共依存――苦しいけれど、離れられない[新装版] (朝日文庫)

著者 :
  • 朝日新聞出版
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感想 : 7
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  • Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784022620781

作品紹介・あらすじ

DVやアルコール・ギャンブル依存、引きこもりの息子と母、いつもダメ男を選んでしまう女性……。問題を起こす人を抱え込むことは愛であったはずなのに、なぜ事態は悪化してしまうのだろう。家族関係に困ったとき、「共依存」という言葉は解決のためのヒントを与えてくれる。新装版に寄せて、田房永子氏が解説を寄稿。

感想・レビュー・書評

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  • すごくわかりやすくて興味深く読んだ。
    苦しんでいる人たちが自身の状況に気づくきっかけになればいいと思う。
    今のこの関係、苦しいな、と思ったらぜひ。
    山田詠美の『風味絶佳』、映画『嫌われ松子の一生』、映画『ジョゼと虎と魚たち』、社会現象になった韓ドラ『冬のソナタ』などの、エンターテイメントを例にとっている章もある。
    『風味絶佳』は恐ろしいと思った。幽霊やお化けなんかより身近で、”いつのまにかそうなっている”のが、怖い。
    『ジョゼと虎と魚たち』は好きな映画で、二十代で観た当時は「恒夫ひでー」と、思ってたのだが、“共依存”というキーワードでこの映画を観ると、なるほど、そうかと思える結末。
    思えば「恒夫ひでー」という思いの奥底には、「(障害者の)ジョゼに責任取れよ!」といった、ジョゼに対する憐憫が隠れていたように思う。
    それはそれでジョゼに失礼な話だなと、今では考える。←話逸れた。
    『ジョゼと虎と魚たち』は原作と映画のラストが大きく違うみたいなので、見比べてみるのも楽しそう。

  • 弁護士会の読書:2009年8月20日
    https://www.fben.jp/bookcolumn/2009/08/

    信田さよ子『苦しいけれど、離れられない 共依存・からめとる愛』 | arsvi.com:立命館大学生存学研究所
    http://www.arsvi.com/b2000/0905ns.htm

    朝日新聞出版 最新刊行物:文庫:共依存 (単行本)
    https://publications.asahi.com/ecs/detail/?item_id=13779

    共依存 信田さよ子(著/文) - 朝日新聞出版 | 版元ドットコム
    https://www.hanmoto.com/bd/isbn/9784022620781

    ーーーーーーーーーーーーーーーーー
    【読書感想】 依存症 信田さよ子著 - 放送大学で勉強中(2016-04-15)
    https://wakaba2015.hatenablog.com/entry/2016/04/15/164341

  • 2012年文庫発行の新装版でした。
    -------------------------
    誰かにとって
    「かけがえのない存在」になることの快楽は、
    支配の快楽と同じだ。

    引きこもり、ギャンブル・アルコール依存、
    DV、母親問題、
    家族関係に悩んだとき、明快な答えがここにある。
    -------------------------
    ニュースで目にする痛ましい事件。
    そのなかには子どもが犠牲になるものも。

    前半は、共依存についての説明や、
    周辺情報を説明してくれているのですが、
    症例や事例も織り交ぜて語られていて読みやすく、
    知識のない素人の私でも理解できました。

    後半は、実際にというところと、
    映画作品のなかに見てとれる共依存を解説しており、
    無意識に見ているもののなかにも存在していることを感じました。

    ニュースで取り上げられる事件でも、
    この共依存がキーワードになっているものも
    あるんじゃないかと思わされました。

    10年以上も前の本なのに、
    今でも新鮮で思い当たる感覚に
    何とも言えない気持ちになりました。

  •  私がケアマネとして担当している利用者さん(女性)とその娘の関係性、ケアの仕方は支援者の良かれと思う方法から大きく外れており、私には理解できなかった。病院関係者からは「共依存的」と言われていたが、果たして本当にそうなのか?「共依存」の定義とは?との疑問から、本書を手に取った。
     彼女たちの関係性を俯瞰して考えることができたと同時に、「ケアする男性」の章での同性バッシング、性的役割分担は、思い当たることがありすぎてゾッとした。
     支援者としての私は、自分の中に根付いている性的役割分担についても意識していく必要があると感じた。

  • 感想
    排斥か受容かではない。好きな人の嫌な所を見つめなければ溺れる。それを指摘できないのは自己が確立されていないから。拒絶は死を意味しない。

  • 共依存やアダルトチルドレンについて著者の経験を踏まえた考えが記載されています。学術的な感じがなく、親しみやすい本です。

  • ドラマや映画の話も上がっていて、とてもわかりやすい。弱者を支配するのは、本当に簡単だと思う。そしてほとんどの人はそのことに無自覚だ。
    また、熊谷さんの解説もとても良かった。

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著者プロフィール

公認心理師・臨床心理士、原宿カウンセリングセンター顧問、公益社団法人日本公認心理師協会会長。1946年生まれ。お茶の水女子大学大学院修士課程修了。駒木野病院勤務、嗜癖問題臨床研究所付属原宿相談室室長を経て、1995年原宿カウンセリングセンターを設立。アルコール依存症、摂食障害、ひきこもりに悩む人やその家族、ドメスティック・バイオレンス、児童虐待、性暴力、各種ハラスメントの加害者・被害者へのカウンセリングを行ってきた。著書に、『母が重くてたまらない』『さよなら、お母さん』『家族のゆくえは金しだい』(いずれも春秋社)、『カウンセラーは何を見ているか』(医学書院)、『アダルト・チルドレン』(学芸みらい社)、『家族と国家は共謀する』(角川新書)、『タフラブ 絆を手放す生き方』(dZERO)、『共依存』(朝日文庫)などがある。

「2023年 『家族と厄災』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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