街道をゆく 43 (朝日文芸文庫 し 1-47)

著者 :
  • 朝日新聞出版
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感想 : 14
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  • Amazon.co.jp ・本 (141ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784022641687

感想・レビュー・書評

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  • 司馬遼太郎氏の著書を読むのは久しぶりです。
    これまで歴史小説ばかりだったので、いつかはこのシリーズを読みたいと思っており、読むならどこがいいかと考えたところ、やはり地元からかと思い、読むことになりました。
    著者は、この作品を手掛けている途中で急逝し、未完の状態だったということを知り、その偶然に驚くと共に、著者は、他にどんなことを書きたかったのだろうかと思ってしまいました。
    著者は、織田信長や徳川家康を主人公にした作品を書いているため、きっとこの地域のこともかなり調べ、思うところもあったのではないかと想像しますが、いろいろな意味で貴重な一冊だと感じました。

  • 明瞭で読み易い文体
    徒然舎にて購入

  • 「未完」という文字が、すごい悲しい。
    司馬遼太郎さんが見れなかった未来を担って行かなければ。

  • 最終巻というか、未完の遺作。
    濃・尾・参(三河)の三国についてというタイトルのものの、美濃のことまではあまり語られることなく、中途で絶筆となったのはあまりに惜しい。
    そう思えるほど、愛知県内の尾・参における、今川~信長~家康についての戦国絵巻とそれをめぐる紀行は、描写が面白い。戦における信長の奇襲のこととか、地形とのかかわりとか(田楽ヶ窪)…。
    一方で美濃のことといえば秀吉の蜂須賀小六との出会いのことで、少しだけ墨俣(一夜)城のことがでてきた程度。うーん、あまりに惜しい。

    しかし、安野光雅のスケッチ他が収められているのはお得。
    名古屋城や木曽川(犬山城から見た)などの絵は、文中にもでてきたが「写真ではなく、表現としての絵画」。
    平山郁夫にも似た画風、と認識。

  • 何事にも終わりはあるというものの、それを目の当たりにするのは何とも言えない寂寥感あり。
    この作家、家康はあまり好きではないのでは?と思っておりましたが、何やら違うニュアンスもあり、最後まで読みたかったと思わずにはいられない。
    好悪ありにせよ、巨人の一人であることは疑いようもなく。

  • この地に暮らし始めて半年。しかし日々の忙しさに追われ、私は未だこの土地の人と空気を肌で感じ得たという手応えを得ることが出来ない。その土地をつぶさに歩き風土や思念を焙り出す面白さのある「街道をゆく」シリーズ。本作なら名古屋という得体の知れぬ土地を読み解く手掛かりとイメージを得られるはずだ…。そう考えて読み始めた。

    しかし…。

     本書はシリーズの最後の作品。執筆の途中で筆者は斃れ、程なく他界した。濃尾地方への取材紀行が遺作になってしまった。司馬遼太郎自身による文章は80頁程で突然終わる。この80頁の内容にしても少々淡白に感じられ、シリーズの他の旅のようなスケールの大きい思索のダイナミズムが感じられない。淡白である。推敲途中のものか?とすら思われる。

     頁の残り半分を安野光雅の画と文、旅先での司馬さんのポートレイト、編集者による余話で補っている。だけれども、やはり物足りなさを埋めることは出来ない。

    なんとも手応えの無いまま読了してしまった。

  • 15/1/10 これにて全43巻完読

  • 執筆途中に逝去。よって薄い。

  • 美濃、尾張、参は三河。信長も秀吉も家康も生まれはこのへん。現在の愛知県と岐阜の一部。起業精神にあふれる一方、忠誠心も高い地域とか。トヨタ自動車の成功もこういう風土が関係してるんだなぁとか思ってたら途中で著者急逝絶筆。なんとも残念。

  • すごくはまる。

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著者プロフィール

司馬遼太郎(1923-1996)小説家。作家。評論家。大阪市生れ。大阪外語学校蒙古語科卒。産経新聞文化部に勤めていた1960(昭和35)年、『梟の城』で直木賞受賞。以後、歴史小説を次々に発表。1966年に『竜馬がゆく』『国盗り物語』で菊池寛賞受賞。ほかの受賞作も多数。1993(平成5)年に文化勲章受章。“司馬史観”とよばれ独自の歴史の見方が大きな影響を及ぼした。『街道をゆく』の連載半ばで急逝。享年72。『司馬遼太郎全集』(全68巻)がある。

「2020年 『シベリア記 遙かなる旅の原点』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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