- Amazon.co.jp ・本 (242ページ)
- / ISBN・EAN: 9784022601865
感想・レビュー・書評
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西塔から東塔への車道を老体に鞭打って激走した記憶も新鮮なうちに本書に手を伸ばすことに。
一時帰国の合間にまったくもって外からの後押しをもらって訪ねたこの天上の地、故郷に近いだけにもう少し自分なりの解釈というか理解度があってもよさそうなものではあったがほぼゼロであったことを認めざるを得ない。大学時代に北山側から上って坂本に降りた経験はたしかに貴重ながらも、その地を踏むことによってすれ違うことのできる様々な形での神聖さといったようなものを、当時の自分は受け取れるような知性と感受性は持ちあわせておらず、ただ踏破したことにだけ驚きと喜びを感じていた。
そんな状態でシバさんがどんな歩き方をするのだろうと興味津々で追ってみると、やはりというかまたしてもこの人の頭の中にある宇宙のスケールの大きさを三次元的なものだけではなく時空も超える形で思い知らされるのである。この方の感じ取るものを自分のようなものが感じられるようになるにはそれこそこの山中にてひたすら歩く苦行でも敢行しない限り無理なのではないかと。
「お遍路」の対極は奇しくもふるさとの裏山からたどっていけるものだったのだということを再認識させてくれたこの本書に対し、改めて敬意を表さずにはいられない。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
比叡山のイメージが若干修正された感じ、また最澄の記録が結構はっきり残っていることにも驚き。
でも高野山といい、山岳に拠点を設けたのは、それまでに存在していた原始信仰の影響もあるんでしょうかな?
高野山も叡山も天気があまり良くない時に行ったなぁ、天気が良い時、かつ、リタイア後に再訪問しようかしら。 -
2013.06.26 読了
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「街道をゆく」シリーズにはまるきっかけになった一冊です。比叡山の空気のように文章が清冽で、シリーズ中でも完成度の高さは随一だと思っています。叡山に行きたくなる紀行です。(mixiソーシャルライブラリーから転記・修正)