境界の日本史 (朝日選書)

  • 朝日新聞出版
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  • Amazon.co.jp ・本 (320ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784022630834

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  • 後期旧石器時代前半期、狩猟採集民は数家族から数十人の小規模集団で移動生活。東北から中部にかけては石刃製狩猟具が発達、近畿・中国・九州北部では石刃製狩猟具が未発達、伊豆・伊勢・四国沿岸・九州南部にかけては石刃製狩猟具が未発達+落とし穴、沖縄は貝器を利用。
    約3万年前の姶良火山の噴火と気候変動。寒冷化と植生の急激な変化。針葉樹林の拡大。北方のマンモス動物群と南方のナウマンゾウ、オオツノジカ動物群が気候変動に従って移動。2万数千年前ごろ、大型動物はほぼ絶滅。
    移動性の高い大型獣狩猟から、地域ごとに豊富に存在する中小型動物狩猟等の幅広い資源利用戦略への転換。関東地方西部は生業エリアが縮小したため、良質石材産地との距離が離れ、簡便な石器製作へ。九州地方島南部は、良質石材産地が偏在し、生業エリアが縮小しても影響少なく自由度の高い石器製作が可能。
    古瀬戸内平原の狩猟採集民は、国府型ナイフ形石器など瀬戸内技法と呼ばれる技術を使いこなした。
    2万5千年前から2万年前の後期旧石器時代後半期には、さらに細かい地域性(P85)。
    交流しながら地域性を維持。
    1万6500年前に土器が出現、晩氷期の温暖化より前。土器使用の契機と発達普及の契機は違う?
    最初は旧石器時代の石器群と一緒に、寒冷化に入ると土器・剥片製石器・竪穴建物となり青森まで北漸。
    縄文時代早期、竪穴建物からなる大規模集落、気候の安定化による定住的生活。
    土器様式の境界(P117)。北海道北部、東日本、西日本、沖縄。
    排他性と協調性、境界。
    国造、西日本の広域首長連合、東日本は小さなまとまりが天皇に従う東国、坂東。
    三関=鈴鹿、不破、愛発=政治的混乱が予想される場合、関が閉鎖。
    鎌倉幕府=東の政府、朝廷=西の政府。

  • MK6a

  • 旧石器時代、縄文時代、弥生時代、古墳時代の遺跡を詳細に解析することで、日本列島の現存している地域の特色のオリジナリティの源泉を解き明かしている好著だ.気候の変動はグリーンランドの氷や水月湖のデータから解明されており、人類の活動もリンクして考察できるようだ.現在の都道府県の境界は、明治初期にある程度人為的に決定されたが、本書によると旧石器時代に既に大まかに決定されていた由.東日本と西日本の違いも、細かに解説してあり楽しめた.

  • p.65 北海道への最初の移住者については、石器の型式比較では、本州からの人の移動が十分考えられる。
    地域特性の違い

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