- Amazon.co.jp ・本 (278ページ)
- / ISBN・EAN: 9784022548863
感想・レビュー・書評
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p168 『黒の背景』
昔のアルバムは、写真を貼る台紙は殆どすべて黒の羅紗紙だった。モノクロームの写真を貼って、白か銀の塗料を筆先につけて、説明を書く。
糊式のアルバムより前で、あの角を三角形の紙で押さえている方式のかな。
p202 アルファベットで『スメルゴスブード』
北欧好きの画伯に誘われて、日本で言うところのスモーガスボードに行ったとき
「なるほど、スウェーデンのバイキングね」
と思ったのは、逆だった!
1958年に帝国ホテルに開業した、スメルゴスブード・レストランの名前が「ヴァイキング」
これは、当時の帝国ホテルの社長がスウェーデン風のスメルゴスブードを帝国ホテル内に開業することを決めた。
視察に赴いて、「Viking」というレストランの名前を見て、これがよいと思い名付けた。ちょうどそのころ封切られた同名映画の人気も手伝っておおいに繁盛して、これがセルフサーヴィスの食べ放題を現す一般名詞として使われているのである。
と!
サーモン、ディルつきの……また食べたい……おいしかったなあ、北欧料理。
p249 『知道・不知道』
スポーツや芸能人の離婚結婚などは自分には興味のもちようがない。
「
…略…然し、そうした情報を大切に考える人達も居る。この世の中では情報の選択が一人々々異るのであって、それで良いのである。詰まりそれが個性なのであろう。
さて、そうなると、情報の受け入れ側の能力の限界を考えると、世界に起こるどのような些細なことも知る方が良い、どんな些細な事も地球上に起こる事は何等かの連鎖反応と関係を一人々々に持っているという思想――よく誰でもが言う思想が正しいと仮定してみたところで、選択のフィルターで濾過する事が必要となれば、捨てる可き情報は捨てねばならぬ事となる。疲労や怠慢からでは無く、積極的に不必要な情報は捨てねばならなくなっているのがかえって情報時代に活きる条件なのだと思う。
数年前から「知る権利」が叫ばれるようになった。無論それは正しい事に違い無い。然し、片手落ちは不可ないのである。僕が心に確然と信じている事は、「知らない権利」もあるという事である。その事も「知る権利」とともに叫びたいと思う。
」