世界をつくった6つの革命の物語 新・人類進化史 (朝日文庫)

  • 朝日新聞出版 (2024年2月7日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (360ページ) / ISBN・EAN: 9784022620903

作品紹介・あらすじ

##内容「眩いばかりの一冊未来がどのように発展し生まれるのか、新結合を超える視点を得たければまずはこれを手に取るべし」――安宅和人氏(慶應義塾大学環境情報学部教授・LINEヤフー株式会社シニアストラテジスト/『イシューからはじめよ』『シン・ニホン』著者)推薦!「ガラス」「冷たさ」「音」「清潔」「時間」「光」――。人類の文明を劇的に変化させた、これらの6つの大発明に寄与したのは歴史に名を残した一握りの偉人だけではない。むしろ、名もなき市井の人びとが目の前の問題と格闘するなかで予期せず生まれた。もちろん、思いがけない外的影響も無視できない。「ぜいたく品」が「あたりまえのもの」になるまでの苦労の道程、そして奇跡とは。著名人から知られざるアマチュアまでさまざまな発明に光を当てながら人類進化の歴史をひもとく、まったく新しい世界史の物語。 単行本刊行時、新聞やビジネス誌など数々の書評で取り上げられ、科学者からビジネスパーソンまでを魅了し続けた一冊が待望の文庫化!《解説・安宅和人》##長文原稿■序章  ロボット歴史学者とハチドリの羽ハチドリの羽はどうやってデザインされたのか? 世界を読み解く「ロングズーム」■第1章 ガラスツタンカーメンのコガネムシガラスの島グーテンベルクと眼鏡 顕微鏡からテレビへガラスで編まれたインターネット鏡とルネサンスハワイ島のタイムマシンガラスは人間を待っていた■第2章 冷たさボストンの氷をカリブに運べ氷、おがくず、空っぽの船冷たさの価値氷によってできた街人工の冷たさイヌイットの瞬間冷凍エアコンの誕生と人口移動冷却革命■第3章 音古代洞窟の歌音をつかまえ、再生するベル研究所とエジソン研究所勘ちがいから生まれた真空管真空管アンプ、大衆、ヒトラー、ジミヘン命を救う音、終わらせる音■第4章 清潔汚すぎたシカゴありえない衛生観念塩素革命清潔さとアレルギーきれいすぎて飲めない水■第5章 時間ガリレオと揺れる祭壇ランプ時間に見張られる世界ふぞろいな時間たち太陽より正確な原子時計一万年の時を刻む時計■第6章 光鯨油ロウソクエジソンと〝魔法?の電球〝天才?への誤解ピラミッドで見いだされた光スラム街に希望を与えたフラッシュ一〇〇リットルのネオンバーコードの〝殺人光線?人工の〝太陽?■終章 タイムトラベラー数学に魅せられた伯爵夫人一八〇年前の〝コンピューター?隣接可能領域の新しい扉##著者プロフィールスティーブン・ジョンソン(Steven Johnson)影響力のあるさまざまなウェブサイトを立ち上げ、また、PBSとBBCのテレビシリーズ『私たちはどうして現在にいたったか(How We Got to Now)』の共同制作者であり、司会も務めている。著書に、『感染地図』『世界を変えた6つの「気晴らし」の物語』『世界が動いた「決断」の物語』『世界を変えた「海賊」の物語』『EXTRA LIFE』など多数。妻と3人の息子とともに、カリフォルニア州マリン群とニューヨーク市ブルックリンで暮らしている。##訳者プロフィール大田直子(おおた なおこ)翻訳家。東京大学文学部社会心理学

みんなの感想まとめ

技術の進化が人類の歴史に与えた影響を深く掘り下げた作品で、ガラス、冷たさ、音、清潔、時間、光の6つの革命を通じて、私たちの生活がどのように変わってきたのかを描いています。著者は、名もなき人々の努力や偶...

感想・レビュー・書評

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  • スティーブン・ジョンソン「世界をつくった6つの革命の物語」読了。6つの革命とは、ガラス、冷たさ、音、清潔、時間、光の技術進化の歴史にあった。各々身の回りに当たり前のようにあって深く考えた事がなかった。しかし本書を通じ世の中の見方が変わるほどの技術の変遷と浸透力に深く感動した。良書。

  • 世界の革新的・革命的な技術や発明に関して分かりやすく考察。

    〇ガラス
    人間の五感の一つである視覚に関係し、レンズ、眼鏡、顕微鏡、望遠鏡などの実用的機器として、またはインテリアなどとして趣味の高度化、多様化に大きく貢献して来た。
    顕微鏡は細胞や細菌の存在を明らかにし、生物学・医学・免疫学などを大幅に進化させ、結果として人類の死亡率低下、長寿化に貢献した。
    望遠鏡は当然、天文学・宇宙論に多大な影響を与えた。

    〇冷たさ
    少々珍しい視点だ。
    ただ本書では、「通常は、エネルギーが高いものに価値があるが、エネルギーの低い氷に価値を見出したのは画期的だ」と評価しているが、果たして正しいだろうか。
    確かに石油や石炭は数億年もの太陽エネルギーの蓄積があって価値ある物となっているが、それはエネルギーの高低、過多では無く、ただその物が希少(レア)である事に起因している。
    寒い地方ではありふれた氷を、それが存在しない熱帯地方に移送して、価値を発生させたという事だ。
    まあ、商社の基本だろう。
    続いて、冷蔵冷凍庫、エアコンだ。
    特にエアコンは、人類の居住環境、就業環境のみならず、居住地域にも大きな影響を及ぼした。
    熱帯地方の暑く、マラリア等の病気が蔓延する地域でも安全に居住出来るようになったのだ。

    〇音
    ネアンデルタール人が、洞窟内で音響が共鳴する事を発見し、それを儀式に利用していたことは、非常に興味深い。小布施の北斎館にも同じ様なの無かったっけ?(うろ覚え)
    個人的には、音楽、音響、スピーカー、ヘッドホンは必需品。これが無いと生きていけないから、最重要かも。
    現代のスピーカーにおけるANC(アクティブノイズキャンセリング)は、高性能なマイク→プロセッサ→スピーカーで構成されており、まさに技術の粋を集めたものだ。

    〇清潔
    こんな項目が並ぶとは予想だにしなかったが、確かに清潔さは死亡率の低下、長寿化に多大な影響を及ぼした。
    日本で主に戦国時代に建造された城にはトイレが設置されているが、使用された痕跡は無いという。本当の緊急時以外、外のトイレで用を足し、離れた場所に廃棄していたのだ。
    人々が密集した城で不衛生にすると疫病が蔓延するとの認識があったに違いない。
    清潔である事の重要性を理解していた証左であろう。
    パリやシカゴが不衛生な都市であり、特にベルサイユ宮殿で排泄物を踏まないためにハイヒールが、廊下の隅で排泄するためにバルーンスカートが発明されたのは有名な話だ。
    一方、江戸では長屋のトイレで排泄物を一括収集し、郊外に輸送して肥料としてリサイクルするシステムが確立していた。その排泄物の所有権を巡って、住民と所有者が争うほどに。

    〇時間
    時間の計測である。
    ガリレイの振り子の等時性から、クォーツ、原子時計、放射性年代測定法まで。
    正確な時間計測は、大航海時代の船の航行における経度の測定に不可欠であり、その高精度化が大航海時代を推し進めたと言っても良い。
    安全に多量の人員や物資の運搬が可能となったのだ。
    クォーツによる高精度化は、より効率的な生活、労働を、原子時計は特に相対性理論や量子力学などの物理学の世界で必須の技術であろう。
    「時間」があるのに、「空間」「距離」が挙げられていないのは、少々腑に落ちないが。まあ、視点の相違だろうか。

    〇光
    最後は光である。
    人類は歴史上、獣油、鯨油、白熱灯、LED、フラッシュ撮影法、ネオン、レーザーを利用して光を発生させてきた。
    近年ではレーザーを水素燃料に照射して人工の核融合を発生させる、まさに地上に太陽を再現するものである。
    そして僅かな一瞬ではあるが、発生したエネルギーが、生成のために入力したエネルギーを上回った。
    持続出来れば人類の悲願である永久機関と成りうる。

    〇終章 タイムトラベラー
    フォン・ノイマンより以前に「解析機関」と言う名の、所謂コンピュータの原型を構想設計した人物がいた。
    その名はチャールズ・バベッジ。
    それは既に、CPU、メモリ、プログラムという基本要素を有しており、事実なら「ノイマン型コンピュータ」では無く「バベッジ型コンピュータ」と改称されるべき案件だ。
    まさに、時代の先を行き過ぎて理解されなかった天才であろう。いや、実はタイムトラベラーなのか?

    最後に、バベッジと共に解析機関の開発を進めた、オーガスタ・エイダの自己分析に関する言葉を引用しておく。

    「神経系がどこか特異なせいで、私はものに対してほかの人にはない感じ方をします。隠れているものーー目や耳やふつうの感覚器官から隠れているものーーに対する直観的な知覚です。これだけではほとんど役に立ちませんが、ほかに私には、計り知れない論理的思考能力と集中力があります」

  • 人類の歴史の中で舞い踊られてきた共進化のダンス。ハチドリ効果。
    ロングズームのアプローチで見るイノベーションの歴史。

    第1章 ガラス
    ・グーテンベルグの活版印刷が識字率を高めてメガネを普及させ、レンズの活用が広がる。グラスファイバーによるインターネットの普及。人類が熱を手に入れて二酸化ケイ素のガラスとしての活用が広がる。

    ◯多重発明:概念の構成要素がそろったおかげで、発明や科学的な発見がまとまって生じる。地理的に散らばっている数人の研究者が、たまたま独自に同じことを発見する。
    ひとりの天才が他の誰も夢にも思わないアイデアを考えつくというのは、実は例外であって通例ではない。

    第2章 冷たさ
    ・氷の貿易から人工冷却、冷凍食品、エアコン
    ・大統領選から人工妊娠まで、発明のインパクトは当初のものに縛られがちと自覚する。

    第3章 音
    ・エドアール=レオン・スコット・ド・マルタンヴィルによる音を記録する装置フォノートグラフ。速記のアナロジーから着想したため記録をいち早く実現する一方、再生の概念なし。
    ・ベル研究所がアイデア工場となり得た独禁法上の申し合せ。電話サービスの独占維持は許されるが、ベル研究所によって生み出された特許発明はどれも、それを有益と考えるアメリカ企業に無償で使用許可を与えなくてはならず、新たに取得する特許はすべて安価な料金で使用を認めなくてはならない。
    ・暗号から生まれたデジタル信号。
    ・真空管アンプが政治、音楽集会規模を変える。ヒトラーの利用。
    ・ソナー技術による妊婦検査。これが生み出す、特に中国での女児中絶。

    第4章 清潔
    ・塩素消毒の始まりと普及の理由。

    第5章 時間
    ・振り子時計から、クォーツ、原子時計へ。「等しい時間」を有するものの探索。時間が正確に測れるだけでなく、測れることで変わる産業、生活。

    第6章 光
    ・電球はイノベーション・ネットワークの成果

  • 革命は連鎖するからこそ革命

    イノベーションも同じである。1つのきっかけではなく、その連鎖こそ産業革命。

    ■概要
    ガラス、音、冷たさ、明るさなどの技術発展が様々な社会的な影響や、他のイノベーションに影響を与えていることを考察する。

    ■感想
    『外国と戦争の世界史』であったナポレオン革命は、民主化を2歩後退させ(ウィーン体制)→3歩進めた(諸国民の春)とあった。あれよりも更に因果関係が捉えづらく、複雑であるものの、技術の発展もそうである。

    ・ガラスの章が1番圧巻。
    ケイ素という不思議な物質がメガネを生み、活字で目が悪くなった人や元々活字が読めない近視の人に影響しただけでなく、今となってはファイバーとして世界をWebで繋ぐ技術となった。冷たさ、明るさなど、人類が培ってきた人工でこれらを作り出す試みが、熱帯地域への居住を可能にしたり、あらゆる「成長」を生んでいる。

    ・安宅氏の考察
    新しい技術がどのような形に育つのか、どのような影響をもたらすのか、世に出した瞬間にわかるわけがないこともよく分かる。バックキャスティングで未来が生み出せるかのような議論が最近多く、少々辟易としていたが、ある種、溜飲が下がった

    ・筆者の考え
    「"タイムトラベラー"に共通する要素があるとしたら、それは、彼らが表向きの専門分野の余白、あるいはまったく異なる領域の交点で、仕事をしていたことである」
    →まさにイノベーション、門外漢

  • 6つの分野のイノベーションの歴史について書かれている。分野は「ガラス」「音」「冷たさ」「清潔」「時間」「光」で相互の関連や選んだ基準は無いようだがどの分野のトピックも興味深い。例えば、「冷たさ」ではアメリカ北部の天然氷をカリブ地方へ運ぶ話から製氷機の発明、冷蔵庫、冷凍食品、エアコンと次々にイノベーションの物語が語られる。一人の天才の閃きより、さまざまなアイデアを組み合わせることがこれらのイノベーションの誕生には必要であったことが分かる。分野の選び方、エピソードの収集と選択、構成どれをとっても素晴らしい。しかし読み終わった後、著者の目新しい主張やアイデアが感じられなかった。興味深いエピソード集としか読めなかったのは読解力の不足なのであろう。

  • 面白かった
    ガラス、冷たさ、音、光などがどうして生まれたか

    タイムトラベラーはガレージから生まれる
    専門家ではなく、異業種を掛け合わせられる人。

    いろんなものに興味を持つべき理由はそこにある

  • 過去の歴史を、少し変わった切り口から捉えるという内容が好きで、色々なものを読んでいるが、その中でもかなり興味深かった。と同時に、我々の今の生活というか文明も、かなりの部分が偶然に支えられているのではないかということも思った。

  • ガラスや冷房、光など現代になくてはならない発明の起源が書かれていて面白い
    食品の冷凍技術が少子化対策に繋がるなど、どの分野もバタフライエフェクトの如く発展している
    次の100年はどう描かれるのかなぁ

  • 面白かった!!
    今ある当たり前が数十年、数百年前は全く異なり、様々な人の人生で今の当たり前ができていることがわかった
    科学面白い

  • 今では当たり前の存在となっているものがどのように発明されたのか、長期にわたる時間軸の中で、これまでにない切り口から記載されている。
    歴史に関する読み物としても、科学、イノベーションについて学ぶ書物としても面白いと感じた。
    物事について、視点、切り口を変えた見方を学べると思う。

  • ガラスや冷たさなど、身の回りにある身近なものの歴史を、様々な角度で見ており、思いもよらない繋がりを提示して、面白い発見が多くあった本だった。
    ガラスを一つとっても、窓以外にも眼鏡や鏡がどのように生まれ、それがなぜ必要になったのか。そこで生まれた、レンズが細胞の発見や細菌を発見し我々の健康に貢献したなど。
    思いもよらない繋がりが見えて、この世界が様々なものと影響しあって構築されてるというのを歴史を通じて体感できた。

  • 本のタイトルから想像する内容とギャップがあって、各章の名前からすでに面白い。私たちが手にしているすべての便利なものたちをいろんな人生や物語の終着点として捉え直せたら世界は面白すぎるよなぁ

  • 安宅和人さん推薦。

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著者プロフィール

ライター。7冊のベストセラーがある。訳書は『イノベーションのアイデアを生み出す七つの法則』『ダメなものは、タメになる』『創発』『感染地図』など。

「2014年 『ピア』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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