街道をゆく 5 (朝日文庫 し 1-6)

著者 :
  • 朝日新聞出版
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感想 : 16
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  • Amazon.co.jp ・本 (282ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784022601759

感想・レビュー・書評

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  • 司馬遼の海外紀行は日本のそれに比して独断的人物評・民族評があまり濃厚ではない気がする。土地に対する嗅覚が日本ほど働かないのだろうけれど、人々の市井の生活への優しい眼差しを感じるのは当方の気のせいか。
    それにしてもやはり時代の流れを感じる、モンゴルとかは最早この紀行文で書かれているような場所では無さそうに思える。それが経済成長ってやつでしょうが、良いのか悪いのかはそこに住む・生きる人達が決めればそれで宜しいかと。
    最後に改めて司馬遼は戦前を生きた作家ですなぁ、やっぱり怒ってるんでしょう、第一次世界大戦頃以降の日本の所謂指導者たちに対して。

  • 1978年(週刊朝日初出1973~74年)刊行。

     探訪地は、旧ソ連のハバロフスク、イルクーツクから、モンゴルの首都ウランバートル、そしてゴビ砂漠へと。

     著者の日本史の蘊蓄がこの紀行文シリーズの多くを支えている。換言すれば、風景・景色・現地の人々や文化、食性や生活実態に対する観察眼が細やか、あるいは鋭いというのではなく、圧倒的な文献読破の量と、これを適材に想起させる叙述が、紀行文としての著者らしさを支えているのだろう。
     このことを雄弁に語る外国紀行文である。

  • 5冊目。

  •  モンゴル貴族は広大な農地を私有し、その農地にはスラヴの百姓が農奴として付属していた。この単純きわまりない国家構造は、その後のロシア人による帝国に、遺伝のように相続された(P218)元朝時代終焉と共にモンゴル人はモンゴル国(ウランバートル)へと引き上げるのだが、現代でもジンギスハーンが周辺国に与えた禍根は忘れられることはない。ロシアはいまだにジンギスハーンを公に賞賛することを好しとしていないそうだ。

  • あぁ、モンゴル。

    この人の草原への憧れは本当に伝わってくる。
    日本人の先祖なんだよ、とのモンゴル人の誇りと。

    これは行くしかないか。

  • モンゴルには特別な想いのある著者だけに、街道をゆくシリーズの中でも台湾紀行にならぶ傑作。ほんま、こんな旅行記書いてメシ食っていけたら幸せやな。

  • ツェベクマさんのことを知った本。ロシア(ソ連)について半分くらい割かれているので、初めて読んだ当時はあまり興味が持てなかったが、今読むとまた面白いかも。

  • 涙出てきた。たまらない

  •  須田さんの挿絵が改定版で省略されてしまったのは惜しい。

  • 080503(m 080521)

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著者プロフィール

司馬遼太郎(1923-1996)小説家。作家。評論家。大阪市生れ。大阪外語学校蒙古語科卒。産経新聞文化部に勤めていた1960(昭和35)年、『梟の城』で直木賞受賞。以後、歴史小説を次々に発表。1966年に『竜馬がゆく』『国盗り物語』で菊池寛賞受賞。ほかの受賞作も多数。1993(平成5)年に文化勲章受章。“司馬史観”とよばれ独自の歴史の見方が大きな影響を及ぼした。『街道をゆく』の連載半ばで急逝。享年72。『司馬遼太郎全集』(全68巻)がある。

「2020年 『シベリア記 遙かなる旅の原点』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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