クレイジー・フォー・ラビット

著者 :
  • 朝日新聞出版
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本棚登録 : 256
感想 : 31
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  • Amazon.co.jp ・本 (208ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784022517654

作品紹介・あらすじ

愛衣は隠しごとの「匂い」を感じる。そのため人間関係が築きにくい。小中高大、そして30歳を過ぎてからの五つの年代を切りとり、その時々の友情の変化と当時の事件を絡めながら、著者の育った年代に即した女性の成長を描く連作短編。

感想・レビュー・書評

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  • 奥田さん作品二作目。

    青春ジョーカーを前日に読んでいたのもあり、
    動物を扱っていた点や
    思春期の友情のモヤモヤを描くのが上手いなあと。
    今回は主人公が女子だったのもあり、
    こういう場面あるよな、と共感しながら読めた。

    小中高大、、と自分がしてきた経験から、
    母になって 人生で大切なことを子供の優里に教える場面がとてもよかった。

  • 隠し事の匂いをかぎとってしまう主人公。
    私はそんなの能力は無いけど、友人関係の距離感とかふと湧き立つ緊張感とか、リアルでヒリヒリした。ほぼ主人公とは同年代なので、時事的な内容とか凄くリンクして読めました。

  • するすると読めた。
    ひとと繋がるのは難しいよね。
    ものの見方も感性も各々違うから。
    だから面白いとも言えるけどね。

  • 思ったより起伏なく、読み終わった。
    多感な時期ってある、神経がピリピリむき出しになってる時期。
    大人になってもSNSとは(こうして)縁が切れない。
    依存性。。。
    勝ち負けに、こだわる姿は美しいね。
    みんな友だち、公園で初めて会っても友だち。
    次の待ってるお友だちにブランコは代わってあげましょう。
    たしかに寒気だね。
    みんなとは友だちにはなれない。
    あの時、声をかければ良かったなぁと思うことはある。

  • 「友達」とはなんなのか、自身がいろんなステージで「友達」地獄に息苦しさを感じていた少女であったことを思い出した。いつの日か、そこから逃れられるのか、という淡い期待は、大人になってあっさり打ち砕かれたことも。でも大人になったから割り切れたこともたくさんあるなと。

  • 「他人の嘘が匂いで分かってしまう」

    自分がそんな能力を持っていたらどうでしょう…!
    子ども、ましてや思春期の頃は、人と関係を築くのに苦労すること間違いなしだよね。

    愛衣がどんな大人になるのかな…?と少し心配しつつ読みました。

    物語が進むごとに、時代が移っていっている様子が描写から感じられ、なんとなく同世代の親近感を感じる(笑)

    どの章も、深いところまでは掘り下げられることなく柔らかに進み…
    ちょっぴり物足りない気もするけど、読みやすい1冊でした。

  • 嘘や秘密の匂いを嗅ぎとってしまい、友達との関係をうまく作れずにいた小学生の愛依が母になり娘を育てるようになるまで。

  • 特殊能力をもつ主人公の人生を描いた作品。人とは違う能力のせいで生きづらさを感じつつも主人公の成長を感じられる。

  • 「クレイジー・フォー・ラビット」「テスト用紙のドッグイア」
    「ブラックシープの手触り」「クラッシュ・オブ・ライノス」「私のキトゥ」
    噓や秘密を敏感に嗅ぎ取ってしまう主人公・愛衣の五つの年代を切り取った連作短編集。

    実際に起きた事件や事故、音楽などを絡めながら愛衣の成長が描かれる。

    甘酸っぱい香りが立ち込めると人の嘘に気付いてしまう。
    こんな特殊能力は悲劇だ。

    そのせいで愛衣は小学生の頃から人間関係が上手く築けない。

    愛衣の悩みは誰もが経験して来た事で懐かしさと共に苦みが込み上げる。

    だが失敗もきっと成長の糧となるはずだ。

  • クレイジー・フォー・ラビット。奥田 亜希子先生の著書。嘘や秘密の匂いがわかる主人公。嘘や秘密の匂いがわかることは便利なところもあるけれどつらいところもあるのかも。自分が信頼している人が嘘まみれ秘密まみれだったらつらいだろうし。嘘まみれ秘密まみれであることを知らないほうが幸せなこともあるし。不思議な展開と意外な結末が楽しめるクレイジー・フォー・ラビット。奥田 亜希子先生の個性を堪能できる一冊。

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著者プロフィール

1983年愛知県生まれ。愛知大学文学部哲学科卒。2013年『左目に映る星』で第37回すばる文学賞を受賞しデビュー。他の著書に『透明人間は204号室の夢を見る』『ファミリー・レス』『五つ星をつけてよ』『リバース&リバース』『青春のジョーカー』『魔法がとけたあとも』がある。

「2021年 『求めよ、さらば』 で使われていた紹介文から引用しています。」

奥田亜希子の作品

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