人生には何ひとつ無駄なものはない (朝日文庫)

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  • 朝日新聞社
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  • Amazon.co.jp ・本 (299ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784022614759

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  • 「人生には何ひとつ無駄なものはない」
    遠藤周作 著

    1.本書から。心に留めた文章。
    ①挫折
    敗れた自分を素直に認め、再起を図るためのプロセス。
    ②孤独
    滅入ったときには、孤独になること。
    本を読んだり、自分に向き合うことが機会となる。

    ただしいことが絶対ではない。
    ④老い
    老いていくことで、言葉では表現しづらいものに心を傾いていく。
    ⑤自己認識
    自己認識が、人間の為す行為のなかで、一番難しいかもしれない。
    ⑥真実
    事実の世界にのみ生きているわけではない。
    事実のなかに、自分だけの真実を探し、それによって生きている。
    ⑦転化
    自己の嫌なところ。転化させること。

    2.こんな方におすすめかもしれません
    自分を、遠目から離れてみてみたい。。。
    少し、なんか、疲れているかも。。。
    そんなにやる気を出したくない。。。
    自然な気持ちに戻るきっかけがほしい。。。

  • 祖父の本棚からもらってきた本。
    共感できる言葉、勉強になる言葉、自分を戒めてくれる言葉などたくさんあった。
    全部挙げればキリがないので、いくつかだけ挙げたい。この一冊を何度も読み返したい。

    「我々の人生というものは、自分が選ぶ状況と、自分の意志とは関係なく与えられた状況がある」

    「我々の人生のどんな嫌な出来事や思い出すらも、ひとつとして無駄なものなどありはしない。無駄だったと思えるのは我々の勝手な判断なのであって、もし神というものがあるならば、神はその無駄とみえるものに、実は我々の人生のために役に立つ何かを隠しているのであり、それは無駄どころか、貴重なものを秘めている気がする」

    「我々の人生には絶対的なものなどありはしないということにつきる。」

    「たとえばあなたの細君の人生で、あなたは彼女の重要な傍役である。あなたの友人の人生にとってあなたは決して主人公ではない。傍をつとめる存在なのだ。」

    「また心配事が増えたぞ。生きていることには心配の連続の部分がある。」

    「自分がいつも正しい、正義漢だと思っている人というのも、知らず識らずのうちに傲慢という罪を犯していると思います。なぜかというと、自分が正しいと言う気持ちは、必ず他人を裁こうとします。つまり、人を裁こうとする気持ちというのは、自分が裁く相手の心の悲しみとか寂しさということが、よくわかっていないことなのです。」

    「愛慾は相手の自由をうばい、自分も深く傷つける。しかし愛はその逆になる。」

    「教育とは結局、自分が自分にすることだなあ、と考える。そして、どんな環境にあってもそこから自分を教育するコヤシは見つかるのだなあ、とも思う。」

  • あーだこーだとうだうだしているなら、遠藤周作作品を読みなさい。

  • 自分の視点がいかに狭いかを感じました。遠藤周作さんの様々な人生経験からの珠玉の言葉が心に刺さりました。
    物事には両面があり、その両方ともいい面も悪い面もある、表題も両面性のあるものが多かったように思います。人生の節目で読むと、今とは全く違う部分の文章がしみ込んでくると思いました。何回も読むべき本です。

  • 何かに迷ったとき、またこの本を開こうと思った。

  • 若い頃に作者の本を好んで読んでいたことを思い出し、今の生活に作者の言葉が影響していることを感じた。
    正しいことは絶対ではないということ、宗教に関する考察など、いろいろと自分の考えに共鳴する部分やフレーズが多く、改めて作者の本を読みたくなった。

  • ドッグイヤーつけすぎてどこから書いていいのやら。
    それくらい大事なセンテンスと言葉の宝庫でした。
    遠藤周作は少し難しめに表現するけど現代の選書を五冊くらい読むに値する内容かと思う。

    帯では阿川佐和子さんも推薦してた。

  • 遠藤周作のさまざまな作品から、人生、愛、宗教などについて書かれた文章を集めた本。
    本当にいい言葉がたくさん詰まっていて、老若男女どんな人が読んでも何かしら心に響くものがあるのではないでしょうか。
    ところで、この本と「このムダな努力をやめなさい」という本を重ねて置いていたら家族に「それでムダなものはあるの、ないの?どっち?」と聞かれてしまいました。

  • 『何ひとつ無駄なものはない』と言える境地に至った遠藤周作氏の目に見えないものへの境地、そこに生きる意味を微かに見いだすヒントがあるのではないか?

  • 遠藤周作さんの作品から、名言ばかり集めて編集された1冊。

    人生に悩んでいるときにヒントになる言葉がたくさん詰まってます。

    『滅入ったときは、孤独になりなさい。そして孤独のときの対話はやっぱり本や芸術です。』

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著者プロフィール

1923年東京に生まれる。母・郁は音楽家。12歳でカトリックの洗礼を受ける。慶應義塾大学仏文科卒。50~53年戦後最初のフランスへの留学生となる。55年「白い人」で芥川賞を、58年『海と毒薬』で毎日出版文化賞を、66年『沈黙』で谷崎潤一郎賞受賞。『沈黙』は、海外翻訳も多数。79年『キリストの誕生』で読売文学賞を、80年『侍』で野間文芸賞を受賞。著書多数。


「2016年 『『沈黙』をめぐる短篇集』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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