』荻野アンナ著 背後にある現実を超えて - 産経ニュース
    https://www.sankei.com/life/news/210307/lif2103070010-n1.html

    朝日新聞出版 最新刊行物:書籍:老婦人マリアンヌ鈴木の部屋
    https://publications.asahi.com/ecs/detail/?item_id=22677

  • それぞれの人の生活や思いという点が連なり線となり、他の人の線と絡み合って人生という物語が紡がれる。人は一人では生きていけないのだ。絡みたくなくても絡んで生きていく。
    細切れに、それぞれの人生のワンシーンが書かれていて寝る前に布団の中で読むのには適していました。後半特に面白く、一気に読んでしまった。

  • ちょっと不思議で面白く、現実味もある、なんとも言えないエンタテインメント。

  • ふむ

  • 最後まで読み切る事が出来なかった。
    介護についてとか、自由な生き方についてとか、どれもフワフワ触りつつ、しかし切り込まず、といった印象。どこに焦点を当ててるのかわからず集中出来ず。どこまで行っても興味が湧かないまま撃沈。
    とは言え読み切らないままなので、もしかしたら後半に読み応えあるシーンがあるやも知れぬ。感動したというレビューがあれば再挑戦してみる…かも。

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著者プロフィール

作家、慶應大学文学部教授

「2015年 『DIARY 母と庭の肖像』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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