アムンセンとスコット (朝日文庫)

著者 :
  • 朝日新聞出版
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  • Amazon.co.jp ・本 (344ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784022620583

作品紹介・あらすじ

人類未踏の地が極点一帯を残すのみとなった20世紀初頭。南極点到達に向けて、ノルウェーのアムンセン隊とイギリスのスコット隊が出発した。敗れた側が帰途に全員遭難死するという悲劇的結末を迎えた史上最大のレースは、なぜそうなったのか。勝った側と負けた側を同時進行的に追う。(解説は山口周氏)【目次】はじめに1宿命の対決2極地とは3二人の生い立ち4南極大陸へ5前哨戦6「その前夜」の越冬7南極点への旅立ち8山岳地帯を越えて9アムンセンの勝利10スコットの敗北11アムンセン隊の大団円12スコット隊の悲劇13二度目の春14アムンセンの遭難

感想・レビュー・書評

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  • 本多勝一『アムンセンとスコット』朝日文庫。

    何年か振りに読む本多勝一のノンフィクション。ノルウェーのアムンセン隊とイギリスのスコット隊による南極点到達を争う史上最大のレースを2つの隊の行動を同時進行で描く。

    貴重な写真が多数掲載され、臨場感あふれる非常に面白いノンフィクションだった。読み進めれば、偉大なる二人の探検家のそれまで歩んで来た人生の違いにも触れ、同じ目標に向かうプロセスを明確にしながら、勝者と敗者となった原因を浮き彫りにしている。

    20世紀の初頭に前人未到の南極点到達を目指した二人の探検家。イギリスのスコット隊が南極点に向けて出発するとそれから2ヶ月遅れてノルウェーのアムンセン隊が南極点を目指して出発する。

    アムンセンが選択した船舶と南極に向かう航路が妥当だったことから2ヶ月の差は見る間に縮まり、アムンセン隊とスコット隊はほぼ同時に南極に到着する。その後、南極点を目指すが、極地研究と極寒冷地対策、デポや南極点への到達手段や方法、創意工夫と知恵、隊長の決断が2つの隊の明暗を分けることになる。

    事前の準備と的確な判断により大きな問題も無く、人類初の南極点に到達し、帰国後は英雄扱いされたアムンセン。アムンセンに遅れて、何とか南極点到達を果たすものの帰途に全員が遭難死するという大きな悲劇に見舞われたスコット。しかし、敗者となったスコットもアムンセンと同じ英雄なのだ。

    本体価格990円
    ★★★★★

  • 本多勝一(1932年~)氏は、長野県生まれ、千葉大学薬学部卒、京大農学部卒、朝日新聞社に勤務した、新聞記者・ジャーナリスト・作家。京大在学中に山岳部に所属し、今西錦司、梅棹忠夫等から探検やフィールドワークのノウハウを受け継ぎ、ヒマラヤ遠征などを行う。朝日新聞社入社後も、国内外各地の現地を行い、『極限の民族』三部作(『カナダ・エスキモー』、『ニューギニア高地人』、『アラビア遊牧民』)、ベトナム戦争、アメリカにおける黒人やインディアンの問題などの様々なルポルタージュを発表し、注目を集めた。『日本語の作文技術』(1976年出版、1982年文庫化)は、続編を含めて累計発行部数100万部を超えるロングセラーとなっている。菊池寛賞等を受賞。(尚、本多氏の政治スタンス及びそれに基づく様々なコメント等については、本書とは無関係なので、ここでは問わない)
    私はアラ還世代で、ノンフィクション系の本はよく読むものの、本多氏(の著作)についてはこれまで触れたことがなかったのだが(意識して避けていたわけではない)、少し前に、角幡雄介氏の『新・冒険論』の中で、本多氏の冒険論こそ日本の冒険論の嚆矢、と書かれていたのを見て、本多氏の作品を読んでみたいと思っていた。また、私はこれまで、チェリー・ガラード『世界最悪の旅~スコット南極探検隊』、シャクルトン『エンデュアランス号漂流記』、ツヴァイク『南極探検の闘い』や、角幡氏の『アグルーカの行方~129人全員死亡、フランクリン隊が見た北極』などを読んで(極地)探検には関心があり、新古書店でたまたま本書を目にし、読んでみた。
    本書は、題名の通り、20世紀初頭に南極点初到達を巡って繰り広げられた、ノルウェーのアムンセン隊とイギリスのスコット隊の大レースについて、なぜ、アムンセン隊が勝ち、スコット隊が敗れた(しかも全員が遭難死した)のかを、両隊の状況を同時並行的に記述して、考察したもので、『本多勝一集 第28巻 アムンセンとスコット』(1999年)の前編「アムンセンとスコット」の初めて文庫化である。
    読み終えて、私は上記の通り、ガラードやツヴァイクの書いたものは読んでいたので、スコット隊の様子は知っていたものの、それをアムンセン隊と対比すると、ここまで明確に勝ち負けの要因がはっきりすることに少々驚いた。本多氏が本書を書いた主たる目的が、勝敗の分析にあるので、それが明確に浮き上がるのは当然のことなのだが、こうした競争には必ず勝者と敗者がいるのだということを強く再認識させられた。
    勝敗の要因については、アムンセンが根っからの極地探検好きだったのに対し、スコットは海軍出身で隊長に任命された立場であったこと、アムンセンが徹底した事前調査に基づき完璧な計画を立てて遂行したのに対し、スコットはしばしば感情に流されて計画を変更したこと、また、技術的には、アムンセンが犬ぞりを主力としたのに対し、スコットは馬ぞりを使ったこと(これもいわば事前調査・分析の差だが)などがあるのだが、本書では、コンサルタントの山口周氏が解説を書いており、次のような分析をしている。一つは、「マネジメントの側面=権力格差(リーダーとメンバーの間の権力の差)の大小」で、アムンセン隊はこれが小さかったのに対し、スコット隊はこれが大きく(スコットが隊長になった経緯から当然と言えるが)、南極探検という不確実性・不透明性の高い環境においては、前者のようなリーダーシップが有効だったという。もうひとつは、「パーソナリティの側面=内発的動機の有無」で、これは上述したように、南極探検に関しては、アムンセンが「内発的動機により、夢中になる人」であったのに対し、スコットは「外発的動機により、一生懸命頑張る人」であり、「頑張る人は夢中になる人に勝てない」ということを示しているという。なるほどである。
    二人の勝負は、確かにアムンセンの完勝に終わったのだが、後の記録や作品については、寧ろスコットに関するものの方が多いと思われ、歴史が敗者に優しかったことは救いといえるのかも知れない。
    (2024年4月了)

  • 2023年の1冊目。昔、小学校か中学校の教科書で、アムンセンとスコットの話を読んだ気がする。本書は同時並行的に二人の南極点への冒険を追いかけるノンフィクション。

    用意周到でスムーズに冒険を遂行するアムンセン隊と、やや場当たり的で、次々と想定外の困難に遭遇し、最後は全滅してしまうスコット隊。あまりに対照的な両者の物語は、組織のありかた、リーダーシップなどについて、多くの示唆に富んでいる。中でも、解説で山口周さんが指摘しているように、一生懸命頑張る人(スコット)は、夢中になる人(アムンセン)には勝てないという点が印象的だった。内発的動機(好奇心や衝動。「冒険が好き」)は、外発的動機(評価や賞罰。「軍で抜擢された優秀な隊長」)よりも強いということ。

  • 冒険研究所書店の選書の一冊。

    南極点到達をかけ、国を背負って究極のレースに挑んだ二人の探検家。

    アムンセンとスコット

    片方は全員生還を果たし世界の英雄となり、もう片方は全員遭難死する。

    アムンセンは当初北極をめざしていたが、アメリカのピアリーが北極点に到達すると知ると、急遽目標を南極点に変え、スコットを驚かせる。

    アムンセンは子供のころから極点到達の冒険家になることを目標にしており、生活のすべてを極点到達に費やしていた。

    スコットは英国の英雄として数々の実績を積んでおり、職業探検家として国を背負って南極点に挑む。

    本書は両隊の行程を並行して記述しており、章立てはドキュメンタリーを見ているかのように進む。

    目標を達成するためにすべてを考え、実行するアムンセンのリーダーシップと信念は素晴らしい。

    しかし、私の探検家ナンバーワンはアーネスト・シャクルトンという気持ちに変わりはない。

  • 1. 宿命の対決
    スコットの出航
    オスロのアムンセン
    アムンセンの挑戦
    スコットの驚き
    2. 極地とは
    北極と南極
    極地の探検史
    3. 二人の生いたち
    アムンセンの生いたち
    すべては極地探検のために
    アムンセンの最初の南極探検
    北西航路
    海軍出身のスコット
    スコットの最初の南極探
    4. 南極大陸へ
    スコット隊テラノバ号の航海
    アムンセン隊フラム労の航海
    暴風圏―地獄の海
    ロス海の大氷壁
    スコット隊の基地
    アムンセン帯の基地
    5. 前哨戦
    テラノバ号、フラム号に会う
    ムンセンのテラノバ号訪問
    スコット隊のデポ作戦
    アムンセン隊のデポ作戦
    馬か犬か
    実力の差
    6. 「その前夜」の越冬
    スコット隊の越冬生活
    アムンセン隊の越冬生活
    冬至の夜
    「世界最悪の旅」へ
    クロージャ岬
    皇帝ペンギンの繁殖地
    冬の終わり/アムンセン隊、出発して引き返す
    スコット隊も活動開始
    7. 南極点への旅立ち
    アムンセン隊の出発
    アムンセン隊、南緯80度着
    スコット隊の先陣四人、動カソリで出発
    アムンセン隊、南綽81度着
    スコット隊の本隊10人、馬で出発
    アムンセン隊、南緯82度着
    スコット隊の後発二人、犬ゾリで出発
    アムンセン隊、南綽85度着
    スコット隊、80度32分に全員集合
    犬の運命
    馬の運命
    8. 山岳地帯を越えて
    アムンセン隊、クイーン=モード山脈へ
    氷河を越えて
    24匹の犬を処分
    「肉屋さん」デポでの休息
    猛吹雪をついて
    「悪魔の氷河」を登る
    スコット隊も氷河登りへ
    犬ゾリも失って人カソリに
    9. アムンセンの勝利
    シャクルトンの緯度を越える
    最後のデポ
    その前夜
    南極点に立つー1911年12月14日午後3時
    成功祝い
    極点包囲
    さらば南極点
    10. スコットの敗北
    第一帰遠隊四人が引き返す
    水兵エバンズのけが
    最後の人選
    第二期艦隊三人との別れ
    アムンセン隊の足跡を発見
    南極点での絶望ー1912年1月17日
    「哀れなユニオンジャック」
    11. アムンセン隊の大団円
    快調の帰り逍
    大氷床のオオトウゾクカモメ
    基地への凱旋
    白瀬隊、クジラ湾上陸
    開南丸とフラム号の交歓
    いざ故国へ
    12. スコット隊の悲劇
    第二帰還隊の苦闘
    希望なき行進の始まり
    燃科の欠乏
    ウイルソンの人柄
    死線をさまよう五人
    エバンズの死
    「どうか神助が...... 」
    最終的解決の方法
    オーツの自殺
    全滅
    13. 二度目の春
    希望なき冬へ
    捜索隊による遺体発見
    スコットの絶箪
    テラノバ号の帰還
    スコットの手紙
    14. アムンセンの遭難
    アムンセン、ふたたび北氷洋へ
    飛行艇による探検
    日本へ来たアムンセン
    飛行船による北極海初横断
    アムンセンの遭難

  • 巻末の山口周さんの解説にあるように組織とリーダーシップを学ぶのに最良のケースに思える。
    南極点初到達という人類が経験したことのない究極の状況でアムンセンがどのような準備と決断をし勝ったのか。一方でスコットの敗因は何だったのか。組織マネジメント、リーダーシップ、リーダーのパーソナリティという面から読み込んでいくと非常に面白い。

  • 人類未達の地球の真下である南極点の初到達を競う2カ国の探検隊。
    物語の舞台はまだ飛行機もない100年前の南極の物語であり、書籍の原書が発売されたのも30年前のものであるが、宇宙に民間人も行く2022年の時点でも冒険の興奮・焦り・危機感をリアルに感じられた。

  • ほんの些細な決断の違いが大きな結果の違いになる。それを南極点到達という過酷な実例をもって描いていることで、説得力が増している。

    探検ものとも言えるし、チームビルディングやマネジメントのケースワークとも言える。

    なんにせよ、南極の冒険がらどんなものだったのか、ほんの少しだけイメージできるようになった。

  • 我慢するのが美徳だと思っている日本人どんまい

    自分らの基準で残酷だ野蛮だちゅーのは危険
    異民族との接触が少ない歴史をもつ日本人の弱点

    えーエスキモーが自殺なんて絶対やめてほしい
    そういうのめっちゃ無縁そうなのに自殺者数が日本の30倍てやばすぎ
    レーダー基地の人間とかもうエスキモーのためを思うなら一切関わらないでほしいわ

    こんなすごい文化がまもなく地球上から消える運命なんて悲しみ

  •  しあし、権力格差の大小はどのようにしてチームのパフォーマンスに影響を与えるのでしょうか? 南カリフォルニア大学の組織心理学研究者、エリック・アニシックは、過去五〇年分、五六カ国のエヴェレスト登山隊(計三万六二五人)のデータを集め、登山隊の出身国の権力格差と遭難事故の発生率について調査しました。この結果から、権力格差の大きい文化圏の登山隊の方が、他方の登山隊と比較して、死者が出る確率が著しく高いということが明らかになりました。ちなみに単独登山の場合、死亡率と権力格差になんの相関も見られません。これはつまり、死亡率の格差は、国別の登山技術や体格ではなく、純粋に組織的要因によって生まれるということです。
     権力格差の大きいチームでは、地位の低いメンバーが発言を封じられることで、彼らの発見、あるいは懸念、あるいはアイデアが共有されず、結果的に意思決定の品質が悪化するのです。これは、想定外のことが次々に起き、リーダーの認知能力・知識・経験が限界に晒されるような環境下では致命的な状況と言えます。
     一方で、アシニックの研究で非常に興味深いのは、
    想定外のことが起きないような安定的な状況においては、権力格差の大きさは、むしろチームのパフォーマンスを高めることがわかってます。そのような状況では、リーダーの意思決定が上位下達され、一糸乱れず実施される組織の方がパフォーマンスが高いのです。これはつまり、リーダーの認知能力や知識・経験の範囲内で対処が可能な状況においては、権力格差の大きさはチームのパフォーマンスにプラスの影響を与えるということです。
     よく「理想的なリーダーシップ」といったことが語られますが、そんなものは存在しません。リーダーシップというのは極めて文脈依存的なもので、どのような状況・環境においても有効に機能するリーダーシップなどというものはあり得ないのです。
     アムんセンとスコットの対比に関して言えば、アムんセンによる、権力格差の小さいリーダーシップは、南極点到達という、極めて不確実性の高い営みにおいては有効に機能し、一方のスコットによる、権力格差の大きいリーダーシップは、有効に機能しなかったわけですが、だからといってここから「どのような状況においても権力格差の小さいリーダーシップが有効なのだ」と断ずるのは暴論でしかありません。
     この示唆を、現代に生きる私たちに当てはめてみればどのようになるでしょうか? 当時の南極は、前人未到の大地であり、そこがどのような場所であるかはよくわかっていませんでした。それはまさに、現在の我々にとっての「これからやってくるアフターコロナの世界」のようなものです。このような不確実性・不透明性の高い環境において有効なリーダシップとはどのようなものか? について考える題材を本書は与えてくれると思います。

     次に「アムンセンとスコットの圧倒的大差を生み出した要因」についての二つ目の点、すなわち「パーソナリティの側面=内発的動機の有無」について述べたいと思います。
     内発的動機というのは「好奇心や衝動、内側から湧き出る感情によって喚起された動機」ということです。一方、たいち概念となる外発的動機というのは「評価や賞罰等、外側から与えられた刺激によって喚起された動機」となります。言うまでもなく、本書の文脈で言えば内発的動機の持ち主がアムンセンであり、外発的動機の持ち主がスコットということになります。別の言葉で表現すればアムンセンは「夢中になる人」であるのに対して、スコットは「一生懸命頑張る人」ということになります。そして、これまでになされた数多くの動機に関する研究は「頑張る人は夢中になる人には勝てない」ということを示しています。本書は、この命題を詳細に説明する事例として非常に優れたものだと思います。
     アムンセンは、同じノルウェイ出身の探検家フリチョフ・ナンセンによるグリーンランド横断に感動して、十六歳の時に探検家になることを決意しています。その後は、ありとあらゆる探検記を読み耽って成功・失敗の要因を分析する等、知識レベルでの研鑽を積み重ねる一方で、極地の寒さに体を慣らすために真冬に窓を開け放って寝たり、あるいは極地で必須となるスキーや犬ぞりの技術を身につけたりといった身体レベルでの研鑽を積み重ねており、人生のあらゆる活動を「極地探検家として成功する」という目的のために一分の隙もなくプログラムしていきます。
     一方、スコットはもとから告知探検に興味を持っていた人物ではありません。スコットはもともと提督になることを夢見て海軍に入隊しています。おそらくは謹厳実直で非常に優秀な人物だったのでしょう、知り合いの有力者から「南極探検の隊長に最適の人物」と推挙され、おそらくは本人もその抜擢が海軍での出世のチャンスになると考えたと思いますが、最終的にこれを引き受けてあむんせんと争うことになります。
     このくだりはさらりと読み過ごしてしまいそうな箇所ですが、私は非常に切ないものを感じるのです。というのも、南極探検の太陽を引き受けて欲しいというオファーに対して、二日間これを預かったのちに、引き受ける旨の返事を出しています。この「二日間」という微妙な時間に、スコットという人物の優柔不断さがよく出ていると思います。もとから極地探検のような営みへの志向性を持った人物であればその場でそ即答したことでしょう。
     こういった抜擢人事は現在の企業においてもよく見られます。多くの企業において「未踏の領域へと踏み出すイノベーションプロジェクト」のリーダーは、それまで高い実績を出してきた謹厳実直で優秀な人材が抜擢されます。そして、これまでのイノベーションの歴史が明らかにしてくれているように、このようにして抜擢された「頑張る人」は内発的同期に駆動された「夢中になる人」には結局、勝てないことが多いのです。
     しかし、なぜ「頑張る人は夢中な人には勝てない」のでしょうか? 本書を読めばその答えはよくわかると思いますが、一言で言えば「夢中な人」と「頑張る人」とでは「累積の思考量が全く違う」のです。特にこのケースの二人を比較してみれば、アムんセンは一〇代からすでに極地探検になるための知識の蓄積・t実地の体験を積み重ねてきたのに対して、スコットは南極探検隊隊長のポジションを打診されてから、言うなれば付け焼き刃的に知識やスキルを詰め込んだに過ぎません。このように比較してみれば、二人の累積思考量の違いには天と地ほどの開きがあったことでしょう。この思考量の違いが最終的に大きなパフォーマンスの違いになって現れるのです。

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