- Amazon.co.jp ・本 (462ページ)
- / ISBN・EAN: 9784022616036
作品紹介・あらすじ
記者としてアフリカに暮らした著者が、アフリカ全土を縦横無尽に歩き、現地の食を食べながら、等身大のアフリカの姿を描く。「食べる」「寝る」という当たり前の行為を通して社会や文化の姿を浮き彫りにし、異文化との出会い、異文化理解のひとつのあり方を提示する。
感想・レビュー・書評
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おもしろかった。おすすめ。内容が濃い。
学問としての社会や世界史に興味がなかったが、食と異文化のことから入っていけるのですんなり理解できた。
「人間は草を食べない」というところだけ??となった。
植民地とか人種差別とか政権の腐敗とか、途中ちょっとしんどいけど読むべき。
国際援助の好例と失敗例も少し載ってるので、政治家とかなんか支援したい人とかにも読んでほしい。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
サバンナの太陽の下でマサイの若者と「ヤギの骨の髄」。トウモロコシ粉を熱湯でこねて、団子程度のかたさに練固め、ちぎって煮込み汁につけて食べる、東アフリカの主食「ウガリ」。ヤギのあたままるまんまゆでた、目玉がごちそうの、「スコップ」一家族が一日に使える水はバケツ一杯のトンブクトゥ。虐殺の歴史が、飲み物は客の前で栓をぬくか毒味してから出す習慣となったルワンダ。。会社が禁煙なので、お店での水タバコタイムがゆるされてる、エジプトのある会社。、気持ち悪くないの?の問いに渡辺満里奈が答えた「いいえ。だって、ここの人たちが食べているものですから」という言葉に集約されるように、置かれた現状、今までの歴史的経緯、気候、風土、気質などによって、それぞれ違うものを食し、習慣を有し、宿とし、住処としているだけで、本来どちらが上で下で、進んで遅れてというものでなく、ただ、違うことを受け容れるしかないんだと思う。独立して三十五年、何もいいこと無かった、植民地時代のほうが安心してくらせた、というチャドの女性の言葉の重さ。ただ(無料の)援助の罪深さ、それを知恵を働かせて、自分たちの懐からローンで買わせ、修理の方法を教え、教育することで、農機具、機械をメンテして長く使えるようにしたケースも紹介され。またサファリの「水を飲んでいる動物を驚かさないでください」の看板の裏に「酒を飲んでいる人間を驚かさないでください」と書くユーモアも。
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「アフリカを食べる」だけ読んでやめてしまいました・・・。
アフリカという場所が僕にはとても魅力的なので、著者がみた「アフリカ」を知るのもまた面白くて、読んでいました。
が、一番伝えたかったであろう部分について、著者が想像したことによって書かれていることが多いし、話がよく飛ぶので、あんまり説得力がなかったと思いました。
それと「なんともいえない」とよくかいていたけど、新聞記者なんだし、そう言わずに表現してほしいと思いましたw -
タイトルの通り、著者がアフリカで体験した食べたもの、寝るところに関する短いエピソードのエッセイ(というかノンフィクションなのかな)。
最初は「なんか一方的な見方」と感じてたんだけど、読み進むうちに、そんなことは無いことに気づく。
むしろ、偏見があると感じた自分の心に偏見があるのだろうと。偏見を恐れるあまり「わかったような気になってしまう」ところがあるんだろうなぁと気づいた。
たとえ偏っていようとも、感じたことを書き、体験してみて、それを素直に表現する本書は実に面白かった。
そして面白いといえぬほど、アフリカは凄いところなんだろうな。(先日読んだ天の方舟に書かれていたODAの汚染についても考えさせられた) -
南雲先生おすすめ
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『カラシニコフ』、『アフリカ・レポート』など深刻化するアフリカの問題について書かれた本の著者である元朝日新聞記者の松本仁一さんのやや肩の力を抜いたエッセイ集です。ジャーナリストとして長期に渡りアフリカに住み、飛び回った著者が、アフリカでの食事や宿泊をテーマにして書きつないでいます。
結構、無茶をしているようですが、こうでないといけないのでしょうね。
『カラシニコフ』、『アフリカ・レポート』を読んだ上で読むと、あらためて著者のアフリカに対する思いが伝わってくる気がします。