- Amazon.co.jp ・本 (294ページ)
- / ISBN・EAN: 9784022599063
作品紹介・あらすじ
3つの建国神話から、古朝鮮の形成、新羅の国土統一、高麗王朝の中央集権的支配、モンゴル帝国の南進、豊臣秀吉の侵略、中国冊封下で爛熟する両班(ヤンバン)支配、開国のウェスタン・インパクト、日韓併合と抵抗まで。周辺の動乱に巻き込まれながらも、ハングルなど独自の文化を保持してきた国。ユーラシア大陸の東端に突き出たこの地に、いかにして歴史が編まれたのか。2000年におよぶ歴史をひもとき、王朝交替のドラマや支配制度の理念、それがやがてはらむ矛盾を見る。地続きに接する中国の影響と圧力をどのように受け止め、海を隔てた日本とはどんな交流と争いがあったのか。半島の朝鮮と島国日本、アジアの二国の違いも見えてくる。
感想・レビュー・書評
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2019.03―読了
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すべての真に受けていいのかどうかわからないけど、おもしろかった。スルスルと読めます。
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半島の歴史の教科書ともいえる内容だ。半島の地理、風土に始まり、神話時代の古朝鮮から近代南北分断国家となる直前までを網羅している。
地図は多くないものの、その時々の事件の関係図が詳細で面白いものがあった。例えば桃山時代、秀吉が朝鮮出兵したときに、秀吉軍が行軍した経路図であるとか、江戸時代に朝鮮通信使が我が国に来た時に通った経路、日清戦争の原因になったといわれる東学農民戦争関連地図など、興味深いものがあった。
ただ、私は昨年放送大学で「北東アジアの歴史と朝鮮半島」という講座を受講したが、そのテキストと内容的にはほとんどかぶっており、目新しいものが少ないのが残念であった。
著者は済州島生まれの、いわゆる「在日」だそうだが、以前読んだ「物語韓国史」と違い、神話は神話、史実は史実ときちんと区別して記述されており、「歴史物語」とは言いながら、歴史書として十分信頼して読むことができると感じた。
筆者の著書の中に「玄界灘に架けた歴史」という文庫があるので、次はそれを読んでみたい。 -
韓国通史、入門書としてちょうどいい分量とレベル感の一冊だった。日本との関係はもとより、その時代に日本では・・・と言った説明も随所にあり、良い理解の助けとなっている。
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古代の建国神話から近代の日韓併合までの通史です。
つねに大陸(中国および北方騎馬民族)の動向によって平和を脅かされ、臣従(といっても殆どは外交上の儀礼的なもの)するか?戦うか?しかないという、朝鮮半島の独自の歴史を綴っています。
日本では朝鮮半島の歴史書は日韓併合と植民地統治、あるいは豊臣秀吉による侵略についてのものしか無いなかで、古代から近代までの歴史を通して学ぶうえで最良の一冊です。
仏教や儒教などの宗教・学問と貴族との関わり、歴代王の政治への影響、朝鮮独自の文化についても解り易く詳述され、当然海を隔てた日本との関係についても述べられています。
日韓併合へ向かう近代のところでは、感情的な人物評価が若干見受けられますが、それも一つの視点ということで、本書の価値をいささかも貶めるものではありません。
ニン、トン♪