フェンスとバリケード 福島と沖縄 抵抗するジャーナリズムの現場から
- 朝日新聞出版 (2022年3月18日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
- / ISBN・EAN: 9784022518101
作品紹介・あらすじ
台本ありきの首相会見の内幕、合同取材でつかんだ辺野古新基地自衛隊常駐計画、「復興五輪」の名の下で行われた聖火リレーの異変など、原発と基地を押しつけられる「苦渋の地」を持ち場とする二人の記者が、取材現場の裏側をつづる。
感想・レビュー・書評
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映画「新聞記者」で描かれている現実が
加速している気が強くする。
ミャンマーのことが他人ごとでなく
アフガニスタンのことも他人ごとでなく、
良く言われることだが
気が付いた時には すでに遅し
になってしまわぬように
三浦英之さん、阿部岳さん、
宮崎園子さん、安田菜津紀さん
のような 記者さんが
特別ではなく
当たり前に活動している
そんな世の中を
私たち一人一人がもっと強く意識していかなければ
と 改めて思ってしまう
三浦さん、阿部さんたちが
つながっていくように
私たちも 私たちの隣人たちと
つながっておかなければ
と 思わせてもらった -
矛盾と欺瞞だらけの世の中に,弱体化したジャーナリズムに,失望する事ばかりの今日.
こんな気骨あるジャーナリストもいるんだよ,と少しだけホッとした.
この一冊は,その報道に寄せた心意気を一冊にまとめたものとも言える.
ネトウヨが大変に嫌う(恐れる⁈)お二人はつまり,とても強力なジャーナリストって事が改めてわかった気がする.
真実は何度も打ち負かされる.それでも最後の最後にたんぽぽの様に根を張り花を咲かせるのもまた,真実なので. -
お二人それぞれの内容が大変濃いので、スラスラ読まずにじっくり考えながら読むべきなのだが、ページを繰る手が止まらなかった。
新聞購読をやめて6年になる私がいうのもなんだが、このような気骨あふれる記者が新聞社に残って頑張り続けてほしいと思う(新聞やめておいてやっぱり言える立場ではないなぁ)。
私はこのような書籍やネット配信を読むことでで密かに応援続けよう。
安倍元首相銃撃事件の日以降、三浦さんのTwitterが更新されていない。どうしておられるのだろう。 -
首相会見がろくに機能していない中で、強制終了しようとする会見に異議を唱えて延長させたのが沖縄タイムスの阿部岳さんだというのは、この本で初めて知った。
その場の(ローカル)ルールや秩序を乱すかもしれないけど、必要な意見表明を行うことはヤジに近いと思った。 -
気分爽快である。
三浦英之を知った。阿部岳に再会した。南彰や石井暁の仕事ぶり、宮崎園子、安田菜津紀、佐藤慧、「南三陸日記」を仕事の指針とする沖縄タイムスの記者等々「呼び合う者たち」の存在に励まされる。
「客観中立」が臭う朝日新聞の読者だがオリンピックやコロナの件でも信用できないとの思いが消せなかった。
東京新聞望月記者のような人を求めていたが、まだまだジャーナリズムの現場は捨てたものじゃないと思えた本だ。