アフロ記者 (朝日文庫)

著者 :
  • 朝日新聞出版
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感想 : 5
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  • Amazon.co.jp ・本 (216ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784022619983

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  • 著者が「朝日新聞に記者として在籍していた28年のうち、50歳で退職する直前の3年間に書いたコラムを中心に再録した」書。「ザ・コラム」、「社説余滴」、「葦」(大阪本社夕刊掲載)等を収録。著者が自分に課したルールは「本当に心から、それもゲロを吐くほど心から言いたいことだけを書く」ということ。

    内容的には、著者の他書と重複している。というか、記者時代から実践してきた節電生活や断捨離を(自らをさらけ出す形で)コラムに書き、その後本にまとめたという流れなので、本書を先に読んでおくべきだったのかも。その中で、「第3章大阪社会部デスクからみた橋下現象」と「第4章それでもマスコミで働きたいですか」はなかなか読みごたえがあった。

    第3章の「本当に想定しなくてはいけない読者は、朝日新聞的リベラルな主張を、ウソっぽい、あるいは嫌いだと感じている、世の中の9割の人たちだった」は、自己反省として潔い。

    第4章で語られているマスコミ凋落論、真実を突いている。高度経済成長期のマスコミの役割は、ガス抜きとしての「反権力」で、それに安住しきったマスコミは時代の変化とともに凋落。「成長が終わり落ち目になった日本では、誰もが「いつまでも報われない」怒りを抱え、どこかにいる犯人を探して」バッシングする時代となったが、それに迎合するマスコミに未来はない。自分の思いをぶつける「必死の記事」を書け、というメッセージ、マスコミで働く多くの人に届いて欲しいな。

  • 魂の退社、寂しい生活と読み進み、アフロ記者の原点を知りたいと思って手に取ってみる。なるほどこういう人だったか。いろいろなものを捨てていき、でもどうしても捨てられなかった「書くこと」。その煩悩のお陰で稲垣さんの文章を読める幸せ。あとがきで池上彰が述べていましたが、まさにその通りと実感。

  • 面白くて読みやすい。
    橋下徹
    冷蔵庫なし生活

  • ・人生は案外と小さな偶然に翻弄されて転がっていくものです。自分の意思でコントロールできることなど、たかが知れているのかもしれません。
    ・傷ついた人が、傷ついた人を支えるのだ。
    ・もし人生に行き詰まったら梅干しに挑戦を。
    ・いや不思議なものだ。いろんなモノをなくしてみたら、ふだん「ない、ない」と思ってきた時間がどーんと現れる。
    ・いま世の中は閉塞し、人々は罵り合い、傷つけあい、分捕りあっているばかりのように見えるけれど、本当にそれが人の本質なのだろうか?
    ・私たちはもしかして、思い込みの世界を生きているのではないでしょうか。
    ・何が事実かよりも「何を事実と信じるか」ということが意味を持つようになったのだ。

  • 岐阜聖徳学園大学図書館OPACへ→
    http://carin.shotoku.ac.jp/scripts/mgwms32.dll?MGWLPN=CARIN&wlapp=CARIN&WEBOPAC=LINK&ID=BB00602535

    記者として28年間過ごした新聞社を退職後も、「書く」ことに向き合い続けるアフロ記者。どうしたら人とつながる記事が書けるかと苦闘する日々は変わらない。記者として書いてきたこと、退職したからこそ書けたことをつづった一冊。
    (出版社HPより)

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著者プロフィール

一九六五年、愛知県生まれ。一橋大学社会学部卒。朝日新聞社で大阪本社社会部、週刊朝日編集部などを経て論説委員、編集委員を務め、二〇一六年に五〇歳で退社。以来、都内で夫なし、子なし、冷蔵庫なし、ガス契約なしのフリーランス生活を送る。『魂の退社』『もうレシピ本はいらない』(第五回料理レシピ本大賞料理部門エッセイ賞受賞)、『一人飲みで生きていく』『老後とピアノ』など著書多数。


「2023年 『家事か地獄か』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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