ものがたり水滸伝 (朝日文庫)

著者 :
  • 朝日新聞出版
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感想 : 3
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  • Amazon.co.jp ・本 (368ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784022602534

感想・レビュー・書評

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  • 抄訳である。

    短い七十回本を底本としているとは言え、あの長い水滸伝の
    物語を、文庫一冊でまとめてしまおうというのだから、とに
    かくやたらめったら物語が早く進む。これ以上飛ばすことは
    出来ないだろうと思われるくらいのトップギアで、好漢たち
    がバンバン出会う。おそらくは水滸伝の入門編として書かれ
    たのであろうが、あまりに飛びすぎるので、この本を読んで
    水滸伝に入門したとするのは大きな問題があると言わざるを
    得ない。その魅力の十分の一も伝わらないのではないかと
    危惧してしまう。

    かといってこの本に価値がないわけではない。役職の説明や
    綽名の謂われ、当時の社会情勢など、現代の視点で施される
    解説がとにかく絶妙なので、水滸伝を幾度か読んだ人間が
    「復習」として読むのにこれほど適した本はないだろう。
    私の手元には駒田信二訳の講談社文庫版、岩波の完訳版を
    はじめ、柴田錬三郎版、津本陽版、杉本苑子版、そして
    北方謙三版、平谷美樹版と様々な水滸伝(もちろん爆笑─や
    漫画もたくさん(笑))があるのだが、この一冊も手元に置く
    ことにしよう。

  • (1996.03.04読了)(1983.07.15購入)
    (「BOOK」データベースより)
    竜虎山麓伏魔殿から煙となって散った百八魔王は、六十余年後、梁山泊に拠って腐敗しきった権力を敵に暴れ回る。豪勇義侠の士が繰り広げる血と汗と涙の壮大なロマン。中国古典の世界を、わかりやすく、面白く語り直す「ものがたり」シリーズ第一弾。

    ☆陳舜臣さんの本(既読)
    「ものがたり史記」陳舜臣著、朝日文庫、1983.07.20
    「ものがたり唐代伝奇」陳舜臣著、朝日文庫、1983.07.20
    「西城余聞」陳舜臣著、朝日文庫、1984.05.20
    「中国の歴史 一」陳舜臣著、平凡社、1986.04.25
    「中国の歴史 二」陳舜臣著、平凡社、1986.04.25
    「琉球の風 一」陳舜臣著、講談社、1992.09.24
    「琉球の風 二」陳舜臣著、講談社、1992.10.14
    「琉球の風 三」陳舜臣著、講談社、1992.11.05

  • 陳舜臣の水滸伝です
    元本は第70回まである長い小説ですが、思い切って抄訳しています
    さらっと読めるので水滸伝入門としてオススメです

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著者プロフィール

1924年-2015年。神戸市生まれ。大阪外国語大学印度語部を卒業し、終戦まで同校西南亜細亜語研究所助手を務める。61年、『枯草の根』によって江戸川乱歩賞を受賞し、作家活動に入る。その後、93年、朝日賞、95年には日本芸術院賞を受賞する。主な著書に『青玉獅子香炉』(直木賞)、『玉嶺よふたたび』『孔雀の道』(日本推理作家協会賞)、『実録アヘン戦争』(毎日出版文化賞)、『敦煌の旅』(大佛次郎賞)、『茶事遍路』(読売文学賞)、『諸葛孔明』(吉川英治文学賞)、『中国の歴史』(全15巻)などがある。

「2018年 『方壺園 ミステリ短篇傑作選』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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