- Amazon.co.jp ・本 (232ページ)
- / ISBN・EAN: 9784022599704
作品紹介・あらすじ
京都御所の北隣に邸を構える冷泉家は、三代続きで勅撰和歌集撰者となった藤原俊成・定家・為家の流れをくむ「歌の家」。同家の文庫蔵は、平安後期以来の写本群をこんにちまで守ってきた。通行の古典テキストは多くの部分を冷泉家伝来歌書に依拠している。もしこの蔵書群が伝わらなければ、この国が世界に誇る古典文学の様相はずいぶん異なっていただろう。冷泉家御文庫が初めて公開されてから30年、調査によって蔵書群の全貌が明らかになりつつある。俊成・定家が遺した写本はむろん、対立していた家からのものを含め、鎌倉から室町時代にかけての主要な歌書のほとんどが冷泉家に流入していた。奇跡的な偶然のたまものでもある冷泉家蔵書を分類し、その足取りをたどることは、中世の歌壇像を描き直し、文化史を叙述し直すことにほかならない。
感想・レビュー・書評
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冷泉家、定家さんすごいな。彼が文学書・日記・故実書など、膨大な範囲の写本をしていなければ、世界に誇り得る日本の古典は相当貧弱なものになっていた。「明月記」もあった! 記録・保存・管理は大切!!☆
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元貴族「羽林家」の一つである冷泉家は、千年間も歌書を守り続けている。世界に誇る宝の奇跡の真髄に触れよう。
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冷泉家になぜ対立する家の架蔵本までもが結果的に集まったのか。書誌学の立場から本がどのように伝えられたか、謎を読み解いて行く。なるほど…そういうことがあったのか。モノの歴史はモノについてどう考えたのか、考えたヒトの「おもい」が作っていくのだ。冷泉家の人々の「つたえる」ことへの熱い、篤い「おもい」なのだ。
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冷泉家になぜ対立する家の架蔵本までもが結果的に集まったのか。書誌学の立場から本がどのように伝えられたか、謎を読み解いて行く。なるほど…そういうことがあったのか。モノの歴史はモノについてどう考えたのか、考えたヒトの「おもい」が作っていくのだ。冷泉家の人々の「つたえる」ことへの熱い、篤い「おもい」なのだ。
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冷静家の蔵書は凄いな。
こういう日本の古文書をずっとこれからも大切に保管していって欲しい。それにしても日本中世時代の蔵書がしっかりあり、写本されているのには感動。日本文化は本当に素晴らしい。